産休はいつからいつまで?取得条件や育休との違いなどまとめ

働く女性にとって、「産休」はとても大事な制度ですよね。しかし産休の制度は知っていても、休める期間や産休中の収入面について詳しく知らず、不安を感じている人もいると思います。

そこで今回は、産休の期間や休業中の手当、育休との違いなどについてご紹介します。

産休が取れる期間は?

産休とは「産前・産後休業」の略で、働く女性が出産前と出産後に取得できる、労働基準法で定められた休業期間のことです(※1)。

産休は、「産前」と「産後」に分けられ、取得できる期間はそれぞれ次のようになります。

産前休業の期間

・出産予定日の6週間前(妊娠34週1日)から休業できます。

・双子などの多胎妊娠の場合は体への負担が大きいので、出産予定日の14週間前から休業できます(※1)。

・取得は個人の自由なので、希望の期間にあわせて申請しましょう。

・実際の出産日が予定日より遅れても、休みは取れます。

産後休業の期間

・原則、出産翌日から8週間が対象です(法律により休業することが定められている期間)。

・産後6週間を経過した時点で就労の希望がある場合、医師が問題ないと判断したときには仕事に復帰することも可能です(※1)。

・産後休業における「出産」とは、妊娠4ヶ月以上の分娩を指し、死産や流産を含みます。

産休取得の条件は?申請方法は?

産休取得の条件

・働いている女性で妊娠していれば、誰でも取得できます(※1)。

・勤務先の就業規則に制度が記載されていなくても、取得可能です。

・派遣労働者やアルバイト、パートなど雇用形態に関係なく取得できます。

なお、産休取得を理由に解雇をすることは法律で禁止されています(※2)。

産休の取得方法

まず勤務先に申し出て、必要書類を提出しましょう。手続きは、勤務先が代わりに行ってくれることが一般的です。

主に、母子健康手帳、印鑑、保険証、通帳(手当等の入金先)の提出を求められることが多いようです。

出産予定日の6週間前から取得できるので、それよりも前には必要書類が勤務先に提出されている状態を目指して準備しておくといいですね。

産休中の収入はどうなる?

産休中は基本的に会社から給料の支払いはありません。その代わり、生活費などを補填するために、健康保険から給料の3分の2に相当する金額が「出産手当金」として支給されます(※5)。

出産手当金は国や自治体の制度ではないので、自営業などの国民健康保険の加入者は利用できません。

また、申請書の提出から振り込まれるまでには数ヶ月かかることもあるため、産休中に必要な生活費はあらかじめ確保しておきましょう。

出産手当金の算出方法等は以下の記事を参考にしてみてくださいね。

産休中は社会保険が免除になる?

産休中は、健康保険料や厚生年金といった社会保険料の支払いが免除されます。

病院にかかった場合は健康保険が適用され、将来の年金支給額が減ることもありません。

手続きは勤務先が行うことがほとんどなので、産休に入る前に担当部署に問い合わせておくといいでしょう。

産休と育休の違いは?

混同してしまいがちな「産休」と「育休」ですが、期間・対象者・取得条件など様々な点が異なります(※6)。

大きな違いは「期間」で、育休は産後休業期間の翌日からはじまります。

また、産休は出産前後の全ての女性労働者が対象になりますが、育休は原則として1歳未満(保育所などに入れないなどの理由がある場合は最長2歳)の子どもを養育する男女の労働者が対象となります。

さらに、育休は1歳6ヶ月までの間に雇用契約が満了することが明らかな人などは取得できない、などの違いがあります。育休の詳細は、以下の記事を参考にしてください。

産休生活を有意義にするための事前準備を

産休を取るためには、事前に知識を身につけて準備をしておくのがおすすめです。産休取得に必要な手続きだけでなく、上司・同僚などへの報告や相談、業務の引き継ぎなども、余裕を持って行っておきましょう。

※1 厚生労働省「労働基準法における母性保護規定」
※2 厚生労働省「妊娠・出産・育児休業等を契機とする不利益取扱いに係るQ&A」
※3 医療保険制度改革について
※4 厚生労働省「健康保険法施行令等の一部を改正する政令の公布について」
※5 全国健康保険協会「出産に関する給付」
※6 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」

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