妊娠から出産までの費用や流れは?住んでいる地域や病院ごとに違う?

初めて妊娠すると、出産までの流れや、費用がどれくらいかかるのかわからず、不安になるママやパパは多いようです。里帰り出産を考えている人は費用が変わるのかも気になりますよね。

そこで今回は、妊娠から出産までの流れと、費用や補助金についてご紹介します。

妊娠から出産までの流れは?

妊娠から出産までの流れは、出産する施設や自治体などによっても異なりますが、おおむね以下のようになります。

妊娠初期(妊娠〜妊娠4ヶ月頃)

妊娠検査薬で陽性反応がでたら、産婦人科を受診します。心拍が確認できるまでは週に1回、その後、妊娠23週までは4週間に1回程度のペースで妊婦健診を受けることになります(※1)

病院から指示を受けたら、妊娠届出書を自治体の担当窓口に提出し、母子手帳をもらいましょう(※2)。

この時期は個人差が大きいですが、つわりに悩む妊婦さんも多く、食事が摂れなかったり、仕事を休んだりする人もいます。

妊娠中期(妊娠5〜7ヶ月頃)

この時期になるといわゆる安定期に入り、つわりがあった妊婦さんも落ち着いてくることが多いです。4週間に1回程度の受診ペースだった妊婦健診は妊娠24週を過ぎると2週間に1回程度になります(※1)。

お腹に赤ちゃんを抱えながらの生活にも余裕が出てくるため、病院や産院などで、妊娠中の生活で心がけておきたいことなどのレクチャーが行われます。

母親学級では、妊娠中のエクササイズやお産の流れ、呼吸法、赤ちゃんとママのために必要な栄養などについても学びます。同時期に出産予定日を迎えるママが集まるので、ママ友を作る機会にもなりますよ。

妊娠後期(妊娠8ヶ月〜)

妊娠後期に入ると、さまざまな出産方法やカンガルーケアといった出産前後のことについて学んだり、出産時に希望することを病院や産院に伝えたりする機会が用意されています。施設によっては、入院時に必要な書類の説明や分娩室での分娩台体験などをさせてくれるところもあるようです。

また、出産準備教室などの名称で、出産の経過と過ごし方や、入院の時期、必要な準備などの説明を病院・産院から受けます。

2週間に1回程度で受診していた妊婦健診は、妊娠36週以降に週1回になります(※1)。

出産

経過が順調であれば、事前に決めた出産方法によって出産を行います。産院にもよりますが、ママとパパの希望があれば、立ち会い出産も可能です。

出産後は母子ともにそのまま入院します。入院中は授乳指導や赤ちゃんとママの健康状態のチェック、育児相談などが行われます。ママや赤ちゃんの状態にもよりますが、およそ1週間で退院となることが一般的です。

妊娠から出産までに何にお金がかかる?

自治体や地域、選ぶ病院、個人の考えなどによって開きがありますが、妊娠から出産までにかかる基本的な費用としては、以下のようなものがあります。

● 妊婦健診の費用
● 出産に関する費用
● 出生前検査の費用 ※希望する人のみ

ここからは上記3つの費用について、詳しく見ていきましょう。

妊娠から出産までの費用・補助金【妊婦健診編】

妊婦健診費は病院やその時々の検査内容、受診回数などによって異なるため、詳しくは受診するところに確認しましょう。

助成額や内容は自治体ごとに異なりますが、母子手帳の交付時などに14回分以上の無料券や補助券がもらえます(※3)。これを使えば、無料、あるいは費用の一部を自己負担するだけで妊婦健診が受けられます。

里帰り出産の場合、他県では補助券が使えず、一時的に自己負担となることもあります。基本的には建て替え扱いとなり、後日、申請書と一緒に領収書などを提出することで返金されるので、手順を確認しておくと安心です。

次に出産に関する費用と補助金について説明します。

費用の内訳は「分娩費」「入院費」「その他」です。いずれも金額は病院によって異なります。

また、これらの費用を退院時に支払うところもあれば、前金が必要なところもあります。方針はまちまちなので事前に確認しておきましょう。

費用

分娩費(※4,5,6)

