赤ちゃんの言葉が遅い…その後どうなった?先輩ママの体験談集

赤ちゃんの言葉の発達が遅いかも…?

ママの気がかりが多い、赤ちゃんの発達。なかでも「言葉」の発達は、1歳半健診のチェック項目にもあることから、不安になるママも多いのではないでしょうか。

多くの赤ちゃんは、1歳半〜2歳くらいまでに少しずつ、赤ちゃん語を含めた意味をもつ言葉(有意味語)を発します。なかには生後10ヶ月頃から、言葉を発する赤ちゃんもいるようです。

2歳頃になると、「わんわん いた」のように2つの言葉をつなげた二語文を話し始める赤ちゃんが増えてきます。

今回は一般的に言葉を発する時期よりも少し遅かった、という子供をもつママの体験談を3つご紹介します。

赤ちゃんの言葉が遅い…体験談CASE1

基本データ
◇ たつやくん(現在小学2年生)
◇ 3人きょうだいの末っ子
◇ 初めて言葉が出たのは1歳10ヶ月の時
◇ 1歳8ヶ月から保育園に通っていた

ー 言葉が出るのが遅いかも…と思った当時のことを教えてください。

1歳半健診のときに、チェック項目である「わんわん」「にゃんにゃん」等の言葉を言いませんでした。そのときは、犬や猫と触れ合う機会がなかったので、「わんわん」「にゃんにゃん」のことを知らなかったのかもしれないと思いました。

長男と長女は、比較的言葉が出るのが早い子たちだったのですが、たつやは1歳8ヶ月で保育園に入ってからも、なかなか言葉が出ませんでした

結局、初めて言葉が出たのは1歳10ヶ月になってからでした。

ー 言葉が出るのが遅いかもしれない、ということで悩みましたか?

言葉が出るのは遅かったですが、言葉での指示は聞いてくれていたので、言葉を理解していることは分かっていました

「あ〜。う〜。」といった喃語は出ていましたが、言葉としてはなかなか出てきませんでした。言葉をたくさん貯めているのだと思っていました。

保育士さんにも、「とにかく言葉を貯めて、いつかまとめて発する子だと思いますよ」と言われていました。

ただ当時、長男と長女の言葉を受け止めることに精一杯で、たつやへの声かけが少なかったのかもしれません。もっとインプットをした方がよかったのかも…と思ったことはあります。

言葉が出るのが早かった長女は、0歳の時から目力が強くて、目で自己主張もする子でした。

一方たつやにそうした様子はなかったので、あまり自己主張の強くない性格なのかな、とも思っていました。

ー たつやくんの現在の様子を教えてください。

現在はきちんと話すことができます。

4歳の時に感性を高める会に行ってみて、「きれいなものは何?」と聞いたら、「涙。涙はきれいだと思うよ」と答えていました。

たつやの感性は、とても独特。彼の頭のなかは、無限のブラックホールなのだと思います。

今でも考えながら話す癖があります。質問に対して黙ってしまったり、あまり考えずにすぐ答えてしまったりする子が多いなか、たつやはしっかり考えてから答えてくれますよ。

赤ちゃんの言葉が遅い…体験談CASE2

基本データ
◇ りくくん(現在3歳)
◇ 2人兄弟の長男
◇ 初めて言葉が出たのは2歳5ヶ月の頃
◇ 来年度から幼稚園に通う

ー 言葉が出るのが遅いかも…と思った当時のことを教えてください。

りくが初めて言葉を発するまで、指をさしながら「んー!んー!」と訴えるか、私や大人の手を引っ張って訴えていました。

絵本はたくさん読んであげた方がいいと母から勧められていたので、赤ちゃんの頃から寝る前には絵本の読み聞かせをしていました。

絵本を読まない日は、その日1日あったことを振り返って「今日は〇〇したね、〇〇が楽しかったね」などと話していました。

2歳まではあまり気にしていませんでしたが、なかなか言葉が出なくて心配になったので、2歳5ヶ月のとき自治体の言葉の発達相談に行きました。

そこで言語療法士さんに「『貸して』のときは手を出すなど、身振り手振りを加えると発語につながりやすい」と教えてもらいました。

試してみると、「貸しての手」をすぐに覚えてできるようになり、あるとき、なんの脈絡もなく「マンマー」「パッパー」と言いました。

ー りくくんと接するときに、意識していたことはありますか?

言葉が出ない頃、言語療法士さんに「今は、ものの正しい名前や発音を知りたい時期だと思います」と言われました。

なので、「あ!」と指さしをしたら、「〇〇だね」と名前を教える、本人が言ってみようと思えるように、「ガーガーのショベルカーだね」、のように言ってあげる、何か言えたらたくさん褒めてあげることを実践していました。

すると、擬音から真似し始めて、今はものの名前も言おうとするようになってきています。

ー りくくんの言葉の発達が遅いかもしれない、ということで悩みましたか?

