離乳食が始まると、予想以上の手間から「いつになったら大人と同じご飯を食べられるようになるの?」と思うママも多いようです。
赤ちゃんはこの先、どのように離乳食を進めていくのか、いつから幼児食に切り替わるのかなどの流れをご紹介します。
まずは、離乳食の回数とタイミング(時間)についてご説明します(※1)。
離乳食の進め方は個人差がとても大きいので、赤ちゃんの様子を見ながら無理なく進めていってくださいね。
離乳食の進め方:離乳食はいつから何回与える?
離乳食は首がしっかりすわり、支えればおすわりができるようになる生後5〜6ヶ月頃から開始します。
まずは1回食から開始し、慣れたら2回食、3回食と増やしていきます。大まかな月齢と回数の目安は以下のとおりです。
● 離乳食期と月齢、離乳食の回数
離乳食期 | 月齢 | 回数 |
初期 | 生後5〜6ヶ月頃 | 1〜2回 |
中期 | 生後7〜8ヶ月頃 | 2回 |
後期 | 生後9〜11ヶ月頃 | 3回 |
完了期 | 生後12〜18ヶ月頃 | 3回+補食 |
離乳食の進め方:離乳食は、何時に与えるの?
生後5〜6ヶ月にもなると、授乳やねんねのリズムが整ってきている赤ちゃんが多いのではないでしょうか?
そのリズムを崩さないためにも、授乳のタイミングを離乳食に置き換える方法がスムーズです。
【初期】離乳食を与えるタイミング
まずは1日1回、昼前後の授乳時間を離乳食タイムにおきかえます。
お昼前後を離乳食タイムにすれば、口にした食材で赤ちゃんの体調に変化が現れたとしても、小児科を受診することができるため安心です。
離乳食を開始して1ヶ月程度経ったら、2回食に進めます。2回目の離乳食は、4回目の授乳時間を離乳食に置き換えるのが理想です。
【初期】離乳食と授乳スケジュール(目安)
時間 | 離乳食前 | 生後5ヶ月頃 | 生後6ヶ月頃 |
6:00 | 授乳【1】 | 授乳【1】 | 授乳【1】 |
10:00 | 授乳【2】 | 離乳食《1》 | 離乳食《1》 |
14:00 | 授乳【3】 | 授乳【2】 | 授乳【2】 |
18:00 | 授乳【4】 | 授乳【3】 | 離乳食《2》 |
22:00 | 授乳【5】 | 授乳【4】 | 授乳【3】 |
離乳食の後は、赤ちゃんが欲しがるだけ母乳またはミルクを与えます。
【中期】離乳食を与えるタイミング
離乳食中期は引き続き2回食のため、離乳食初期と同じ時間に離乳食を食べさせ、生活リズムを定着させましょう。
離乳食の後は母乳またはミルクを与えますが、離乳食はなるべくしっかり食べさせるようにします。
【後期】離乳食を与えるタイミング
いよいよ3回食がスタートします。
増やした回の食事は軽食扱いとし、まずは3回食のタイミングに慣れさせることをゴールにします。1ヶ月ほどして3回食に慣れてきたら、本格的に3回食に移行しましょう。
3回目の食事は、下の例のように授乳時間を置き換えるか、大人と同様に朝・昼・夕のタイミングで与えましょう。
【後期】離乳食と授乳スケジュール(目安)
時間 | 生後8ヶ月頃 | 生後9ヶ月頃 |
6:00 | 授乳【1】 | 授乳【1】 |
10:00 | 離乳食《1》 | 離乳食《1》 |
14:00 | 授乳【2】 | 離乳食《3:軽食》 |
18:00 | 離乳食《2》 | 離乳食《2》 |
22:00 | 授乳【3】 | 授乳【2】 |
先輩ママ、離乳食の進め方の工夫を教えて!
