産後1ヶ月を迎える頃になると、少しずつ赤ちゃんとの生活にも慣れてきますよね。この時期の大切なイベントといえば、1ヶ月健診。出産した病院で行うことが多いですが、内容や費用、持ち物など疑問もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、1ヶ月健診の内容や費用、持ち物、また健診時の赤ちゃんの体重の目安などをまとめました。
1ヶ月健診の内容は?
1ヶ月健診は出産した病院で行われることがほとんどで、赤ちゃんの成長や健康状態と、ママの体の回復具合などがチェックされます。
赤ちゃんの1ヶ月健診の主な診察項目(※1)
● 体重・身長・頭囲・胸囲の測定、体重増加量のチェック
● 視線があうか、音や声に反応するか
● 手足をしっかり動かすか
● 原始反射の確認
● 視覚・斜視、聴覚の確認
● 股関節の動きに異常はないか
● 顔を左右どちらかに向けて首をかしげた状態(斜頚)がみられないか など
上記の診察の他に、母乳・ミルクの飲み具合や睡眠、排泄など普段の赤ちゃんの様子をママに問診したり、「乳児ビタミンK欠乏性出血症」を防ぐためのビタミンK2シロップを赤ちゃんに飲ませたりします。
ママの1ヶ月健診の主な診察項目
● 尿・血圧・血液検査
● 体重測定
● 子宮の状態を診るための内診
● 悪露の量や状態のチェック
● 母乳育児の場合はおっぱいのチェック
● 問診(産後うつの質問票や育児の悩みなど)
ママは健診で特に問題がなく医師の許可がおりれば、日常生活(湯船に浸かること、車の運転、夫婦生活など)を再開することができますよ。
1ヶ月健診の費用は?
1ヶ月健診は病気の診察や検査ではないため、健康保険は適用されません。費用は病院によって違いますが、一般的に赤ちゃんとママの健診をあわせて、5,000〜10,000円ほどが多いようです。
自治体によっては助成制度を設けていることもあるため、病院やお住まいの市区町村の担当窓口に確認してみましょう。
赤ちゃんの健康状態で気になるところがある場合は、健診だけでなく診察を行うこともあります。
健康保険証と乳幼児医療証を提示することにより、診察の費用は無料になることがほとんどです。
1ヶ月健診の持ち物は?
ここでは1ヶ月健診のときに必要な持ち物をご紹介するので参考にしてみてくださいね。
● 母子手帳
● 診察券
● ママの健康保険証
● 赤ちゃんの健康保険証
● 乳幼児医療証
● 乳児健診無料券 ※自治体によって異なる
● 健診費
● 赤ちゃんの着替え
● おむつセット(おむつ、お尻ふき、ビニール袋)
● 授乳用品(授乳ケープ、粉ミルク、哺乳瓶、ミルク用のお湯など)
● 赤ちゃんのお世話グッズ(ガーゼ、ブランケット、汚れものを入れるビニール袋など)
病院のホームページや出産時にもらった冊子などに、1ヶ月健診時に必要な持ち物が記載されていることもあるのでチェックしておきましょう。
また、クレジットカードやキャッシュレスでの支払いに対応していない病院もあるので、現金を用意しておくと安心です。
1ヶ月健診を受ける際の注意点やポイントは?
1ヶ月健診を受けるにあたって、以下の注意点やポイントを確認しておきましょう。
できるだけパートナーや家族に付き添ってもらう
1ヶ月健診が赤ちゃんにとって初めての本格的な外出になることがほとんどです。パートナーや家族に付き添ってもらうと、移動時に赤ちゃんがぐずったときやママの健診中なども安心です。
パートナーや家族の付き添いが難しいときは、ファミリーサポートなどを利用したり、病院のスタッフや助産師・看護師にサポートしてもらったりしましょう。
授乳やおむつ替えを済ませておく
病院に到着してから健診が終わるまでの時間が長いこともあるので、家を出る直前に授乳やおむつ替えを済ませておくと安心です。
健診の待ち時間に授乳やおむつ替えが必要になった場合は、病院のスタッフへ伝えて指定の場所で行うようにしましょう。
健康保険証や乳幼児医療証を用意しておく
1ヶ月健診までに赤ちゃんの健康保険証や乳幼児医療証を用意できるように、出生後できるだけ早く交付申請を行っておきましょう。
1ヶ月健診で赤ちゃんの診察があった場合、健康保険証や乳幼児医療証がないと自費で支払うことになります。
交付後に病院の窓口に健康保険証や乳幼児医療証を提示することで精算をしてもらえるので、領収書などは保管しておいてくださいね。
病院によっては後日の精算を行っていなかったり同月内しか受け付けていなかったりするため、その場合は自治体や健康保険組合に申請して精算してもらいましょう。
1ヶ月健診の新生児の平均体重や身長は?
厚生労働省が母子健康手帳に示している発育曲線によると、生後1ヶ月の赤ちゃんの身長と体重の目安は次の通りです(※2)。
生後1ヶ月の赤ちゃんの身長・体重目安
身長 | 体重 | |
男の子 | 50.9~59.6cm | 3.53~5.96kg |
女の子 | 50.0~58.4cm | 3.39~5.54kg |
1ヶ月健診時もこの体重や身長が目安となります。出生から1kgほど体重が増えていることが多いようですが男女差や個人差があります。
また、出生時の体重や身長はそれぞれ異なるので、1ヶ月健診までの成長が発育曲線に添っているかを確認してみてくださいね。
平均体重や身長に達していなくても、医師から特に指摘されることがなければ、心配する必要はありませんよ。
1ヶ月健診はどんな服装でいけばいい?
1ヶ月健診のときは、ママも赤ちゃんも脱ぎ着しやすい服装で行きましょう。
ママは診察台に乗って内診をするので、妊婦健診のときと同じようにスカートやワンピースがおすすめです。靴も、すぐに脱ぎ履きしやすいものだとスムーズです。
赤ちゃんは、季節や気候にあわせて、短肌着・長肌着やコンビ肌着にツーウェイオールなどを着せてあげましょう。
肌着も服も健診時に脱ぎ着しやすいように、頭からかぶるタイプではなく前開きタイプがおすすめです。
外と病院内の気温差が激しいこともあるので、おくるみなどで対応してあげるといいですね。
1ヶ月健診は赤ちゃんだけでなくママにとっても大切
1ヶ月健診は、出産して退院後の赤ちゃんやママの健康状態をみる大切な機会です。赤ちゃんの成長や育児のことはもちろん、ママの体や心の状態で気になることや不安があれば健診のときに相談してみてくださいね。
里帰り後に早めに自宅へ戻った場合など、出産した病院で1ヶ月健診が受けられないときは、自宅近くで健診を行っている病院を探しておきましょう。また、健診当日に赤ちゃんやママの体調が悪くなったり急用ができたりして行けなくなった場合は、病院に電話して指示を仰ぐようにしてくださいね。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」
※2 厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査 調査結果の概要」