分娩方法 分娩費 健康保険適用
自然分娩 平均30〜40万円程度だが
産院によって差がある
されない
緊急帝王切開 約22万円 される
選択帝王切開 約20万円 される
無痛分娩 通常の分娩費とは別に費用が
発生するのが一般的だが
病院によって差がある
されない

この他に、以下のようなケースでは追加で費用が必要になることがあります。

● 妊娠中にトラブルがあって入院せざるを得なくなった場合
● 陣痛を誘発する場合
● 分娩が深夜や休日に行われた場合

入院費

入院日数にもよりますが、平均で約12万円かかります(※4)。

個室などのオプションを使用すると、さらに追加で2万円程度の費用がかかることもあります。

その他

分娩費・入院費以外に、新生児の管理保育にかかる「新生児管理保育料」や出産に必要な検査や薬剤にかかる「検査・薬剤料」などの費用が必要になります。

平均すると10万円前後かかります(※4)。

補助金

いずれの分娩方法でも、健康保険に加入していれば出産育児一時金として子ども1人あたり50万円(産科医療補償制度の対象外の出産、または制度に加入していない医療機関での出産の場合は48万8000円)を受け取ることができます。

出産費用がこの額を上回った場合は、差額分だけが自己負担となります(※7)。

住んでいる自治体や勤務先、パートナーの会社、加入している保険組合などによっては、他にも受けられる助成や補助金があります。

妊娠から出産までの費用【出生前検査編】

人によっては、胎児に染色体異常がないかを調べるために、妊娠初期に出生前検査(出生前診断)を受けることがあることもあります。

出生前検査は健康保険が適用されず、全額自費となります(※8)。以下に、代表的な出生前検査を紹介するので参考にしてみてください。

超音波検査

費用は5千〜2万円程度が目安です。妊娠11~13週頃に行います(※8)。胎児の頸部にむくみがないか、鼻骨が形成されているかなどを検査します。

母体血清マーカーテスト

費用は2〜3万円程度が目安です。妊娠15〜18週以降が実施の目安で、母親の血液から胎児の体で生成されるホルモンやたんぱく質の濃度を検査します(※8)。

NIPT(新型出生前診断)

費用は10〜20万円程度が目安です。病院にもよりますが、妊娠9〜10週以降であれば診断が可能なことが多いです。

母体の血液を採取することで、赤ちゃんの染色体異常の有無の可能性を比較的高い精度で検査できます(※8)。

絨毛検査

病気があるかないかをはっきりを診断するために必要な検査です。

費用は10〜20万円ほどが目安で、妊娠11~14週頃に行います(※8)。子宮頚管から採取する方法と、腹膜から採取する方法があり、染色体の病気の有無を診断します(※9)。

羊水検査

病気があるかないかをはっきりを診断するために必要な検査です。

費用は10〜20万円ほどが目安で、妊娠15〜16週以降に行うのが目安です(※8)。母体の腹部に長い針を刺して羊水を少量ずつ採取し、羊水の成分を調べて染色体の病気の有無を診断します。

妊娠から出産までの費用と流れを把握しよう

妊娠から出産までの流れや費用は、住んでいる地域や病院・産院などによって、細かい部分が異なってきます。

また、今回はご紹介しませんでしたが、人によっては出産準備品の購入や妊娠中の健康維持のための費用が発生することもあります。

妊娠したら、出産までに必要なお金や受けられる助成・補助金について事前に病院や自治体、会社の担当窓口などに確認し、把握しておきましょう。

色々な制度やサービスを活用し、安心して出産を迎えられるようにしたいですね。


【参考文献】
※1 厚生労働省「妊婦健診Q&A」
※2 厚生労働省「母子健康手帳の交付・活用の手引き」
※3 厚生労働省「妊婦健康診査の公費負担の状況に係る調査結果について」
※4 厚生労働省「出産育児一時金について」
※5 全国健康保険協会「保険証を提示して治療を受けるとき(療養の給付)」
※6 日本産婦人科医会「帝王切開術点数改正のお知らせ」
※7 全国健康保険協会「出産育児一時金について」
※8 出生前検査認証制度等運営委員会「お腹の赤ちゃんの検査の種類」

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