多くのママとパパの頭を悩ませる、赤ちゃんの寝かしつけ。かわいい赤ちゃんですが、ママやパパも眠いのに寝てくれないときは、途方に暮れてしまいますよね。
今回は、そんな新生児・赤ちゃんをうまく寝かしつける方法を15個ご紹介します。赤ちゃんのお気に入りの寝かしつけ方法を見つけてみてくださいね。
新生児・赤ちゃんの寝かしつけが難しい理由は?
新生児・赤ちゃんがなかなか寝ない理由は、お腹が空いている、暑い・寒い、不快・不安を感じているなど状況によってさまざまですが、なかでも大きく関わっているのが「睡眠のリズム」です。
何らかの理由で睡眠のリズムが崩れてしまうと、夜の寝かしつけが困難になりやすくなってしまいます。
まずは下記を参考に、月齢に合わせて赤ちゃんの睡眠のリズムを理解しておきましょう(※1)。
新生児期〜生後2ヶ月頃の睡眠のリズム
新生児の場合は、昼夜のリズムはなくほぼ一日中寝ていますが、眠りが浅く短時間です。合計で1日に16〜20時間ほど眠って過ごします。
生後3〜5ヶ月頃の睡眠のリズム
生後3〜5ヶ月頃では、1日の睡眠時間は14〜15時間と少し短くなり、3〜4時間連続して寝るようになります。
生後6ヶ月〜1歳の睡眠のリズム
生後6ヶ月から1歳にかけては「昼は起きて、夜は寝る」という生活リズムが整ってきます。2〜4時間の昼寝を1〜2回取り、夜は6〜8時間連続して寝るようになります。
新生児・赤ちゃんを寝かしつけやすい環境って?
赤ちゃんに夜ぐっすり・すんなり寝てもらうには、環境づくりも重要です。以下を参考にしてみてくださいね。
日中は活動的に
夜に眠くなるように、日中は太陽の光を浴びてたくさん遊ばせて、しっかりとエネルギーを発散させてあげましょう。
寝室環境を整える
寝室はカーテンを引き暗くして、静かな環境を整えましょう。隣の部屋からテレビなどの音を漏らさないように家族の協力も必要です。
赤ちゃんの目に付く光や電気を消す
テレビやパソコン、スマホなど、赤ちゃんの目に付くところにある光や電気は、睡眠の妨げになるため消してあげましょう。
新生児・赤ちゃんを寝かしつける方法&コツ!
新生児・赤ちゃんを寝かしつける具体的な方法をたっぷり15選ご紹介します。
月齢や赤ちゃんのタイプに合わせて、ベストなものを探してみてくださいね。複数を組み合せるのも効果的ですよ。
1. 抱っこでゆらゆら
寝ないで泣いている赤ちゃんをなだめるには、まずは基本の抱っこから。まだ、体の動きをコントロールできない赤ちゃんは、自分自身の手足の動きですら目が覚めてしまいます。
そこで、ママやパパがギュッと抱っこしてあげると、手足が動かずに落ち着いてきます。ママやパパの心臓の音も聞こえるので、赤ちゃんはとても安心して眠ることができますよ。
2. おくるみ
おくるみは、赤ちゃんが目を覚ます原因となる「モロー反射」を防ぐのに効果的です。手足のびくつきを軽減するために、ぐるりと巻き込むようにおくるみで包んであげましょう。
いつも同じタオルケットやおくるみを使うようにすると、匂いがついているのかより安心できるようです。これに抱っこをプラスすると、より効果を発揮しますよ。
3. ラッコ抱き
仰向けに寝たママやパパの胸からお腹のあたりに赤ちゃんを置き、そのまま軽く左右にゆすりながら寝かしつけるラッコ抱きもおすすめです。
一緒に眠ってしまって赤ちゃんを落とさないように気をつけてくださいね。
4. 子守唄や音楽
今も昔も寝かしつけによく使われるのは、やっぱり子守唄。昔は童謡が主流でしたが、最近はママやパパのお気に入りの曲を聴かせることも多いようです。
眠気を誘うためには、楽しくアップテンポな曲ではなく、単調なリズムの繰り返しの曲を選びましょう。
ママやパパがゆったり歌う声も安心させられますが、疲れたときはYouTubeなどの動画を活用するのもおすすめです。テンポが遅いクラシック音楽はママやパパのリラックスにもつながります。
5. 絵本を読む
布団の上で添い寝をしながら、絵本を読んだりお話しをしたりするのも効果的です。ママやパパの優しい声に、気持ちもリラックスしていくでしょう。
お休み前の絵本の読み聞かせを習慣化すれば、幼児になっても入眠儀式のひとつとして続けられますよ。