離乳食を始める月齢、回数の増やし方には目安はありますが、離乳食の進み具合には個人差が大きいのが特徴です。
先輩ママはどのようにして離乳食のステップアップをしていたのか、体験談(※2)を教えてもらいました。
3回食は夜に設定しました
1回食は朝に、2回食は育児書で勧められている夕方ではなくお昼にしました。そして、3回食は夕方に追加しました。
夕方はお風呂に入れるなどして忙しいので、朝とお昼で2回食のリズムをしっかり作ってから、夜ご飯を追加するイメージで3回食に移行しました。わが家はこのスケジュールでスムーズにステップアップしましたよ。
しんちゃんママさん
赤ちゃんの機嫌も考慮しました
今、生後8ヶ月で2回食です。何かあったときに小児科に行けるように、離乳食はお昼頃までに与えるようにしています。
なるべく食事のリズムは整えたいですが、グズグスしているときに離乳食を与えてもほとんど食べないので、ご機嫌に応じて多少は時間を調整しました。
にかりんママさん
3回食を見越してスケジュールを組みました
ちょうど3回食に移行したタイミングです。
「3回食になるタイミングで大人と同じタイミングにしてもいい」というアドバイスを読み、後から時間を変えると私と娘も混乱しそうだったので、最初からなるべく大人と同じ時間に食べさせていました。1回食は朝、2回食は昼、3回食は夕方〜夜というリズムです。
えりかママさん
離乳食に慣れるまでは赤ちゃんのご機嫌を優先して
赤ちゃんの消化器官は大人に比べて未熟ですが、体重1kgあたりで換算したとき、大人以上の栄養素やエネルギーを処理しなくてはなりません。
そのため、不規則なリズムでの食事や授乳は、赤ちゃんの消化器に負担がかかってしまいます。
赤ちゃんの機嫌を見ながら、なるべく食事のリズムを整えていくようにしましょう。
次に、母乳やミルクと離乳食の割合、1回あたりの食事で食べる離乳食の量についてご紹介します(※1,3)。
離乳食の進め方:母乳やミルク、離乳食の割合は?
赤ちゃんは、生まれてからの5〜6ヶ月間、おっぱいやミルクに慣れ親しんできました。
ですが、赤ちゃんの成長とともに、おっぱいやミルクだけでは栄養が足りなくなってしまいます。
おっぱいやミルクが好きなあまり、なかなか離乳食が進まないこともあります。しかし、赤ちゃんの発育のためにも、少しずつ離乳食の割合を増やしていきましょう。
【初期】離乳食と母乳・ミルクの割合
離乳食初期は、母乳やミルクと異なる質感のものを飲み込む練習と、食材の舌触りや味に慣れることが目的。
そのため栄養の中心はまだまだ母乳・ミルクで、離乳食から摂る栄養は、1回の離乳食の1/3程度、1日全体でも10%未満です。
★は離乳食、☆は母乳・ミルクを表します。
時間 | 生後5ヶ月頃 | 生後6ヶ月頃 |
6:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
10:00 | ★☆☆(1/3) | ★☆☆(1/3) |
14:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
18:00 | ☆☆☆ | ★☆☆(1/3) |
22:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
【中期】離乳食と母乳・ミルクの割合
離乳食中期になると、1回の離乳食タイムで摂る栄養の中心は離乳食に変わります。
離乳食より、おっぱいやミルクを欲しがる赤ちゃんもいます。ですが、離乳食をしっかり食べさせてから、おっぱいやミルクを与えるようにしましょう。
★は離乳食、☆は母乳・ミルクを表します。
時間 | 生後7ヶ月頃 | 生後8ヶ月頃 |
6:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
10:00 | ★★☆(2/3) | ★★★☆(3/4) |
14:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
18:00 | ★★☆(2/3) | ★★★☆(3/4) |
22:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
【後期】離乳食と母乳・ミルクの割合
離乳食後期になると3回食が始まり、1日トータルでの離乳食と母乳・ミルクの割合がほぼ半々になります。
この頃は鉄分などの栄養が不足しやすいため、鉄分を多く含む食材を離乳食に取り入れ、しっかり食べさせるようにしましょう。
★は離乳食、☆は母乳・ミルクを表します。
時間 | 生後9ヶ月頃 |
6:00 | ☆☆☆☆ |
10:00 | ★★★☆(3/4) |
14:00 | ★★★☆(3/4) |
18:00 | ★★★☆(3/4) |
22:00 | ☆☆☆☆ |
3回食に慣れてくる生後11ヶ月頃からは、3回の離乳食タイムでは、離乳食で栄養を摂りきるようにします。
授乳タイムは麦茶に置き替えるなどして、母乳・ミルクの量を少しずつ減らしていきましょう。
時間 | 生後11ヶ月頃 |
朝食 | ★★★★ |
10:00 | (母乳・ミルクは欲しがったら) |
昼食 | ★★★★ |
15:00 | 捕食で栄養を補う |
夕食 | ★★★★ |
22:00 | ☆☆☆☆ |
【完了期】離乳食と母乳・ミルクの割合
時間 | 生後12〜18ヶ月頃 |
朝食 | ★★★★ |
10:00 | (母乳・ミルクは欲しがったら) |
昼食 | ★★★★ |
15:00 | 捕食で栄養を補う |
夕食 | ★★★★ |
22:00 | (母乳・ミルクは欲しがったら) |
離乳完了期では、1日3回の食事を中心として生活リズムを整えていきます。
1歳からは牛乳も飲めるようになります。1日トータル300〜400mlを目安として、調理に使用したり、おやつ(補食)などに与え、無理のないペースで母乳・ミルクから卒業しましょう。
教えて先輩ママ!
