つわりがつらい…和らげるためにできる対策法は?

多くの妊婦さんが経験する「つわり」。胃がムカムカする、気持ち悪くて吐く、眠い、だるいなど、人によって症状はさまざまですが、つらい症状は少しでも軽減させたいですよね。

今回は、つわりを和らげるための対策法を紹介します。

つわりはいつまで続くの?

一般的に、つわりの症状は妊娠5~6週頃に始まり、妊娠8〜11週頃にピークを迎え、妊娠12〜16週頃に少しずつおさまることが多いとされています(※1)。

ただし、つわりの始まり・ピーク・終わりの時期には大きく個人差があります。

編集部が行った「つわりに関するアンケート」(※)で、つわりがピークだった時期を聞いたところ、以下のような結果に。

アンケート グラフ つわりのピークはいつでしたか?

妊娠8〜12週にピークを迎える人が多かったものの、7週以前や13週以降にピークを感じたという人が一定数いました。

つわりで現れる症状は?

つわりの代表的な症状は、吐き気や嘔吐、食欲不振などです。ただし、人によって症状は違い、消化器系以外の症状が現れることもあります。

すべてが医学的につわりの症状とはされていませんが、大きく分けて以下のような症状が現れます。

吐きつわり

一般的によく知られているつわりの症状で、吐き気を感じて食欲がなくなったり、嘔吐したりします。症状がひどくなると、一切食事ができず水を飲むだけで吐いてしまうこともあります。

食べつわり

空腹になると胸焼けがして吐き気がひどくなる症状です。満腹になると落ち着くこともあれば、食べ過ぎても気持ち悪くなったり、空腹感はなくても何か口にしていないと落ち着かなかったりすることもあります。

においつわり

においに敏感になり、特定のにおいを嗅ぐと気持ち悪くなる症状です。ゴミなどの悪臭だけでなく、食べ物やお風呂の湯気、生活臭など妊娠前は気にならなかったものが苦手になる人もいます。

よだれつわり

よだれが過剰に分泌される症状です。よだれの量が多いと不快で飲み込めなくなり、口から出さずにいられなくなることもあります。

眠りつわり

一日中ずっと眠気が続く人もいます。「眠りつわり」と呼ばれますが医学的用語ではありません。眠気に伴い、「とにかくだるい」「頭がボーっとして判断力や記憶力が低下する」などの症状が見られることもあります。

つわりのつらい症状を和らげる対策法は?

ここからは、つわりのつらい症状を和らげるための対策法をご紹介します。自分に合うものを取り入れてみてくださいね。

食べられるものを食べたいときに食べる

食事をするのがつらいときは、無理に1日3食を食べる必要はありません。「これなら食べられる」というものを食べたいときに食べましょう。

柑橘系の果物や梅干しなど酸味の強いもの、ゼリーやトマトなどさっぱりしたものは、比較的食べやすいという妊婦さんが多いですよ。

1回の食事量は少なめにして複数回に分ける

1回の食事でしっかり食べようとすると、胃に負担がかかり気持ち悪くなることがあります。少量ずつ複数回に分けて食べると楽だったという声もよく聞きます。

すぐに食べられるものを常備する

空腹時に気持ち悪くなる場合は、すぐに口に入れられるガムや飴、クッキーなどを常備して、こまめに口に入れるようにしましょう。

特に朝起きたときは胃の中が空っぽで吐き気が起こりやすいので、枕元にすぐ食べられるものを用意しておくのがおすすめです。

におい対策をする

においに敏感になっているときは、シャンプーや洗剤、歯磨き粉などを、無香料や気持ち悪さを感じないものに変えましょう。

部屋を定期的に換気する、マスクを着用するなど意識してみると、症状が和らぐかもしれません。

無理をせず体を休める

気持ちが悪いときは横になって休む、眠気がひどいときは昼寝の時間を作るなど、意識的に体を休めてください。

仕事をしている妊婦さんは、症状がつらいときは休憩時間を増やしたり休んだりできるように職場の担当者に相談してみましょう。

体を締め付けない服を着る

腹部や胸元の締め付けによって気持ち悪くなることもあるので、ワンピースやスウェットパンツなど、緩めの服を着るといいでしょう。ブラジャーは、マタニティブラやブラトップのインナーに切り替えると、胸元の締め付けが軽減されますよ。

何かに集中して気を紛らわせる

つわりの症状にずっと意識が向いていると、余計につらさを感じやすくなるため、読書やドラマ、映画などに集中して気を紛らわせてみるのもいいでしょう。

ただし、スマホ画面や文字などを見続けていると体力を消耗して気持ち悪くなることもあるため、途中で休憩するようにしてくださいね。

つわりがつらいと妊娠悪阻の可能性もある?

つわりの症状が重症化すると、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断されることがあります。以下のような症状が見られたら妊娠悪阻を疑い、かかりつけの産婦人科に連絡して指示を仰ぐようにしましょう(※2)。

妊娠悪阻を疑うべき症状

● 食事や水分がまったくとれない
● 1日に何度も吐く
● 体重が妊娠前の重さから5%以上減る

妊娠悪阻の治療としては、入院して休養したり点滴でビタミンB6や水分を補給したりします(※3)。

妊娠悪阻と診断されなくても症状がつらい場合は薬などを処方してもらえることもあるので、かかりつけの産婦人科で相談してみてくださいね。

つわりがつらいときは無理せず受診しよう

つわりの症状がつらいと、「いつまで続くの?」「どうしてこんなに大変なんだろう」と感じることもあるかもしれません。少しでも症状が和らぐように、今回ご紹介した対策法を試してみてくださいね。

つわりがどうしてもつらいときは、無理せずかかりつけの産婦人科に相談しましょう。

監修医師:産婦人科医 藤東 淳也

産婦人科医 藤東淳也先生
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。

※1 メディカルビュー社『プリンシプル産科婦人科学 産科編 第3版』 p.290
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』p.88,89
※3 日本産婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020」p.108

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