産後1ヶ月が経つと、少しずつ赤ちゃんとの生活にも慣れてきますよね。この頃の大切なイベントが1ヶ月健診です。
赤ちゃんとの初めての外出という人も多く、何を持っていけばよいのか、どんなことに気をつければよいのか、不安なママは多いと思います。
そこで今回は、1ヶ月健診の内容や先輩ママ590人に聞いたおすすめの持ち物、健診への心構えなどをまとめてご紹介します。
1ヶ月健診の目的と内容は?
1ヶ月健診の主な目的は、赤ちゃんの体重が順調に増加しているか、先天的な病気がないかを調べることです。また、ママ・パパの育児不安に答えるのも目的です。
検査内容はおおよそ次の通りで、赤ちゃんとママの体の状態をそれぞれチェックします。
赤ちゃんの検査項目
● 身長・体重・頭囲・胸囲など身体測定
● 原始反射(モロー反射など)の確認
● 斜視や視覚の検査
● 呼吸器や心臓の音のチェック
● へその緒が取れたあとのチェック
● 黄疸の有無
● 股関節脱臼の有無
● 先天性の病気のチェック
● 授乳の回数と量
● ビタミンK2シロップの投与
ママの検査項目
● 体重測定
● 尿・血圧・血液検査
● 子宮の回復状態を診るための内診(超音波検査を行う場合も)
● 会陰切開・会陰裂傷の回復具合い
● 乳房の状態のチェック
● 悪露の量や状態をチェック
● 問診(産後のトラブルなど)
病院到着後の流れは、受付→赤ちゃんの身体測定→小児科医の診察→ママの検査→保健指導の順で進むことが多いようです。
1ヶ月健診は、先輩ママも不安だった…
編集部では、1ヶ月健診を経験した先輩ママへのアンケート(※)を実施。健診を受ける前、何が気になっていたかを聞きました。すると、
「持ち物は何を準備すればいい?」
「移動時に気をつけることはある?」
など、約9割の先輩ママが何かしらの不安を抱えていたことがわかりました。
それと合わせて「もっと◯◯しておけば…」「☓☓があるときっと便利だった!」など、健診を経験したママだからこそのリアルな声もたくさん届きました。
これから健診を受けるママに向けて紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
1ヶ月健診、みんな何を持って行った?
基本の持ち物は次の通りです。
● 母子手帳、診察券、健康保険証、乳児医療証
● 乳児健診無料券(あれば)
● おむつ
● 着替え
● ガーゼハンカチ
● ビニール袋
● おしりふき
あると便利
● ミルクセット(ミルク、混合の場合)
● 授乳ケープ
● おくるみ(バスタオル)
先輩ママに当日の移動スタイルについて聞いたところ、以下の2つは大きく意見が分かれました。
● リュック/トートバッグ(ショルダーバッグ)
● 抱っこ紐/ベビーカー
実際に使ってみてどうだったのか、先輩ママの声をご紹介します。
リュックとトートバッグ、どっちが便利?
アンケートの結果はリュック派が若干優勢なものの、ほぼ半々に意見が割れました。それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。
● 両手が自由に使えるので受付などがラク
● ガバッと口が開くタイプだと物を見つけやすい
リュックのデメリット
● 抱っこ紐とリュックが重なると肩が重い
● 赤ちゃんを抱っこしているとリュックを下ろしにくいので、荷物の出し入れに苦労する
● おむつなどの出し入れがラク
● 背負って降ろしての手間がない
トートバッグのデメリット
● 抱っこするのに少し邪魔
● 肩から何度もずり落ちてくる
● 片方だけ肩がこる
なかには、口の大きなリュックと小さめのポシェットを併用したというママも。
母子手帳や健康保険証、ママのおくすり手帳、財布などはポシェットに入れておくと取り出しやすいので、おすすめの方法だと言えますね。
抱っこ紐とベビーカー、どっちが便利?
1ヶ月健診は待ち時間があるので、どうしても赤ちゃんを抱っこする時間が長くなります。「付き添いの人と交代で抱っこしたとしても疲れてしまう…」という声が多く、抱っこ紐やベビーカーは欠かせません。
ベビーカーは、病院や施設によっては持ち込みできないこともあるようです。そんなこともあってか、抱っこ紐を利用する人が65%と多くを占めました。
● 両手が自由に使えるので、物の出し入れがラク
● 段差がある場所での移動がラク
抱っこ紐のデメリット
● 抱っこしたり下ろしたりが多くて着脱が面倒
● 新生児用のインサートが必要
● 前方が見えにくい
● 肩と腰がこる
● 夏場は暑い
● 両手が自由に使えるので物の出し入れがラク
● 荷物を置いておける
● 乗せた状態で寝かしつけられるので疲れない
ベビーカーのデメリット
● 電車やバスの乗り降りに手間がかかる
● ガタガタ道がないか不安が大きい
● 病院によっては院内まで持ち込めない(置き場を探す必要がある)
抱っこ紐とベビーカーどちらにするかは、移動手段、持ち物の量などを考慮して選ぶとよいですね。
その他、あると便利なものは?
