赤ちゃんの乳歯に虫歯ができないように、日頃から気をつけている人も多いのではないでしょうか?
ですが、義父母や家族にキスをされてしまったり、隠れて甘いものを与えらてしまったというケースも少なくないようです。
そこで、赤ちゃんに虫歯がうつらないように、どのような対策をしているのか先輩ママに教えてもらいました。
虫歯がうつらないように避けていることは?
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯菌などの菌は存在しないといわれています。
ですが、虫歯菌を持っている大人がキスをしたり、フォークやスプーンなどを共有することで虫歯菌が赤ちゃんの口の中にうつってしまうとされています。
そして生活習慣によって虫歯菌が増え、乳歯に虫歯ができてしまう赤ちゃんも少なくありません。
虫歯菌を感染させてしまったり、増殖させてしまったりする行為、ママ達は具体的にどれくらい気をつけているのか「ninaru baby」で調査しました(※)。
以前、インターネットで話題になった「離乳食に息を吹きかけて冷ますと唾液が飛び、虫歯菌がうつる」という意見にも、予想より多くのママが賛同していることがわかりました。
「やめてー!」って言いたいけれど…
虫歯菌がうつる行為、あなたはどう思う?
いくらママが気をつけていても、赤ちゃんがかわいいあまり、ママの父母、義父母、パパが火種をつけてしまうことも少なくないようです。
ママが赤ちゃんの乳歯に虫歯ができないように避けている行為をパパや家族にされたらどう思うか、全国のママにジャッジしてもらいました。
【イヤ度1位:91%】
口をつけた食べ物を赤ちゃんにあげる
かつては、離乳食用に取り分けた食材が固かったり大きかったりすると、ママやパパが口に入れて噛みくだいてから赤ちゃんに与えることも珍しくなかったそうです。
その名残で、ママの父母や義父母世代の人は、自分の口に入れたものを赤ちゃんに食べさせてしまうことも少なくないようです。
義母が噛んだ食べ物を与えられました
虫歯菌がうつらないように、娘の口にチューをするのも避けてきました。
それなのに、義母が自分でクチャクチャと噛み砕いた食べ物を娘に与えてしまい…。ものすごくイヤでしたが、義母という間柄もあり、何も言えませんでした…。
りりぃママ
1年も前の出来事ですが…
義母が焼き芋を食べていたときに、口をつけたお芋をそのまま子供に食べさせてしまうという出来事がありました。切り分けて与えてくれればいいのに…。
あっという間の出来事だったので何も言えませんでしたが、今でも忘れずに覚えています。
あつママ
【イヤ度2位:88%】
口に入れたスプーンなどを共有する
赤ちゃんに虫歯がうつらないためにもっとも多くのママが避けている「スプーンの共有」が、僅差で第2位にランクイン。
他者の唾液が赤ちゃんの口に入ってしまうという点は同じなので、スプーンの共有にも嫌悪感を表す人が多く見られました。
自分のような思いはさせたくないのに!
