耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか、「おむつを洗濯機で洗ってしまうと、その後がとっても大変だ」ということを。
「おむつを洗濯機に入れてしまうことなんてあるの?」と思うかもしれませんが、実は、多くのママがこの惨劇の体験をしているのです。
そこで今回は、おむつを洗濯機で洗うとどういう事態になるのか、そして、その後の対処法としてやっていいこと・悪いことを、編集部の実験とともにご説明します!
おむつを洗濯機で洗ったらこんな事態に…
紙おむつを洗濯機に入れて衣類と一緒に洗濯してしまうと、透明なゼリー状のツブツブやティッシュのような白いものが衣類にベッタリと絡みつきます。
運が良ければ、おむつが水分を吸うだけ吸った状態で済むこともあるようですが、これらのゴミが洗濯機の糸くずフィルターに溜まったり、排水ホースや排水口に溜まったりすることもあります。
透明なゼリー状のツブツブは、おしっこなどの水分を吸収する高分子吸収体(ポリマー)が洗濯機の水分を吸収して膨らんだもの。
そして、ティッシュのようなものは、紙おむつの素材のパルプや不織布です。
おむつを洗濯したときの対処法は?
おむつを洗濯機で洗ってしまったあとの対処には
1. 衣類についたゴミを取り除く
2. 洗濯機に溜まったゴミを取り除く
の2つのポイントがあります。
編集部で試した、おすすめの対処法をそれぞれご紹介します。
衣類についたおむつのゴミの取り方
1-1. ベランダや浴室で衣類をバサバサ振る
浴室やベランダなどに新聞紙(またはレジャーシート)を敷き、洗濯機から取り出した濡れたままの衣類を1枚ずつバサバサと振ります。
襟まわりのパイピングや細工を施した部分は、軽くもみ洗いをするようにして払い落とします。
これでおむつのポリマーはほぼ払い落とすことができます。ただし、不織布(下の写真の白いもの)などはしっかり残ってしまいます。
1-2. 野菜のネットでこする
時間に余裕があるときは、オクラなどのネットに指を入れて衣類をこする方法がおすすめ。
バザバサ振ったときと同様でおむつのポリマーは簡単に落ちるのですが、不織布はかなりのやっかいもの。
指先で円を描いたりしながら、いろいろな方向にこすると不織布が丸まってポロポロと落ちやすくなりますよ。
2. 衣類が乾いたあとにガムテープで仕上げ
衣類が乾いたら、ガムテープをしっかりと衣類に貼り付け、めくるようにしてはがします。
衣類用のブラシ、歯ブラシなども試しましたが、ガムテープがもっともきれいに不織布などのゴミを取り除くことができました。
ただしガムテープをはがすときに衣類が伸びてしまったり、型崩れの原因になることもあるので、慎重に行ってくださいね。
縦型/ドラム式洗濯槽のおむつのゴミの取り方
ここからは、洗濯機に残ったおむつのゴミの取り方をご紹介します。
縦型洗濯機の場合
1. 洗濯槽のゴミを取り除く
1. 洗濯槽のゴミを取り除く
洗濯槽におむつのポリマーや不織布が残っていたら、ペーパータオルやティッシュなどで取り除く
2. 糸くずフィルターのゴミを取り除く
続いて、糸くずフィルターに溜まったポリマーと不織布を取り除きます。
1. 排水口から排水ホースを外し、不織布やポリマーが詰まっていないか確認する。詰まっていたら取り除く
2. 排水ホースを排水口にセットしなおす
3. 槽洗浄コースがあれば、いちばん長時間のコースに設定する。このとき洗剤は入れず、水道水だけ使用する
4. 取りきれなければ、何度か繰り返す
※メーカー・機種によって方法や手順が異なる場合があります。必ず、取り扱い説明書やメーカーのホームページを確認するようにしましょう。
ドラム式洗濯機の場合
1. 洗濯槽のゴミを取り除く
1. 洗濯槽のゴミを取り除く
洗濯槽におむつのポリマーや不織布が残っていたら、ペーパータオルやティッシュなどで取り除く
2. 糸くずフィルターのゴミを取り除く
続いて、糸くずフィルターに溜まったポリマーと不織布を取り除きます。
1. 水位を高めに張り、個別操作をして「洗い」を設定する
2. 1〜2分おきに一時停止をする
3. 洗濯槽に浮いてきたおむつの不織布やポリマーを、網などですくって取り除く。洗濯機の電源を切る
4. 排水ホースや排水口に不織布やポリマーが詰まっていないか確認し、詰まりがあれば取り除く
5. 電源を入れ、個別操作をして「脱水」を設定し、排水する
※メーカー・機種によって方法や手順が異なる場合があります。必ず、取り扱い説明書やメーカーのホームページを確認するようにしましょう。
塩をかけると洗濯機に付着した
おむつのポリマーが溶けるって本当?
「塩をかけるとおむつのポリマーが溶けるから、そのまま流せるらしい」という噂を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
その噂、誤った情報です。塩をかけてもおむつのポリマーは溶けません!抱え込んでいた水分を手放して、小さくなるだけです。
左:洗濯後のおむつのポリマー 右:塩を振ったおむつのポリマー
洗濯後のポリマー | 塩を振ったポリマー | |
重さ | 969g | 257g |
※パンツタイプのSサイズを使用
※右は塩大さじ3を混ぜ、出てきた水分をきったもの
260gものポリマーや不織布を流すと排水口がつまり、水が溢れてしまう恐れがあります。
また、大量の塩を洗濯槽に投入すると、洗濯槽がサビてしまう可能性もあります。
おむつを洗濯機で洗ってしまったときの対処法として、塩を入れることを推奨しているおむつメーカー・洗濯機メーカーはありません。
洗濯機でおむつを洗ってしまったときに、洗濯機に塩を入れてポリマーを流すのは絶対にやめてくださいね。
もう二度とおむつ洗濯機に入れない!
予防は「仕分けカゴ」で
今回ご紹介したように、おむつを洗濯機で洗ってしまった後の処理はとっても手間がかかりますよね…。
そこで予防策として提案したいのが、仕分けカゴを用意するというもの。脱いだ洗濯物を直接洗濯機に入れずに、ひとまずカゴに入れる癖をつけましょう(お手伝い中の上の子も!)。
そして、洗濯物におむつやティッシュなどが紛れていないか確認してから洗濯機に入れます。この流れを作れば、ついうっかり、おむつを洗濯機で洗ってしまうことも減るはずですよ。
赤ちゃんが大きくなって外遊びが活発になってきたら、泥汚れがついた衣類は予洗いをするなど、いずれにしても仕分けが必要になります。
早めに洗濯物の仕分けの癖をつけて、おむつを洗濯機に入れて洗ってしまわないように対策してみましょう!