子どもの好き嫌い(偏食)の原因と克服する方法が知りたい!体への影響は…?

あれこれ工夫してご飯を作っても、「野菜が嫌い」「お菓子ばかり食べる」など、子どもが食べてくれないと困ってしまいます。偏食が過ぎると、「栄養が偏らないかな」「食べられないものがあると将来困るのではないか」と心配になりますよね。今回は、子どもの偏食の原因や、成長に与える影響のほか、好き嫌いを克服する方法についてご説明します。

そもそも偏食って?

大人にも多かれ少なかれ好き嫌いがありますね。ましてや我慢の苦手な子どもには好き嫌いがあって当然。「ほかの野菜は食べるけれど、トマトだけは食べない」というように、一つの食べ物だけを拒否するというのはただの「好き嫌い」の範囲です。

「偏食」の明確な定義はありませんが、一般的に、ある特定の食品に対して好き嫌いが激しく、食べられる物が極端に少ない状態を指します。好き嫌いの範囲を超えて「野菜を一切食べない」や「菓子パンしか食べない」などの状態です。

特に、自我が芽生え、自己主張が強くなる2~3歳頃になると、食べ物の好き嫌いをはっきり表現するようになります。ただし、まだまだ子どもは発達の途中なので、偏食の程度や対象が定まらないこともしばしばあります(※1)。

子どもの偏食の原因は?

子どもが偏食になる原因は、単純ではありません。子どもはさまざまな刺激にも強く反応するので、ちょっとしたきっかけで好き嫌いが現れ、偏食になってしまうことがあります。

初めて食べたときの印象が悪かった

人間は初めてのことを経験するときに、警戒する習性があります。今まで食べたことのないものを食べるときはいつもより感性が敏感になっています。

その状態で「おいしくない」と感じてしまうと、強烈に嫌な印象が残って避けるようになります。

特に、食卓の雰囲気が悪かったり、苦い・酸っぱいという味覚が強かったりすると、大きな影響を与えます。

嫌な体験と結びついている

トラウマに近い状態ですが、食べることと嫌な体験が結びついてしまうことがあります。

たとえば、パパがケーキを買ってきたときに、ママが「健康によくない!」と怒って夫婦喧嘩をした、焼き魚をきれいに食べられないと親から厳しく叱られた、など。

ある特定の食べ物を目の前にすると、そうした経験がよみがえり、食べられなくなってしまうことも。

食物アレルギーがある

アレルギーが原因で、体質的に特定の食べ物を受け入れられない場合があります。特定の食べ物を食べた後に体調が悪くなることを繰り返すと、その食べ物を避けるようになります。

子どもは体調不良の原因がアレルギーだとはわからないので、「嫌い!」と表現してしまっている可能性も考えられます。じんましんや喉のかゆみなど、気になる症状が出ていないか確認しましょう。

食事環境が偏っている

小さい頃からファーストフードを多く利用していたり、レトルト食品などの味の濃い物ばかりを食べ続けていたりすると、味つけの違う料理を極端に嫌うことがあります。

子どもの偏食は成長にどんな影響を与えるの?

本来であれば、たんぱく質が豊富な魚・肉・大豆製品、カルシウムが豊富な乳製品・海藻類、ビタミンが豊富な緑黄色野菜・果物、糖質が多い米・パン・イモ類、脂質を摂取するための油・脂肪など、さまざまな食材をバランスよく食べることで体は作られます。

しかし、偏食のせいで特定の物だけを食べる、あるいは食べないということになると、身体的にも精神的にも悪影響が出る可能性があります。

発育不良

食べられる食品が極端に少ないと、栄養の偏りによる体重増加・低身長などの発育不良が心配されます。野菜や良質なタンパク質が不足すると、ビタミンやミネラルなど、成長期に不可欠な栄養素が不足し、正常な発育を阻害します。

肥満

甘いお菓子やインスタント食品ばかりを食べて、糖分や脂質を多く含んだものばかり食べると肥満になりやすくなります。カロリーの高いものを偏って食べることも、肥満につながってしまいます。

便秘

食物繊維が豊富な野菜を食べないと、便秘といった消化器官のトラブルが起きやすくなってしまいます。

子どもの偏食・好き嫌いを克服する方法は?

子どもが食べ物を好き嫌いするからといって、全部のわがままを聞いてしまうと偏食が治らなくなる恐れがあります。しかし、嫌いなものを無理やり食べさせると、ますます拒否反応を示してしまうことも。

少しずつ偏食や好き嫌いを克服していけるよう、次の3つの対処法のうち、実践できそうなものからチャレンジしてみてくださいね。

1. 楽しい感情と結びつける

食べることと楽しい感情が結びつくと、その食べ物を好きになってくれますよ。あまり好きではないものでも、家族みんなで「おいしいね」と言いながら食べたり、料理をパパ・ママと一緒に作ったり。食べ物に良いイメージをもってもらうには、雰囲気も大切です。

外食など、家とは少し違う楽しい雰囲気のときに苦手な食材を試して、食べられたらほめてあげる、といった対応もおすすめです。

2. 好きな食べ物と一緒に食べさせる

好きな食べ物と一緒に出すと、嫌いな物も食べてくれやすくなります。嫌いなものを食べたら好きな物を食べさせてあげるなど、好きな食べ物をご褒美に。

嫌いな食べ物への抵抗感を少しずつ減らしていくことが大切です。

3. 味覚が変わるまで他の食べ物でサポートする

無理に食べさせず、成長して味覚が変わるのを待つのも一つの方法です。子どもは苦味のある食べ物が苦手ですが、少しずつ経験を積んでいくと苦みのあるものでも食べられるようになります。

子どもの偏食は、工夫しながら少しずつ克服を

栄養が偏ると、子どもの成長に悪影響が出ないか心配になりますよね。ただ、無理やり嫌いなものを食べさせようとすると、さらに嫌いになってしまうかもしれません。

子どもが「食べてみようかな?」と思えるように、まずはママやパパが美味しそうに食べる姿を見せたり、盛り付けを工夫してみたりすることで、少しずつ克服していけるといいですね。

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