赤ちゃんの下痢の見分け方、原因や対処法は?元気なら問題ない?

赤ちゃんは、消化器官が未発達なためさまざまな原因から下痢になりやすいです。とはいえ、急に下痢になったら心配になってしまいますよね。

今回は、赤ちゃんが下痢になる原因や、病院へ行ったほうが良い場合の見分け方、元気なときの対処法についてご紹介します。

赤ちゃんの下痢の見分け方は?普通のうんちとの違いは?

赤ちゃん 下痢 65827

月齢が低い赤ちゃんの場合は、消化不良で便がやわらかくなることは珍しくありません。

特に母乳育児の場合、うんちがやわらかくなる「軟便」であることがほとんどです。赤ちゃんのうんちが下痢であると考えられるのは、以下のような場合です。

● うんちの水分量が普段よりも多く、形が崩れてかたまりがない
● おむつからうんちが溢れる
● 1日のうんちの回数が普段よりも多い

赤ちゃんが下痢をする原因は?

赤ちゃんが下痢をする原因は、主に以下の3つがあげられます。

食べ物・飲み物

離乳食の場合、食物繊維や糖分・脂肪分が多い食べ物や、乳製品の摂り過ぎが原因で下痢になることがあります。

また今までと違う種類のミルクに変えたり、フルーツジュースをあげたりすると下痢を引き起こすことも。

冷たいものを食べ過ぎたり、飲み過ぎたりした場合も、腸管が刺激されて腸の働きが活発になり、下痢になることがあります。

ウイルスや細菌

ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎は、下痢を引き起こします。ロタウイルスでは便が白く、酸っぱい臭いがするなど、便の状態がいつもと違うのが特徴です。

ウイルスや細菌に感染してしまうと嘔吐を伴うことが多く、小さい子どもは発熱することもあるので、下痢以外の症状も確認してくださいね。

食物アレルギー

生後5ヶ月頃を過ぎると赤ちゃんの離乳食がはじまりますが、卵、大豆、牛乳などでアレルギーを起こして下痢になることもあります。

アレルギーは原因となる食べ物を食べて数時間以内に起き、下痢以外にも発疹が出ることが多いです。

呼吸が苦しそうな場合には命にかかわることもあるので、すぐに病院を受診しましょう。

赤ちゃんが下痢で元気がない…病気へ行ったほうが良い場合は?

赤ちゃんが下痢をしていて元気がなく、以下のような症状がある場合は病院を受診しましょう。

病院へ行ったほうがいい状態

● 繰り返し嘔吐し、機嫌も悪い
● 38.0度以上の発熱がある
● 下痢が1週間以上続いている
● 下痢の回数が増え、元気がなくなっている

夜間や時間外でも病院に連絡したほうがいい状態

● 飲んだり食べたりできず、顔色が悪く、ぐったりしている
● 脱水症状を起こしている(尿、涙が出ず顔色が悪く反応が鈍い)
● 下痢や嘔吐の症状がはげしい
● 便に血が混じっている
● 唇や爪が紫となり冷たい
● 顔色が悪い、反応が悪い

赤ちゃんを病院へ連れて行く際は、赤ちゃんの状態をメモしたものや、1回分の下痢のおむつを持参しましょう。

ウイルスが原因の下痢の場合、便から他の人に感染する恐れがあるので、電話で病院に持参したほうが良いか確認し、必要であればしっかりとビニール袋に入れて口を結んでいくことが大切です。

また写真があると診察しやすくなるので、うんちの状態を撮っておくといいでしょう。

赤ちゃんが下痢でも元気な場合の対処法は?

基本的に、下痢をしていても以下の状態であれば、家で様子を見ても問題ありません。

● 食欲があり、普段通り母乳・ミルク・離乳食が摂れている
● 機嫌が良く、普段通りの生活ができている
● 下痢をしているがうんちの回数が普段より1~2回多い程度
● おしっこが普段通りでている

赤ちゃんが下痢でも元気があり家で様子をみる場合は、以下のような対処をしてあげましょう。

消化の良い食事にする

離乳食を始めたばかりや、離乳食の段階を進めたタイミングで下痢をした場合は、うんちの状態が良くなるまで一段階戻したり、慣れた食材を使ったりしましょう。

下痢の間はおかゆ、うどん、バナナなど、消化の良いものを少しずつ時間を分けて食べさせてあげると良いですね。

ミルクを変えたタイミングで下痢をしたときは、ミルクを薄めるのではなく、1回の量を減らして、回数を分けてあげてください。

おしりをきれいにする

下痢が続くと、おしりがかぶれてしまうこともあり、下痢が治っても赤ちゃんがおしりの痛みでつらくなることもあります。

おしりがかぶれないように、赤ちゃんが下痢をしたときは都度おしりを拭いてきれいにしましょう。

ただ下痢をする度に何度もこするのは肌への負担が大きいので、下痢が長く続く場合はできるだけシャワーやお湯で洗ってあげてくださいね。

赤ちゃんが下痢のときに注意することは?

赤ちゃんが下痢になったときに一番注意すべきことは「脱水症状」です。こまめな水分補給を心がけてくださいね。

母乳やミルク、月齢によっては麦茶やほうじ茶、湯冷ましなどを1口ずつ数回にわけて、スプーン1さじなど少量から飲ませてあげましょう。

赤ちゃんが下痢をして元気でも水分を受け付けなくなった場合は、脱水症状を起こす可能性が高いのですぐに病院を受診しましょう。

赤ちゃんが下痢になったら、冷静に状態を観察しよう

赤ちゃんが下痢のときは、うんちの状態、下痢以外の症状など、赤ちゃんの状態を確認することが大切です。

赤ちゃんの様子がいつもと違う場合は、赤ちゃんの状態をメモしたものや、うんちの写真などを持って病院を受診することをおすすめします。

正しい情報を医師に伝えることで、赤ちゃんの下痢の原因がすぐに分かり、早期回復につながりますよ。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。

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