やりたい気持ちがあれば、誰にでもチャンスがある

エバーセンスに入社するまでは書籍や広報誌の編集をしていたので、ひとつのプロダクトを作りあげるという経験はありました。でも、事業としてメディアをゼロから立ち上げるというのは初めてのことでしたね。

ウェブの世界に飛び込んだので、「いつかは自分でウェブメディアを運営してみたい」という好奇心はありましたが、こんなに早く経験することになるとは思ってなかったです(笑)。

エバーセンスには、「家族を幸せにする」というビジョンにつながるなら、どんどんアイデアを出していい、というカルチャーがあります。僕が入社した2015年のときから、社長の牧野は「なんでも思いついたことあればどんどん言ってね」と、ことあるごとに言っていました。

だから、つねにアイデアのタネになるものは探していて。そんななかで、『コジカジ』につながる「家事」をテーマにした事業を思いついたんです。

その頃は『こそだてハック』の編集をしていたんですが、子育てにまつわる情報を集めていると、家事で悩んでいるママやパパの声を見かけることがありました。それに、自分も子どもが生まれたばかりだったんですが、共働きなので夫婦で家事をやりくりするのって思った以上に大変だと感じていたんですね。

ママやパパは子育てに追われながら、家事もこなさなければならない。「家事を当たり前にこなすのが普通」という考えのせいで、身体的・精神的にストレスを抱えてしまっているなと。

我が家も例外ではなくて、家事と育児の板挟みで家の中がピリピリしてしまうこともありました。そんな実体験もあって、家事にまつわる課題を解決できれば、家庭内でママやパパがイライラするようなことが少なくなるんじゃないかと考え、「家事」をテーマにしたサービスをつくってみたいと考えたんです。

それで『こそだてハック』の編集会議をしていたときに、話の流れで「家事の領域で何かできそうですよね」って提案してみたんです。そしたら、「いいね。じゃあ、ものづくり会議に出してみてよ」と。ちょうど、社員は誰でも事業提案ができる『ものづくり会議』をスタートするタイミングだったので、そのアイデアを提案しなければならくなりました(笑)。

そこから、事業づくりとの格闘が始まりましたね。                                           

みんなの厳しい目のおかげで、よいサービスが生まれる

ちょっとした思いつきから考えることになったサービスでしたが、いざ考え出すとわからないことだらけ。ものづくり会議に出すまでは、とにかく家事のことばかり考えてました。世の中のママやパパは家事でどんな問題を抱えているのか。それに対してウチがサービスとして何を提供できるのか。ユーザー目線でサービスの形を考えました。

あれこれ頭を悩ませて、家事で悩む原因は「家事のやり方」がわからないことが根底にあるのでは?と考えて、まずは家事にまつわる知識をすぐ手に入れられるようにしたらいいんじゃないかと。ウチが得意とするメディアを、「家事」をテーマにしてやってみようと考えたんです。

でも、実際にものづくり会議に出したところ、家事メディアという方向性は共感を得られたんですが、それ以外の面でだいぶつっこみをもらいました(苦笑)。そもそもどんな人がどんな状況でそのサービスを利用するのか、ユーザーにどんな価値を提供できるのか、事業としては成立するのか、どれくらいのメンバーでどれくらいの労力を割く必要があるのか。

いざメンバーからの質問をもらうと即答できないことも多くて…ツメが甘すぎましたね(笑)。悔しかったですが、自分の思考の幅が狭すぎるんだなと痛感しました。

ものづくり会議は、思いついたアイデアを誰もが出せるチャンスのある場所です。でもそれ以上に、他のメンバーの声でいろんな視点に気付かされる場でもある。エバーセンスにいるメンバーが普段からユーザーにより良いものを届けるためにどうしたらいいかを考え、お互いに厳しい意見を言い合う関係だからこそ、できることだと思います。

みんなの意見によって、自分の視野がグッと広がり、さらによいものになっていく実感がありました。自分で考えて考えて考え抜いたあとで、さらにこんな経験ができるのはとっても贅沢だなぁと思います。大変ですけど(笑)。新卒であろうが、社会人10年目であろうが、その場はフェアに与えられている。こんな環境はなかなかないと思いますね。

ここでフィードバックをもらい、自分に足りなかった部分を埋めたことで、エバーセンスでやるべき家事メディアとしての像が、私のなかでも明確になりました。『コジカジ』は次のものづくり会議で認めてもらい、新規事業としてなんとかスタートすることが決まったんです。それもあの時、厳しい意見を言ってくれたみんなのおかげだなと思っています。

 

ウェブメディアは、リリースしてからが本当のはじまり

ものづくり会議でGOが出てからリリースまでの3カ月間は、再びわからないことの連続でした。

運営していく上での編集部の体制づくり、エンジニアで必要なシステムの設計・管理方法、サイトデザインの検討など、考えることも決めることも、とにかくたくさんありました。当時は『こそだてハック』の記事を編集しながら、『コジカジ』の準備もしていたので大忙しでしたが、日々新しい学びを得るのは貴重な経験だったと思います。

編集部の立ち上げに関しては、今年新卒で入社した古賀がインターンとして参加してくれたんですが、彼に編集とはなんぞやみたいなことも覚えてもらいながらだったので、かなりてんやわんやでした(笑)。何から何まで手取り足取り教える、というわけにはいかないなかで、彼はよくついてきてくれているなと思っています。

みんなの協力でどうにかこうにかリリースできましたが、当時は期待よりも不安のほうが大きかったように記憶してますね。メディアの運営は始まったら、もう止まれないですから(笑)。

それにウェブメディアの事業はリリースするのが目的ではありません。大事なのはリリースしてから、ユーザーに届いて、読んでもらえるようになること。そのために、今も日々試行錯誤しているところです。ただ、何よりも今は、読んでくれている人がいる、という事実があります。自分のつくったサービスが、少しずつ、着実に、届けたい人に届いていく。そのおもしろさは何にも代えがたいですね。

チームの人数も一人二人と増えてきて、できることも少しずつ増えてきました。『コジカジ』をもっと多くの人に届けて、家事で悩んでいるママやパパの助けになることを目指していますが、その先には単なるメディア事業以外の展開も考えています。

小さい子どもがいるママやパパが抱える家事の問題を解消できることなら、なんでもチャレンジしたいですね。すぐに結果はでないけれど、今はとにかく前を向いて、この状況をおもしろがっていきたい――そう思っています。

今、新卒のみなさんに大事にしてほしいこと

社会人になってからずっと編集を仕事にしてきた人間として、強いて言うとすれば、これから社会に出るみなさんには自分の「言葉」を磨いてほしいなと思います。

何かを考えるときの根本には言葉があり、それを人に伝えるときも言葉が必要です。自分のなかにある言葉以上に、思考は広がりません。知っている言葉が多ければ多いほど、その人の世界の見え方も変わるし、伝え方も変わります。

新規事業を生み出すには自分で考えることが大切です。そして、自分が考えていることを理解してもらうとき、誰かに協力してもらいたいとき、熱意はあっても言葉が足りないと伝わらないことがあります。言葉を磨くことで、自分のなかのアイデアをもっと磨き上げることができるし、周りの理解や協力を得やすくなります。

熱量と勢いだけではなく、それを伝えるための言葉。ぜひそこに敏感になって、今のうちから言葉を磨く、ということを意識してみてもらえたらなと。

そんなみなさんとお会いできるのを、心から楽しみにしています!

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