おっぱい・ミルクの減らし方
赤ちゃんは成長とともに多くの栄養を必要とするため、おっぱいやミルクからだけでは十分な栄養を補えなくなります。
ですが、おっぱいやミルクが大好きで、離乳食がなかなか進まない赤ちゃんも珍しくありません。
先輩ママは、どのようにしておっぱい・ミルクと離乳食の量を調節していったのか教えてもらいました(※2)。
食後の様子を見て母乳の回数を調節
離乳食をよく食べるようになるまでは、食後に欲しがるだけおっぱいを飲ませていました。
次第に離乳食だけで満足できる日が出てきて、食後に遊んだり、機嫌がいいときはおっぱいはあげないようにして、徐々に回数を減らしていきました。
まゆママさん
食べムラに応じて母乳を足しました
うちの子は食べムラが激しかったので、意識的に母乳を減らすというよりは、子供の様子にあわせて調節していました。
離乳食をあまり食べない日はおっぱいをよく飲んでいたし、離乳食をよく食べた日はほとんど飲みませんでした。自然に任せていましたが、とくに問題はありませんでしたよ。
いーなママさん
体重の増えを見てミルクを再開
娘は離乳食が大好きで、開始直後から順調にステップアップしてきました。離乳食後期から食後のミルクを少しずつ減らしましたが、体重があまり増えなくなってしまったので、ミルクを再開して様子をみています。
めいママさん
離乳食の進め方:1回あたりに食べる量は?
ここまで、離乳食の回数や母乳・ミルクとの割合についてご説明してきました。
離乳食と母乳・ミルクから栄養をバランスよく摂るようになる離乳食後期からは、「離乳食をしっかり食べさせるように」とされていますが、「しっかり」とは具体的にどれくらいの量なのでしょうか?
栄養素ごとに、離乳食1回あたりの目安量を写真でご説明します。
※量が30〜40gといったように幅がある場合は、赤ちゃんの様子を見て30gから40gへ増やしていくという意味です。
《穀類》固さを変えながら、量を増やします
初期 | つぶしがゆを1さじから 最終的に30〜40g |
中期 | 全がゆ50〜80g(中期に入ってすぐは7倍粥、慣れてきたら全がゆにするとよいでしょう) |
後期 | 全がゆ90g、もしくは軟飯80g |
完了期 | 軟飯80g、もしくはご飯80g |
市販の子供用茶碗は、1杯でご飯80〜100g入るものが一般的です。上の写真で使用している器は、容量265mlのものです。
おかゆやご飯の量の目安にしてくださいね。
《野菜・果物》穀類の約半分の量
初期 | すり潰した野菜を1さじから 最終的に15〜20g |
中期 | 25g |
後期 | 30〜40g |
完了期 | 40〜50g |
お米と違って水分を含みにくいため、見た目の量は少なく感じるかもしれません。
《たんぱく質》5種類をまんべんなく
たんぱく質は、以下の5種類から摂ります。たんぱく質の種類によって摂る量が異なるため、離乳期ごとに目安量をご紹介します。
【離乳食初期】たんぱく質の量
つぶしがゆやつぶした野菜に十分慣れてから、たんぱく質を取り入れます。まずは、豆腐、白身魚から開始しましょう。
卵なら(※) | 卵黄1個まで |
豆腐なら | 25g |
乳製品なら | 55g |
魚なら | 5〜10g |
肉なら | まだ与えません |
※最初は耳かき一杯程度から。少しずつ増やして、最大でも卵黄1個まで。卵黄を取り除くときに、卵白が混ざらないよう気をつけましょう。
【離乳食中期】たんぱく質の量
卵なら(※) | 全卵1/3個まで |
豆腐なら | 40〜50g |
乳製品なら | 85〜100g |
魚なら | 13〜15g |
肉なら | 10〜15g |
(※)最初は耳かき1杯程度の少量を与え、アレルギー反応が出なければ小さじ1杯程度まで少しずつ増やしていく。
【離乳食後期】たんぱく質の量
卵なら | 全卵1/2個まで |
豆腐なら | 50g |
乳製品なら | 100g |
魚なら | 15g |
肉なら | 18g |
【離乳食完了期】たんぱく質の量
卵なら | 全卵2/3個まで |
豆腐なら | 50〜55g |
乳製品なら | 100〜120g |
