ママなら一度は耳にしたことがある「骨盤矯正ベルト」。産後に購入した人もいれば、出産の準備品の一つとして、妊娠中から持っていたという人も多いかもしれませんね。
骨盤矯正ベルトの本来の目的は、その名前の通り、産後の骨盤を引き締めるためのもの。ですが、その後も長く使い続ける人も多いようです。
そこで今回は、産後の骨盤矯正ベルトを使い続けるときの注意点を専門家に聞いてみました。
産後の骨盤矯正ベルトとは
産後の骨盤矯正アイテムとして定番の骨盤矯正ベルト。骨盤の周りに巻くことで、出産で緩んだ骨盤を元の位置に戻してくれます。
下着メーカーや育児用品メーカーなど、さまざまな会社からたくさんの商品が発売されています。
骨盤矯正の時期後も
骨盤ベルトを巻いている人は5人に1人!
「巻いていると育児や家事が楽」という理由で、出産から時間が経っても、長期間にわたって骨盤矯正ベルトを使用しているママもいるようです。
産後に骨盤矯正ベルトを使っていたママに行ったアンケート(※)によると、骨盤矯正の効果が高い時期とされている産後6ヶ月を超えても骨盤矯正ベルトを使っていた人が、21%いました。
ちはるさん
産後1年間くらい、自宅にいるときは常に骨盤矯正ベルトを巻いていました。抱っこして上下に揺れないと寝ない子だったので、腰痛もひどくて…。
骨盤矯正ベルトを巻いているとそれが楽になるような気がしたので、使っていましたね。
産後の骨盤矯正ベルト、
使い続けるデメリットは?
産後の骨盤矯正に効果があるタイミングは、一般的に産後6ヶ月間とされています。
そのため、骨盤矯正ベルトをそれ以降も使い続けることは、本来の目的とは逸れた使い方になるとも言えます。
そこで気になるのは、産後6ヶ月以降も骨盤矯正ベルトを使い続けることで、何か体への悪い影響がないかということ。そんな疑問を助産師の河井先生に聞いてみました。
ー産後の骨盤矯正の時期を超えて、骨盤矯正ベルトを巻き続けてもいいのでしょうか?
河井さん
産後の骨盤矯正の時期が終わった後も、「楽だから」と骨盤矯正ベルトをつけて生活する人もいるようですね。産後も骨盤矯正ベルトを使い続けることに基本的にはデメリットはありません。
ただし、ベルトを締め付けすぎるとむくみの原因になることもあるので、無理のない範囲で使いましょう。
ー産後に骨盤矯正ベルトを巻き続けるときの注意点はありますか?
河井さん
気をつけないといけないのは、ベルトをしないと腰が痛いなどの症状がある場合。このようなケースでは、何か病気が隠れている可能性もあります。
巻き続けていることで痛みがごまかされ、病院の受診が遅れるということも考えられます。もし、骨盤矯正ベルトを着けていないときに痛みなどがある場合は、早めに病院を受診してください。
産後の骨盤矯正ベルト、メーカーがすすめる範囲内で使おう
産後の骨盤矯正ベルトの中には、メーカーのサイトで産後のママだけでなく、腰痛持ちの男性などにも使用をすすめている商品もあります。
そのような商品であれば問題ありませんが、「産後の骨盤矯正用に」と但し書きがしてある商品については、産後使い続けて何かあったときに自己責任になってしまう可能性もあります。
そのため、骨盤矯正ベルトを巻いていることで、体の負担が楽に感じる場合でも、メーカーがすすめている使用法の範疇で使うのが良いでしょう。
また、ご紹介したように、もし骨盤矯正ベルトを外したときに、痛みやしびれなどの体の不調を感じた場合には、早めに病院で診てもらうようにしてくださいね。
取材協力:河井恵美さん
看護師、助産師
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。救急、外科外来等も経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方に関わっています。インターネットでエミリオット助産院開設中。