赤ちゃんは飲んだものや食べたものがうんちの色や形に影響することがよくあります。母乳やミルクでもうんちに多少違いがみられるのをご存知でしょうか。
今回は、赤ちゃんのうんちの色や形は母乳とミルクでどう違うのか、白いつぶつぶなどの混入物があるのは問題ないのかなどをご紹介します。
赤ちゃんのうんちの基本的な色と回数は?新生児期は?
赤ちゃんは消化器官が発達途中なので、基本的なうんちの状態が大人とは異なります。変化が激しいので、月齢に合った基本的なうんちの状態を認識しておきましょう。
新生児期の赤ちゃんのうんちは黄色で、腸内に溜まっている時間が長いと緑、黒っぽい色になることがあります。
生後3~4ヶ月頃になると、茶色に近い黄色のうんちを1日2〜3回ほどするのが一般的です(※1)。酸っぱいにおいの水っぽいうんちを1日10回以上したり、ネバネバした腸の粘膜が混ざったりすることもあります。
離乳食がはじまると、ニンジンを食べて赤っぽくなったり、ホウレンソウを食べて緑色っぽくなったりして、食べたものの色が直接影響します。離乳食の変化により腸内細菌のバランスが変わることでうんちの色が変化することもあります。
離乳食の消化に慣れるまで、赤ちゃんのうんちは緩くなったり硬くなったりしますが、徐々に大人のような色や回数、においに変化していきます。
生後6ヶ月を過ぎる頃には、赤ちゃんのうんちは茶色っぽくなり、1日3回から少しずつ回数が減って、形も安定してくるとされています(※1)。
赤ちゃんのうんちは母乳とミルクで回数・におい・固さがどう違う?
母乳やミルクによって、赤ちゃんのうんちの回数やにおい、固さにも影響します。
母乳育児のときの赤ちゃんのうんちの状態
・ 色はオレンジに近い黄色、または緑色
・ 母乳に含まれる乳糖が腸の中で乳酸の生成を促すため、酸っぱいにおいになることがある
・ ゆるめの液状やペースト状であることが多い
・ ミルクに比べると消化が早く、回数は多い
ミルク育児のときの赤ちゃんのうんちの状態
・ 色は淡い黄色や緑色になることがある
・ においは、母乳に比べて少し臭いことがある
・ 腸内に滞留する時間が長く、固めで粘り気が多いことがある
・ 消化に時間がかかる傾向があり、回数は少ない
混合育児の場合は母乳とミルクの中間になり、どちらの割合が多いかによって違いが出てきます。
赤ちゃんのうんちにつぶつぶがあるのは病気?
赤ちゃんのうんちに白いつぶつぶが混じっていることもあります。これは、消化しきれなかった母乳やミルクの脂肪分やカルシウムなので、心配する必要はありません。うまく消化できるようになると、徐々になくなっていきますよ。
ただし、赤ちゃんが白い下痢を繰り返しているいる場合、ロタウイルスによるウイルス性胃腸炎を起こしている可能性があります。嘔吐や発熱の症状が見られるときは、できるだけ早く病院を受診しましょう。
赤ちゃんのうんちの色はおむつ替えのたびにチェックしよう
赤ちゃんのうんちは健康のバロメーターです。うんちの色によっては病気が潜んでいる可能性もあるので、おむつ替えのたびにチェックする習慣をつけておくと良いですね。個人差もあるので、赤ちゃんが普段どんなうんちをしているのか把握しておきましょう。
※1 日本小児栄養消化器肝臓学会「小児慢性機能性 便秘症 診療ガイドライン」
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。