6. 背中トントン
抱っこしたり、添い寝をしながら背中をトントンしてあげるのも効果的です。
繰り返し感じることで、胎内で聞いていたママの心音を思い出して安心するため、眠りにつきやすいといわれています。リズム良く、やさしく背中をトントンしてあげましょう。
7. 寝る2〜3時間ほど前に入浴する
お風呂に入れるタイミングは、就寝の約2〜3時間前くらいがいいといわれています(※2)。ぬるめのお湯に浸かって体がポカポカ温まったあと、体温が下がるタイミングでスムーズに入眠ができますよ。
8. お気に入りアイテム
おしゃぶりやぬいぐるみ、タオルなどお気に入りのアイテムを与えることで安心して入眠できる子もいます。ただしこの方法は、「癖になる」と賛否両論あります。
実際には、癖になってしまう子もいれば、大きくなれば自然に手放したという子もいて、それぞれのようです。
赤ちゃんの傾向やタイプ、ママやパパの疲れ具合やライフスタイルなど総合的な要素を考え、判断してくださいね。
9. アプリ
出典: itunes.apple.com赤ちゃんがぐずって泣き止まない状態が続いて寝てくれない場合は、便利なアプリを使うのもおすすめです。
アプリ「ninaru baby」では、赤ちゃんの大好きなビニールのガサガサ音や掃除機の音など、全24曲が無料で利用できますよ。
泣いていない赤ちゃんでも、ガサガサ音などは胎内の音に似ているといわれているので、リラックスする効果もあるようです。
10. ベビーマッサージ
大人と同様、マッサージをされると眠くなってくるのは赤ちゃんも同じです。大好きなママやパパの体温を感じることで落ち着き、血流も良くなってリラックスするとだんだん眠くなりますよ。
お風呂上がりに、寝室を薄暗くしてクリームやオイルでお腹や背中を優しくマッサージしてあげるといいでしょう。足裏をもみもみ、頭皮を軽くトントンとするだけでも気持ちよさそうにうとうとする赤ちゃんもいますよ。
11. 眉間くるくる
眉毛の間の指で優しくくるくると撫でてあげると、気持ちよさそうにする赤ちゃんが多いようです。目がぱっちり開いている場合は、閉じるように優しくまぶたを上から下へと撫でるのも効果的です。
12. 耳の穴の入口あたりをなでる
綿棒で優しく耳の穴の入口あたりをなでると、うとうとする赤ちゃんもいます。この目的は寝かしつけなので、耳掃除をするわけではありません。
赤ちゃんがぐずって暴れたりせず大人しくしているようであれば、薄明かりの下で、耳の穴の入り口を優しく綿棒でくるくるしてあげてみてください。
13. バウンサーやロッキングチェア
赤ちゃんは、リズミカルにゆらゆら揺れるのが大好き。ハイローチェアやバウンサーがあれば、揺らしながらあやしてあげましょう。
新生児〜生後1ヶ月くらいから使えるものが多いですが、使う場合は商品の対象月齢を確認してくださいね。
14. 大人が寝たふり
部屋を暗くして、ママやパパが寝息をたてて寝たふりをするのも効果的。赤ちゃんにちょっかいをかけられても、ぐっと耐えましょう。
この方法を実践するときはママやパパが寝落ちに気をつけてくださいね。
15. 散歩・ドライブ
どうしても寝ないときの最終手段は、抱っこ紐やベビーカー、車での夜のお散歩です。ゆらゆらと揺れると羊水にいた頃を思い出し、眠くなることも。夜風にあたるのも気持ち良いようですね。
ただし、暗く人通りが少ない道を歩くのは危険なので気をつけてくださいね。
赤ちゃんに合う寝かしつけ方法を見つけよう
うまく寝かしつけることができれば、赤ちゃんも気持ちよく入眠でき、ママやパパも楽になります。今回ご紹介した方法をいろいろ試して、その子に合ったやり方を見つけてみてくださいね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
【参考文献】
※1 厚生労働科学研究費補助金 未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班「未就学児の睡眠指針」
※2 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」