私は、赤ちゃんのときに母が噛み砕いた食べ物を与えられ、虫歯で苦労した経験があります。
だからこそ、子供には同じ目に合わせたくなくて歯のケアには細心の注意を払ってきました。
それなのに、母が口に入れたお箸で、そのまま子供に食べ物を食べさせてしまったことがあります。とってもイヤだけれど、子供の面倒を見てもらっている手前言いづらくて、何も言えていません…。
かぁべぇママ
生まれてからずっと続いています…
子供が生まれてからずっと、夫と義母がほっぺにチューをしたり、子供の指を自分の口に入れて舐めたりしています。そのうちスプーンなどの使い回しも始まってしまい、イヤな気持ちでいっぱいです。
夫にはその度に注意をしていますが、義母は怒りっぽい性格もあり注意できません…。
カンカンママ
【イヤ度3位:87%】
赤ちゃんの口にキスをする
1〜2位と僅差で3位で入ったのが、赤ちゃんの口へのキス。
赤ちゃんのかわいさのあまり…の行動ではありますが、虫歯菌がうつること以外にも「心理的に許せなかった」という意見が集中。
年齢を重ねると歯になんらかの疾患がある人が増えるため、そのことも嫌悪感につながってしまうようです。
歯周病や口臭も気になります…
私の父が、酔っ払ったときに子供の口にチューをしてしまい、ドン引きしたことがあります。
虫歯や歯周病があるうえ、お酒も飲んでいたので口臭もきつかったと思います。
りっぺママ
パパがキスをしました…
子供の乳歯が虫歯になるのはイヤなので、口へのキスはもちろん、スプーンの共有、息を吹きかけて離乳食を冷ますことも避けています。
子供がまだ生後1ヶ月だったころ、夫が子供の口にチューをしている姿を目撃!怒るというより、「なんでそんなことするんだろう…」と呆れてしまいました。
さやかママ
【イヤ度4位:67%】
哺乳瓶などで甘い飲み物を飲ませる
甘い味を覚えないように、下痢や脱水時以外にイオン水を与えたり、ジュースを飲ませることを避けているママも少なくありません。
それなのに、赤ちゃんが喜ぶ顔が見たくて、こっそり哺乳瓶やスパウトに甘い飲み物を入れて飲ませてしまうというケースも…。
甘い飲み物は与えていなかったのに…
早いうちから甘い味を覚えさせたくなかったので、ミルク以外の水分補給は麦茶と決めていました。
夫と義母が子供を連れて外出したときに「暑さで脱水症になったら困るから」と、大人用のイオン水をスパウトに入れてあげてしまったそうです。
大人用のイオン水は甘さも強いし、何より、スパウトで飲ませると虫歯になりやすいと聞いていたのでイライラしました。
ぞのママ
【イヤ度5位:64%】
歯磨きをした後に間食や授乳をされる
赤ちゃんに乳歯が生えると、多くの家庭でケアを開始します。前歯だけでなく奥歯も生えてくると仕上げ磨きに悪戦苦闘するママも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんを褒めて、なだめてやっとの思いで仕上げ磨きをしたあとに食べ物を与えられると、ママはやりきれないですよね。
やっと磨き終わったのに…
息子は生後8ヶ月のときに乳歯が生え初め、生後10ヶ月で上下の前歯4本が生えそろいました。
仕上げ磨きをとても嫌がり、一向に慣れる気配がありません。かわいそうだし、私自身もストレスに感じるくらいでした。
それなのに、やっとの思いで仕上げ磨きをした後に、私の母がフルーツを食べさせてしまいました。子供がご機嫌に食べていたのでそのまま食べさせましたが、本当にイヤでした。
ゆんママ
教えて先輩ママ!
虫歯がうつる行為、どう断るのが正解?
一度そのようなことがあったからといって、赤ちゃんが必ず虫歯になるわけではないけれど、「やっぱりイヤ…」というのがママの本音ですよね。
どのように断るのがよいか、先輩ママにアドバイスしてもらいました。
理由を説明して断りました
期限をつけて説明しました
夫のおばあちゃんが子供の指を口に入れて舐めたとき、心臓がバクバクするくらい「イヤ!」って感じたことを覚えています。
それ以来、「3歳まで気をつけると虫歯になりにくいみたいなんです。だから、3歳までは…」と言って交わしています。
にゃんママ
息子がかわいそうなので…と言いました
私は、大人から虫歯菌がうつることをしっかり説明しました。その上で、息子の歯に虫歯ができて痛い思いをさせたくないから、だから自分たちも気をつけているということを説明しました。
ゆかりママ
他の人に言ってもらいました
義父母には言えません…
まだそのような経験をしていませんが、絶対に嫌ですね。実の父母ならハッキリ断りますが、義父母には言えません…。義父母には夫からやめてもらうように説明してもらうと思います。
ゆーママ
ケアを念入りにして我慢しています
言えないのでケアでカバーしています
義理の家族に、食べかけのものを食べさせられたり、お箸を共有されたりしています。
断って毎日嫌な思いをするよりは…と思って、歯磨きを毎日しっかりして、定期的に歯医者さんに行くことにしました。どうしても言えない場合、考え方を変えた方が楽なこともあります。
うりぽんママ
専門家のアドバイスを引き合いに
歯科医に注意されたと言いました
私は、何か断りたいことがあるときは専門家を引き合いに出すようにしています。
歯についてなら歯医者さん、ミルクや母乳なら助産師さんといった具合に、内容によって専門家を変えています。
はるママ
講習会で聞いたと言いました
私は、家族に虫歯菌をうつされる行為をされたことはまだありません。でも、目の前でされたら「講習会でそういうことはやらないでくださいって注意されました」と言って断ると思います。
匿名ママ
教えて歯医者さん!