魚なら | 15〜18g |
肉なら | 18〜20g |
たんぱく質の種類ごとに摂る量は異なりますが、白身魚での量の違いは上の写真のとおりです。
量に大きな変化はありませんが、形状が次第に大きくなっていきます。
教えて!先輩ママ
離乳食の食材、種類・量の増やし方
離乳食で初めて食べさせる食材はいつ、どのような点に注意して与えたのかを、先輩ママに教えてもらいました。
飲み込みにくそうな食材は調理を工夫します
初期は粒がまったく残らないくらい滑らかにしないと、食べませんでした。豆腐ですら、ブレンダーで滑らかにしていました。
中期になってささみとツナにチャレンジしましたが、なかなか飲み込めずまたまた苦戦…。調理法を工夫したり、マッシュしたじゃがいもに混ぜるなどして、飲み込みやすい工夫をしています。
りっぺママさん
食感の違いには苦戦しました
うちの子は、初期のペースト状から、粒が少し残った状態に移行させるときが大変でした。
上手にごっくんできずにむせてしまい、吐き出すこともありました。
しんちゃんママさん
噛む練習がうまくいきませんでした
息子はあまり噛まずに、そのまま飲み込んでしまうことが少なくありません。
中期、後期と移行しておかゆの水分が減ってくると、喉につっかえて戻してしまうこともありました。
れいママさん
初めての食材は平日の午前中に
初めてあげる食材は、アレルギーなどが出たときに受診できるように平日の午前中に与えるようにしました。
最初から全量あげるのではなく、ひと口だけ食べさせて何もなかったら、翌日以降に全量を与えるようにしました。
キキママさん
離乳食は赤ちゃんのペースに合わせて進めて
生まれてから約半年間、おっぱいやミルクに慣れ親しんできた赤ちゃんにとって、舌触りの違う食材は飲み込みにくかったり、違和感を感じてしまうこともあります。
いつまでも滑らかな状態では噛む練習ができないので、とろみをつけたり、ほかの食材と混ぜるなどして赤ちゃんが食べやすい工夫をしてあげましょう。
最後に食材の固さや大きさ、離乳食完了後の幼児食の注意についてご紹介します。
離乳食の進め方:食材の固さや大きさは?
ここまでは離乳食の回数とタイミング、母乳・ミルクとの割合、1回あたりの離乳食の量についてご説明してきました。
その中で、先輩ママがいちばん苦戦したのが、「食材の滑らかさなどの質感」です。上手に飲み込めずに吐き出してしまった赤ちゃんも少なくありません。
離乳食が進むに連れて、下の表のように食材の固さを変えていきます。
離乳食期ごとの食材の固さ(目安)
初期(5〜6ヶ月) | なめらかにすりつぶす |
中期(7〜8ヶ月) | 舌でつぶせる固さ |
後期(9〜11ヶ月) | 歯ぐきで潰せる固さ |
完了期(12〜18ヶ月) | 歯茎で噛める固さ |
でも「歯茎で噛める固さ」「歯茎で潰せる固さ」って、具体的にはイメージしにくくないですか?
そこで、次の章ではママが「そうか!」と納得できるように、離乳食の固さを写真でご説明します。
写真でわかる!離乳食期別の食材の固さ
【初期】固さの目安はヨーグルト!
離乳食初期の食材の固さは、ヨーグルトを目安にします。水分量が多くなめらかなので、赤ちゃんがゴックンと飲み込む練習に最適な固さです。
【中期】固さの目安は絹ごし豆腐!
離乳食中期の食材の固さは、絹ごし豆腐を目安にします。豆腐を小さく切り、指先で押して潰してみましょう。赤ちゃんが舌で潰せる固さを実感できますよ。
【後期】固さの目安はバナナ!
離乳食後期の食材の固さは、バナナを目安にします。この頃になると前歯が生えてくる赤ちゃんも見られ、舌の手前1/3と歯茎、歯を使って噛めるようになります。
手づかみ食べが始まったら、手に持てるサイズのおかずを用意し、噛み切る練習をさせてあげるといいですよ。
【完了期】固さの目安は肉団子!
離乳食完了期の食材を固さは、肉団子を目安にします。水分量が多く、柔らかい鶏団子をイメージしましょう。
教えて先輩ママ!
食材の固さ、順調にステップアップできた?
食材の固さステップアップしていく際、先輩ママはどのような点に苦戦したのか教えてもらいました(※2)。
まさに今、練習中です!
