女の子のママやパパは、「育てやすくていいね」と言われることもあるのではないでしょうか。「確かにそうだな」と思うこともあれば、「本当にそうなの?」と感じることもあるかもしれません。
今回は、女の子の育て方について、育てやすいというのは本当なのか、育てるときのコツや注意点をご紹介します。
女の子の育て方は?育てやすいって本当?
昔から、女の子は男の子に比べて「落ち着いている」「言葉を話し始めるのが早い」「体が丈夫」などといわれることが多く、こういった理由から「女の子は育てやすい」という噂が広がったと考えられます。
しかし最近のいくつかの研究結果によると、子どもの性格や考え方、得意・不得意なことに男女差はほとんどなく、個人差のほうが大きいということがわかってきました。
それでも、男の子と女の子の両方を育てている人が「女の子のほうが手がかからない」と言っているのを聞いたことがある人もいますよね。
女の子が育てやすいといわれるのは、以下のような理由をあげるママやパパが多いからだと考えられます。
聞き分けが良い
「男の子は女の子に比べて病気になりやすい」という話を耳にしたことがあるかもしれませんが、子どもの体の強さや病気のかかりやすさに性差があるかどうかは、はっきりしていません。
それでも女の子のほうが丈夫だといわれるのは、女の子は親の言うことを素直に聞くという人が多いからかもしれません。
風邪を引きそうだったり病気になったりしたときは、おとなしく休む、薬をきちんと飲むといった親の言いつけを守ると早く回復しやすいため、結果的に病気にかかる期間が少なく済むこともあるようです。
精神面の成長が早い
必ずしもそうだとはいえませんが、女の子は男の子に比べて精神面での成長が早い子が多いといわれています。
男の子は甘えん坊でいたずら好きなのに対し、女の子は年齢が低いうちから周りの友達にあわせたりママやパパと離れても泣かなかったりするため、大人びていると感じることも。
実際に、女の子に比べて男の子は「甘えん坊」「心が繊細」であると感じたというママ・パパは多いようですよ。
遊び方がおとなしい
おままごとやお絵かきなど、どちらかというと静かな遊びを好む傾向がある女の子が多いのに対して、男の子の多くはボール遊びやかけっこなど、絶えず動き回る遊びを好むというママやパパが多いようです。
動けばケガも多くなるので、男の子は手がかかると感じるのかもしれません。ただし、女の子でもスポーツ好きで活発な子もいるので、一概にそうとはいえないかもしれませんね。
ママの場合、自分の経験が活かせる
ママにとっては女の子は同性なので、自分の子どもの頃の経験を活かしながら子育てができることで「育てやすい」と感じるかもしれません。
一方、男の子はママにとって異性であるため、肉体的な違いや成長において知らない部分がたくさんあり、育てるのが大変だと感じたり悩んだりすることが多くなりやすいといえるでしょう。
女の子の育て方のコツは?
女の子だから、男の子だからといって子育ての方法を変える必要はなく、子どもの個性にあった育児をすることが大切ですが、ここでは女の子の育て方のコツとなりそうな方法をいくつかご紹介します。
本人のやる気を尊重する
個人差はありますが、女の子は男の子に比べると、早い段階でママやパパの手を借りずにひとりでできるようになることが多いといわれます。自分でやりたいという行動がみられたら本人の気持ちを尊重して、そっと見守ってくださいね。
上手にできたときはたくさん褒めて、次のステップにつながるようにしましょう。
お手本を示す
子どもは小さい頃からママやパパの行動をよく見ていて、大人がやっていることは何でも真似したがります。知らず知らずのうちに、行動やしゃべり方などの口癖がうつっていることもあります。
特にママは同性なので、自分を見守ってくれる親であると同時に、一番身近な大人の女性です。
こうしてほしいと思ったらママやパパがお手本を見せて、反対に子どもにしてほしくないことはやらないようにしましょう。
いっぱいおしゃべりする
男の子の兄や弟がいる場合、特にママにとっては異性である男の子は女の子に比べて大変だと感じることもあるかもしれません。
一方で、女の子の気持ちは手に取るように分かるため、つい男の子の兄弟とのコミュニケーションのウェイトのほうが重くなることも。
しかし、女の子とも同じようにコミュニケーションをとるようにしましょう。ママやパパといっぱいおしゃべりすることで、愛されていると感じるはずですよ。
女の子を育てるときは叱り方に気をつけよう
口が達者な女の子や、ちょっとおませなタイプの女の子のママやパパは、ついつい叱りたくなることもあるかもしれません。
悪いことをしたときに叱るのは大切なことですが、以下のような対応を心がけてくださいね。
叱る前に、まず話を聞く
叱る前に、まずは子どもの話を聞いてあげましょう。
どうしてそうしてしまったのか、何がいけなかったのかなどをママやパパに詳しく話すうちに、自分の悪かった部分に気づけて、大人が叱らなくても反省することもあります。
子どもと自分は別人格であることを意識する
叱るときに、自分の子どもの頃の経験から「娘が〇〇したのは△△という理由のはず」「〇〇といえば反省するはず」などと決めつけてしまうことも。
しかし、子どもにはママやパパとは違う子どもなりの考え方や好みがあります。
ママやパパの考えを押しつけたり自身の子どもの頃と比べたりしながら叱ることはせず、子どもは別人格であることを認識し、気持ちを尊重してあげることが大切です。
女の子の育て方のコツをつかんで親子の絆を深めよう
ママにとっては同性である女の子は育てやすいと感じることが多い一方で、思春期を迎える頃になると女性同士がゆえに衝突することもあるかもしれません。
パパの場合は、小さいうちはパパっ子だった娘が、大きくなるにつれてパパから離れていってしまうのではと心配になることもあるのではないでしょうか。
そんなときのためにも、小さなうちから愛情をたっぷりと注いで「いつでも、どんなときでもママとパパは味方でいてくれる」という揺るぎない安心感を持たせてあげたいものですね。女の子の子育てを楽しみながら、成長を見守っていけるといいですね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。