赤ちゃんの離乳食が始まると、与えてもいい食材とそうでない食材があります。健やかな成長に欠かせない牛乳をいつから飲ませて良いのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、赤ちゃんは牛乳をいつから飲めるのか、飲ませる必要があるのかなどをご紹介します。
赤ちゃんに牛乳を与える時期はいつから?
厚生労働省は牛乳を飲み物として与える場合、「1歳を過ぎてからが望ましい」としています(※1)。
ただし、離乳食に牛乳を使う程度であれば問題ありません。無糖のヨーグルトなどの乳製品に慣れてからであれば、少量を加熱してパンがゆなどの調理に使えます。
はじめて食べさせるときは、アレルギー症状が出た場合や心配ごとに備えて、かかりつけの医療機関を受診できる曜日の午前中に与えましょう。
1日1口からはじめて、様子を見ながら量を増やすようにしてくださいね。
赤ちゃんが1歳まで牛乳がダメな理由は?
離乳食期の赤ちゃんが牛乳をたくさん飲んでしまうと、鉄欠乏性貧血を引き起こすおそれがあります(※1)。
牛乳は栄養が豊富で飲みやすいですが、成長期の赤ちゃんに必要な鉄分が少ないです。飲みすぎると離乳食を食べられる量が少なくなり、十分な鉄分を食事からとれなくなってしまいます。
牛乳を少し飲んでしまったからといって何か大きな病気が起こるようなことはありませんが、なるべく1歳以降に与えるようにしてくださいね。
赤ちゃんに牛乳を飲ませるときの注意点は?
赤ちゃんに牛乳を与えるときは、量と温度に気をつけましょう。
最初は赤ちゃんに与える量は一口程度にして、下痢などお腹の調子が問題ないか、アレルギー症状が現れていないかを確認してください。
冷たい牛乳は赤ちゃんの胃腸に負担をかけてしまうので、人肌ほどに温めたものを与え、慣れてきてから常温にしたものをあげてください。
牛乳を少量与えて問題が見られなかったときは、少しずつ量を増やしてあげるようにしましょう。
ただし、すべての飲み物を牛乳にするなど極端な飲ませ方は控えてくださいね。
赤ちゃんの牛乳を飲ませるのは1歳を過ぎてからにしよう
牛乳は「体にいいもの」というイメージが強いかもしれませんが、赤ちゃんに絶対あげなければいけないというものではありません。
牛乳を飲み物として与えるのは1歳を過ぎるまで待ち、それまでは他のもので栄養素を補っていきながら、赤ちゃんの体づくりをサポートしてあげてくださいね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
【参考文献】
※1 厚生労働省「授乳・離乳支援ガイド」p.32