ずっと柔かいものを食べさせていたら、少しでも固いものは嫌がって口から出してしまうようになりました。
薄切りにしたりんごから初めていろいろな固さに慣れさせ、少しずつ固いものにもチャンレジしています。
まゆママさん
ポソポソしたものは嫌がりました
うちの子は、水分量が多くても口の中に残りやすいポソポソした食感のものは嫌がりました。とくに、高野豆腐はダメでした…。
いーなママさん
丸飲みしてしまう食材も
コーンの水煮は食感が嫌なのか、噛まずに丸飲みしてしまいます。ゴックンするとき少し苦しそうなので、与えていいのか迷います。
もしかしたら、コーンの皮が嫌なのかな?
ともママさん
水分が多いものを嫌がりました
うちの子は、水分が多いおかゆを嫌がり、わりと早めに軟飯に移行しました。きちんと消化できるか、そのときは心配でした。
キキママさん
固いものを嫌がる赤ちゃんがいたり、逆に水分が多いものを嫌がる赤ちゃんもいるようですね。
食材の固さは目安として、赤ちゃんのペースで飲み込んだり、噛んだりする練習ができるといいですね。
離乳食が完了したら、大人と同じメニューでいいの?
離乳食が完了したといっても、大人と同じメニューを食べられるわけではありません。
離乳食を完了したあとの食事で、気をつけたい3つのことをご紹介します(※4)。
噛む力・消化する力は未熟です
2歳後半で多くの子は乳歯が生え揃いますが、大人と同じ固さのものを食べられるわけではありません。
下記を目安に、しっかり噛む練習をしていきましょう。
2歳代:しんなりした炒めもの、少し噛みごたえのあるもの
3歳代:大人より、少し柔らかめ
塩分は大人の1/3〜1/2の薄味に
濃い味つけに慣れてしまうと、この先も、ずっと濃い味を欲しがってしまいます。
将来、生活習慣病にさせないためにも、塩分の摂りすぎには気をつけましょう。とくに、市販のスナック菓子には塩分が多く含まれているので注意が必要です。
不足しがちな栄養素は積極的に
1歳代よりも発達は緩やかになりますが、体を活発に動かすようになるため栄養バランスへの配慮は欠かせません。
幼児期は、とくに下記の3つの栄養素が不足しがちです。栄養素を豊富に含む食材を、意識的に献立に取り入れましょう。
カルシウム
カルシウムが不足すると骨折をしたり、骨粗しょう症、骨軟化症になる可能性が高くなると言われています。
また、神経が過敏になり、イライラしやすくなるとも言われています。
● カルシウムを豊富に含む食材
牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、しらす干し、桜エビ、ひじき、ごま、小松菜など
鉄
鉄は生後9ヶ月ごろから不足しやすくなり、引き続き積極的に摂りたい栄養素です。
鉄が不足するとめまいや動悸、息切れなどを引き起こします。また、食欲不振や疲れやすくなるなどして、集中力や思考力の低下を招くとも言われています。
● 鉄を豊富に含む食材
レバー、赤身の肉・魚、あさり、しらす干し、小松菜、ほうれん草、レーズン(干しぶどう)、大豆など
食物繊維
食物繊維が不足すると便秘になりやすくなります。
● 食物繊維を豊富に含む食材
さつまいも、かぼちゃ、ごぼう、わかめ、ひじき、きのこ類など
食事はたのしく、おいしく、健康に
離乳食の進め方には、赤ちゃんの体への影響を考えて目安が設けられていますが、この通りに進むとは限りません。
目安にとらわれ過ぎてしまうと、赤ちゃんにとってもママにとっても、食事が楽しくない時間になってしまいます。
多少のペースのズレや食べムラがあっても、赤ちゃんの個性だと思って見守ってあげてください。
また、離乳食の進め方について不安があったら、自治体が開催する離乳食相談などを利用してもいいですね。
※2 アンケート概要
実施期間:2018年11月26日~2018年11月28日
調査対象:「ninaru baby」利用者
有効回答数:69件
収集方法:Webアンケート
【参考文献】
※1 診断と治療社『子どもの食と栄養』
※3 厚生労働省「改定 離乳の基本」
※4 幼児期の健やかな発育のための 栄養・食生活支援ガイド【確定版】
監修:中村美穂
管理栄養士・フードコーディネーター
東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしいたのしい食時間」を開催。書籍、雑誌等へのレシピ提供・監修も行っています。著書に『きちんとかんたん離乳食』(赤ちゃんとママ社)、『1~3歳発達を促す子どもごはん』(日東書院)など。2児の母。