生後2週間というと、帝王切開で出産したママも退院した頃ですね。赤ちゃんとの生活がスタートしたばかりで、慣れないお世話に戸惑ってしまっているママもいるのではないでしょうか。
生後2週間の赤ちゃんにはどのくらいの間隔で授乳しているのか、赤ちゃんの体重はどのくらいなのかをアンケートで集めました。
生後2週間の赤ちゃんの授乳間隔を、助産師さんのアドバイスと一緒にご紹介します。
生後2週間は母乳の出に悩むママが多い
アンケートでは、約65%のママが母乳の出が思わしくなく、悩んだ経験があると回答しています(※)。
上記のグラフからもわかるように、新生児期まっただ中の生後2週間目は、多くのママが母乳の出について悩んでしまうタイミングでもあります。
ここから4つの例でご紹介するように、生後2週間の赤ちゃんにも個性はしっかりとあり、授乳のペースや飲み方の癖もそれぞれ異なるのです。
生後2週間の赤ちゃんの授乳間隔【1】
授乳間隔が少し整ってきました
出生時体重:2,126g
生後2週間目の体重:3,200g(+1,074g)
母乳は割と順調に出ているほうだと思います。赤ちゃんが上手に飲めず、口から母乳があふれてしまうこともあります。
赤ちゃんも体力がないのか、おっぱいの途中でウトウトしてしまうこともよくあります。さらに、おっぱいを飲みながらうんちをすることも多いのですが、何か問題はありますか?(Aママさん)
授乳回数は、特に問題ありませんね。
ママは不安に思われていますが、授乳中にひと休みしたり排泄をすることは、この時期の赤ちゃんにはよくあることなんですよ。おむつから漏れそうな量でなければ、授乳を先に済ませてしまいましょう。
また、母乳が出る勢いがよかったり、たくさん出ていると、赤ちゃんの口からあふれることもあります。授乳の前に少し絞って、母乳の出る勢いを調整するといいですね。
生後2週間の赤ちゃんの授乳間隔【2】
混合ミルクでの頻回授乳
出生時体重:2,995g
生後2週間目の体重:4,000g(+1,005g)
11回の授乳に40分くらいかかり、さらに夜中は1時間起きに授乳をしているので、睡眠時間がなくてフラフラです。
3時間おきにミルクも足しているので調乳や消毒もあり、体力が持ちません…。(salt10ママさん)
夜間の授乳も大切ですが、ママもしっかり睡眠をとるようにしてくださいね。そのためにも、夜中もミルクを足してみてはいかがでしょうか。
また、赤ちゃんが一度にもう少し多く飲めるのであれば、ミルクの量を60〜80mlに増やしてみてもいいですね。前の授乳から3時間経つ前に欲しがるようであれば、母乳だけの時間があってもいいですよ。
退院時の体重がわからないのですが、もう少し体重が増えてくるといいですね。
生後2週間の赤ちゃんの授乳間隔【3】
泣いて起きたらこまめに授乳を
出生時体重:3,430g
生後2週間目の体重:3,500g(+70g)
泣いて目が覚めるときは、大抵口をパクパク動かしておっぱいを要求します。また、何か不安を感じるのか、グズグズし続けるときは連続しておっぱいをくわえさせると落ち着きます。
少しずつ、子供のペースがわかってきた頃ですね。(あーママさん)
1回の授乳で続けて飲めるようであればそのまま飲ませてみましょう。授乳をしていると後半から脂肪分が高い母乳(後乳)が出てきて、赤ちゃんの体重増加にとてもよいとされています。
おしっこは、1日6回以上出ていますか?おしっこの回数は、おっぱいの量が足りているかどうかの一つの目安になります。6回以下であれば、飲んでいる量が少ないかもしれません。
授乳中にねんねしてしまうようであれば、起こして飲ませてみてください。起きない場合は、搾乳やミルクを、まずは40mlほど1日2〜4回足してみましょう。3時間程度、ご機嫌に過ごしていられるように調整してみてください。
ミルクを与えることに迷いがある場合は、母乳外来を受診してアドバイスをもらうといいですよ。
生後2週間の赤ちゃんの授乳間隔【4】
授乳は3時間おきにしています
出生時体重:3,062g
生後2週間目の体重:3,518g(+456g)
産院で「授乳は3時間おき」とアドバイスされたので、なるべく守るようにしています。ですが、日によってミルクを足す回があったり、次の授乳まで1時間しか空かない日もあります。
子供が「早く欲しい!」と言わんばかりに乳首に吸い付くので、3時間おきの授乳で足りているのか気になります。
おっぱいをこまめにあげたほうがいいのか、それともミルクを足す回数を増やしたほうがいいのか悩んでいます。(梅きゅうママさん)
体重が順調に増えていて、授乳回数も落ち着いているようですね。
「ミルクを足すかどうか迷う」とのことですが、母乳だけでは足りないと感じるときに、1日に数回与える程度でしょうか?
今後、母乳1本にしたいのであれば、ミルクを与える回数はそのままで、ミルクの量を10mlずつ減らしてみましょう。そして、そのままフェイドアウトしていくのです。
難しければ、10ml減らすのを2〜3日続けて様子を見ましょう。そして、問題がなければ、さらにもう10ml減らしてみましょう。
母乳だけであれば、3時間経たなくて与えても問題ありません。赤ちゃんに合わせて与えてみましょう。
生後2週間、ママは自分の体もしっかりいたわって
生後2週間目のママの体は、出産という大仕事で受けたダメージから、まだまだ回復しきっていない時期です。
また、ホルモンバランスの変化から精神的に不安定になりやすく、ちょっとしたひと言が気になってしまったり、些細なことでも心配になってしまうことも。
授乳の回数や母乳の出具合いで気になることがあれば一人で抱え込まず、出産した病院や助産院、母乳外来で相談してみましょう。
赤ちゃんとママの様子にあったアドバイスをしてもらえますよ。
取材協力:助産師、看護師 河井恵美さん
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。救急、外科外来等も経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方に関わっています。