絵本の冒頭部分を私が言うと、その絵本を持ってきてくれたり、「あんよバチャバチャするの上手にできたね」とプールの話をすると、ベッドの上で脚をバタバタさせたりしたので、言葉は出ないけれど意味は理解していると思っていました。

言葉が出るようになっても、なかなか単語は増えないし、落ち着きもないし、言葉以外の部分でも周りの子に比べて遅いことも。

もし何か問題があったら、親としてりくをしっかり導いてあげられるか不安な時期もありましたが、問題があってもなくても、目の前にいるりくが可愛いことに変わりはありません。

ー りくくんの現在の様子を教えてください。

2歳11ヶ月頃に初めて二語文が出てから、なかなか二語文が増えませんでした。

ただ、ある日いずみちゃんという友達と追いかけっこをしていて見失ったときに「いうちゃん、おこ、いったー?」と言いました。

「いずみちゃん、どこ、行った?」と聞きたかったのでしょう。

こうやって偶然言えることや、こう言いたいんだなと、りくの伝えたいことが分かるようになりました。

それから「かいくん(弟)、かわいい〜」「電車、行っちゃった〜」など、発音はまだ不明瞭ですが、本人なりにおしゃべりすることが増えてきました。

過度に心配しすぎず、焦らずにきちんと今のりくの姿を見つめることを心がけています。

赤ちゃんの言葉が遅い…体験談CASE3

最後は私、編集部石川自身の体験談です。

今回この記事を書くにあたり、母に母子手帳を見せてもらったところ、私自身も言葉が出るのが遅い子だったということを初めて知りました。

私はおしゃべりではありませんが、言葉の発達が遅いと感じたことはこれまで1度もありませんでした。

あくまでも一例として、私の母に聞いた話を参考にしていただけたら何よりです。

基本データ
◇ 編集部 石川(現在23歳)
◇ 一人っ子
◇ 初めて言葉が出たのは2歳頃
◇ 3歳から幼稚園に通い始めた

ー 言葉が出るのが遅いかも…と思った当時のことを教えてください。

1歳半健診のときには「わんわん」「にゃんにゃん」などの言葉が出ませんでした。絵本の読み聞かせはしていたし、たくさん話しかけてもいました。

ただ、公園にはあまり遊びに行かず、家で一人遊びをさせていることが多かったです。

保育園にも通っていなかったので、同年代の子と関わることは、幼稚園に入るまであまりなかったですね。

初めて言葉が出たのは、確か2歳になる手前くらいの頃。突然「ママ」と言いました。

2歳児健診のときに二語文は出ませんでしたが、少しずつ話せる単語が増えていきました。

ー 言葉の発達が遅いかもしれない、ということで悩みましたか?

そこまで気にしていませんでした。私が言ったことを理解している様子はあって、「言葉は、出ることよりもまず理解できていることの方が大切」という保育の知識もあったので、言葉が出ることだけに注目はしていませんでした。

言葉が出る前も、言葉以外の方法で強く自己主張をすることはなくて、おとなしい赤ちゃんでした。

なので「そういう性格なんだろうな」と考えて、焦ったり、心配しすぎたりしないようにしていました。

ー 言葉が出るようになってからの様子を教えてください。

3歳になってから幼稚園に通うようになりましたが、必要最低限のことしか話さない子でした。

でも、先生の指示通りにきちんと行動できていたので、言葉の理解が遅いのではなく、ただ単に喋るのが好きではないんだろうなと思いました。

小学生になってからも、おしゃべりな子に比べると言葉数は少ない方でした。

大人になった今でも、考えてから話す癖があるので、そういう気質なんでしょうね。

赤ちゃんの言葉の発達が遅いのはどうして?

赤ちゃんの発達の速度は個人差が大きいものですが、なぜ言葉の表出が遅いことがあるのでしょうか?

小児科医の武井先生に聞いてみました。

【武井先生】
脳の言語をつかさどる部分の発達のスピードがゆっくりな子や、あまりお喋りが好きではない、おとなしい性格の子は、言葉の表出が遅いことがありますよ。

赤ちゃんの言葉の表出が遅いとき、何を意識するべき?

では、赤ちゃんの言葉が遅い…と心配な場合、ママは何を意識すればよいのでしょうか?

【武井先生】
言葉の表出が遅い場合は、赤ちゃんの言葉の発達に応じた簡単な単語で話しかけてあげてください。ブーブーなどの擬音は、赤ちゃんがマネをしやすいですよ。

また、顔をしっかり見てコミュニケーションをとる、何か言えたら褒めてあげる、赤ちゃんが言った言葉をマネをしてあげるのもいいですよ。

赤ちゃんの言葉が遅い…と焦らないで

言葉の発達は個人差が大きいので、周りの子と比べて過度に心配しすぎないようにしてくださいね。

ただし、呼びかけても振り向かない、指さしをしない、目を合わせないといった場合は、何か発達上の問題がある可能性もあります。

言葉以外にも気になる点がある場合は、発達の専門家に相談してみることをおすすめします。

取材協力:小児科/高座渋谷つばさクリニック 武井智昭先生

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。

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