【赤ちゃんの鼻水・咳】病院へ行く目安と原因・対処法まとめ

赤ちゃんは頻繁に咳をしたり鼻水を出したりしているので、風邪と判断がつきにくいこともありますよね。いつものことだからと咳や鼻水を放っておいたら、知らぬ間に風邪が悪化していた、喘息のような症状になってしまった…ということも珍しくありません。

普段から赤ちゃんの咳や鼻水の状態をチェックして、早めに風邪の判断ができるようにしておくことが大切です。今回は、赤ちゃんが風邪で咳や鼻水を出すときの原因や対処法、病院に行く目安などについてご説明します。

赤ちゃんの咳や鼻水の原因は?風邪のせい?

赤ちゃんの咳や鼻水の原因は、必ずしも風邪とは限りません。赤ちゃんの体は未発達なので、ちょっとした温度差や湿度の差、環境変化の刺激でも咳や鼻水が出ます。

例えば、空気中に漂う目に見えないチリやホコリを吸い込んだり、乾いた空気や冷気を吸ったり、寒暖差があったりしただけでも、赤ちゃんは咳き込んだり鼻水を出したりすることがあります。

咳や鼻水は、異物を体外に出そうとしている防御反応です。一時的な咳や鼻水であれば、風邪や病気の心配をする必要はありません(※1)。

しかし赤ちゃんの咳や鼻水の症状が長引く場合は、風邪を引いていたり、アレルギーを引き起こしていたりする場合があります。

赤ちゃんが咳や鼻水を出しているときは、そのときの様子や顔色をチェックしておきましょう。

赤ちゃんが風邪で咳や鼻水を出すときの症状は?

赤ちゃんが風邪で咳や鼻水を出しているときは、呼吸音や咳の状態、鼻水の色や粘りに異変があったり、長期間続いたりするなどの特徴があります。

以下の症状を参考に、赤ちゃんの咳や鼻水の状態をチェックしてみましょう。

風邪による咳の症状

咳が長引いている、咳をするときに「ゼーゼー」という喘鳴(ぜんめい)がする、痰が絡むような重たい咳をしている場合は、喘息の発症や風邪のウイルスに感染している可能性が高いといえます。

また、発熱を伴っているときも風邪のウイルスに感染している可能性が高いでしょう。

これらは、ウイルスを体の外へ出そうとしたり、鼻や気管支の粘膜が炎症を起こしていたりするサインです。赤ちゃんが風邪をこじらせてしまうと肺炎になりやすいので、注意しましょう。

「コンコン」という乾いた音の咳は、風邪を引いていないときにもすることがあります。

一方、かすれた声で「ケンケン」と犬が吠えたような咳をするときは、クループ症候群の可能性もあるので、注意が必要です(※1)。

風邪による鼻水の症状

黄色や緑色で粘着性の高い鼻水、いわゆる青鼻を赤ちゃんが出している場合は、風邪が疑われます。

青鼻はウイルスや細菌と闘って死滅した白血球や抗体が混ざった状態で、風邪が治まった後もしばらく続きます。

風邪の前兆や引き始めの場合は、透明でサラサラの鼻水が出るのが一般的です。風邪の症状が進むと、サラサラした鼻水がドロッとした粘着性のあるものへと変化していきます。

赤ちゃんの鼻水は、放っておくと中耳炎の原因になるので注意しましょう。

また、透明の鼻水が出続けているときは、ハウスダストなどのアレルギー性鼻炎の可能性もあります。

赤ちゃんが風邪で咳や鼻水を出すときの対処法は?

赤ちゃんが風邪で咳や鼻水を出しているときは、病原菌を追い出そうとしている最中です。むやみに薬を使わず、まずはホームケアで対処してください。

咳や鼻水は、空気の乾燥も影響しています。加湿器を使って室内の湿度を50%以上に保ち、喉や鼻の刺激をやわらげてあげましょう。

赤ちゃんが寝苦しそうにしているときは布団の下にクッションを敷くなどして、上半身を少し起こしてあげると楽になります。

赤ちゃんの咳がひどいときは、縦抱きをして背中をさすってあげましょう。湯冷ましなどでこまめに水分補給をさせると喉の乾燥を防ぐことができ、咳が緩和されることもあります。

赤ちゃんの鼻水がひどいときは、柔らかいティッシュで優しく拭き取りましょう。

鼻づまりがひどいときは、鼻水吸引器で吸い取ってあげてください。吸うときは強く吸わず、少しずつ吸い出してあげましょう。

赤ちゃんが風邪で咳や鼻水が出たときに病院へ行く目安は?

赤ちゃんが風邪で咳や鼻水を出している場合、状態によっては病院へ行ったほうが良いときもあります。

いつもの咳や鼻水と思い込まず、こまめに症状を確認して異変がないかチェックしましょう。

以下に、小児科を受診する目安についてご説明します(※1)。

診療時間を問わずすぐに受診すべき状態

咳の場合

  • ● 上半身を起こしても咳が止まらず寝られない
  • ● 咳の途中で急に声がかれた
  • ● 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音が頻繁にある
  • ● 「ケンケン」と犬の鳴き声のような咳をしていてチアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になる)を起こしている
  • ● 胸がへこむほど咳をしている
  • ● 顔色が悪い
  • ● 呼びかけに対する反応が鈍い
  • ● 水分や離乳食を摂れず、おしっこの量が少ない

鼻水の場合

  • ● 食欲がなく機嫌が悪い
  • ● 鼻呼吸ができず、母乳やミルクが全く飲めない

診療時間内に受診すべき状態

咳の場合

  • ● 乾いた咳が5日以上続いている
  • ● 日に日に咳が悪化している
  • ● 発熱を伴う

鼻水の場合

  • ● 発熱や咳を伴うが機嫌はいい
  • ● 黄色や緑色の鼻水が出ている
  • ● 鼻づまりで口呼吸をしている
  • ● 鼻や鼻水が臭い

赤ちゃんの風邪の咳や鼻水は早めに対処しよう

赤ちゃんの咳や鼻水を風邪によるものと判断するためには、普段の咳や鼻水の状態を把握しておくことが大切です。

赤ちゃんの咳や鼻水に少しでも異変を感じたら、悪化しないかどうか、気にかけておくようにしましょう。

赤ちゃんの風邪は、症状が急変することもあります。近くの小児科の電話番号や休診日などは事前に確認しておき、万が一のときには早めに対処できるよう準備しておいてくださいね。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。



※1 成美堂出版『オールカラー版 家庭の医学 第3版』pp.245-246,329,362,781

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