ほかにも先輩ママが持っていってよかったものをいくつかご紹介します。
発売されたばかりの液体ミルクを購入し、持っていきました。お腹が空いてギャン泣きの我が子に、一瞬でミルクをあげられて本当に便利でした。(はるままさん)
授乳スペースが少しオープンな空間だったので、胸を隠せるものが欲しかったです…。授乳ケープがあるといいかも。(ラッフルさん)
身体測定で赤ちゃんを裸にしたあと、服をかけただけの状態で待機することに。私の健診が終わるまでその状態だったので、おくるみ(バスタオル)があると寒くなくていいと思います。(えみさん)
おむつを多めに持って行ってよかったです。身長や体重を測ってもらうとき、診察のとき、母乳外来のとき、汚れていると変えなければならず、おむつは多めに必要でした。(ぽぽんたさん)
1ヶ月健診の持ち物について、助産師の河井先生にもアドバイスをいただきました。
使い方を練習しておきましょう
赤ちゃんとの初めての外出という人も多いと思います。抱っこ紐やベビーカーを初めて使うなら、あらかじめ使い方を練習しておくといいですよ。当日になって初めて使用すると、使い方があやふやで困ることがあります。
バッグの中身は、ジッパータイプの袋を活用して小分けにすると荷物がかさばらずにすみますよ。
たとえば当日はおむつ交換が多いため、おむつ1枚とゴミ袋を1セットにし、このセットをいくつか作っておくと1回分がさっと取り出せて便利です。
1ヶ月健診、移動時に気をつけることは?
病院までの移動にもさまざまな苦労が…。先輩ママからのアドバイスを、移動手段別にいくつかご紹介します。
公共交通機関の場合
バスで病院まで向かいました。お腹が空いたのか途中で泣き出してしまい、ほかの人の視線が気になって、目的地より少し前で降りました…。
帰りはスムーズに帰れるよう、健診終わりに授乳しました。(たみーさん)
車の場合
赤ちゃんを初めてチャイルドシートに乗せました。リクライニングの倒し方など、チャイルドシートの使い方がわからず、出発するのにモタモタしてしまいました…。(さゆみんさん)
タクシーの場合
車の運転が出来ないので、当日はタクシーを利用しました。しかし、空車がなかなか見つからず、何件も電話をすることに。「タクシーを呼べなかったらどうしよう…」とかなり不安でした。
その後、実は前もってタクシーを予約出来ることを知りました…。(昊ママさん)
徒歩の場合
7月の暑い時期に健診。徒歩で健診に行かなくてはならず、子供の体調が心配でした。真夏にベビーカー&徒歩で移動だったので、保冷剤などを用意して暑さ対策すれば良かったかなと思いました。(はるさん)
そのほかにも、「家以外の環境に慣れていないせいか、吐き戻しがあった」「チャイルドシートにウンチを漏らした」など、思いもよらないアクシデントの体験談もありました。
赤ちゃんとの外出は、何があるかわからないので早め、早めの行動を心がけるとよさそうですね。
実際に経験したからこそ知っている
先輩ママから1ヶ月健診のアドバイス!
健診についてわからないことばかりで、心配になっているママは多いと思います。
1ヶ月健診を一足早く経験したからこそ知っている注意ポイントを、先輩ママが教えてくれました。思いもよらなかったことばかりだと思うので、ぜひ、参考にしてくださいね。
無理は禁物!
出産後は気づかないうちにかなり体力が落ちているものです。赤ちゃんだけでなく自分の体調にも気をつけてくださいね。免疫が落ちていたのか、私はインフルエンザにかかってしまいました…。(しみこさん)
自分の持ち物も忘れずに
赤ちゃんのための持ち物ばかりに目がいき、自分の持ち物を忘れてしまいました…。待ち時間が長いので、おりものシートや尿もれパットなどは多めに持って行くといいですよ。(ゆかちんさん)
メモや画像があると問診がスムーズ
授乳回数や排尿、便の回数など、赤ちゃんの1日の生活リズムを記録して持って行くとスムーズに受け答えできます。
質問したいことは事前にまとめておき、赤ちゃんの体の変化などで気になることは写真や動画も撮っておくと医師に伝えやすいと思います。(ぱぐさん)
メモはメモ帳かスマホに!
聞きたいことがいくつかあったので、母子手帳にメモしていました。ところが、当日回収されてしまって何を聞けばよいか分からなくなってしまいました…。
メモ帳やスマートフォンなど、すぐに取り出せるものにメモをしておくとよいかもしれません。(しょこらさん)
隙を見ておむつ替えするべし
当日、おむつ替えをせずに体重測定をしてしまいました。よくよく考えてみると、おしっこでおむつがパンパンのまま…。本当は何グラムだったんだろう?(みーさん)
気になることは全部聞くのが◎
私は黄疸や股関節脱臼、おむつかぶれ、鼻水などが気になっていたので、全部聞いてスッキリしました。おむつかぶれの薬も出してもらえて良かったです。(おもちママさん)
気を張らずに1ヶ月健診に臨もう!
赤ちゃんとの初めての外出で気が張り、視野が狭くなってしまうママも多いようです。ついつい自分のことは後回しにしがちですが、無理のしすぎは禁物ですよ。
不安なのは、周囲のママも同じ。「1ヶ月健診でママ友ができた!」という人もいるので、気さくに隣のママに話しかけ、不安なことなどを話すといいかもしれませんね。
取材協力:助産師、看護師/エミリオット助産院 河井恵美さん
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。救急、外科外来等も経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方に関わっています。
※アンケート概要
実施期間:2019年5月14日~2019年5月15日
調査対象:子育てアプリ「ninaru baby」利用者
有効回答数:590件
収集方法:Webアンケート