これらの行為で赤ちゃんに虫歯はうつる?
多くのママが難色を示した義父母など家族による行為は、赤ちゃんの乳歯にどれくらい影響を与えるのでしょうか?
歯科医の茂山先生に、ママたちの懸念について教えてもらいました。
虫歯がある大人の唾液で虫歯菌は感染する?
茂山医師
食べものを口移しで与える、スプーンなどを共有する、口に直接チューをすると、虫歯菌の感染を引き起こします。
赤ちゃんの口の中は、生まれたときは虫歯菌はいませんが、3歳くらいまでに徐々に様々な菌が定着します。この菌の種類や割合が決まり定着するまでは、できるだけ虫歯菌に晒さないようにしましょう。
とくに1歳6ヶ月〜3歳は「感染の窓」と呼ばれる、虫歯菌に感染しやすい時期です。これらの行為は控えてもらったほうがいいですね。
歯磨き後の間食、授乳は虫歯になる?
茂山医師
歯磨き後の授乳や間食は、赤ちゃんの口の中に糖を残すことになります。虫歯菌は、口の中の糖を分解して増殖するため、これらもやめてもらったほうがいい行為ですね。
母乳・ミルクを飲んでいる赤ちゃんは、1歳半を境に、卒乳した赤ちゃんに比べて虫歯になる率が一気に上がります。
そのため1歳半までに卒乳することを勧めていますが、スムーズに卒乳できないこともあります。その場合は、虫歯菌をうつす行為を避ける、寝る前にしっかり歯磨きをするなどしましょう。
哺乳瓶などで甘い飲み物を与えてはダメ?
茂山医師
哺乳瓶やスパウトでイオン水などを飲ませると、上の前歯の裏を中心に、長時間に渡って糖に晒されることになります。「哺乳瓶齲蝕:ほにゅうびんうしょく(虫歯)」という用語が存在するくらい、虫歯ができやすい習慣です。
水分補給は甘い飲み物を避け、麦茶などにすることをお勧めします。甘い飲み物を飲ませるときはコップを使うなどして短時間で切り上げ、また、食後に歯磨きをするようにしましょう。
適度なスキンシップとケアで乳歯を守ろう
歯は、赤ちゃんが一生付き合っていく大切なパートナーです。
虫歯があるとおいしい食事が楽しめなかったり、痛みで眠れなかったりすることもあります。
できることなら赤ちゃんに歯磨きの習慣をつけて、健康な歯を保ってあげたいですよね。
先輩ママが教えてくれたように、専門家を引き合いに出したりパパの力を借りるなどして、「虫歯を移す行為」を角を立てずに断れるといいですね。
※アンケート概要
実施期間:2017年12月13日~2018年1月28日
調査対象:ママ友の付き合いがある「こそだてハック」読者
有効回答数:224件
収集方法:Webアンケート
取材協力:歯科医師 茂山久夫先生
九州歯科大学卒業後、同歯周病科にて4年間診療、その後開業医での勤務を経て、現在は福岡県中間市にて診療を行う。日本歯周病学会、J.A.C.D(The Japanese Academy of Comprehensive Dentistry)、日本顎咬合学会、北九州歯学研究会若手会に所属。「一生を通じて付き合える歯医者さん」をコンセプトに、本人以上に患者さんのお口を分かっている、そんな信頼できる歯科医師を目指しています。大切な歯を守る第一歩は子どもの頃に作られる習慣と正しい知識です。子育てのお悩みの解消に少しでも貢献できたらと思っております。