赤ちゃんのお世話で避けて通れないのが、夜泣き。毎晩夜泣きで起こされると、ママは体力的にも精神的にもつらいものがありますよね。
そこで今回は、夜泣きの原因と対策を、赤ちゃんの眠りのプロに聞いてみました。赤ちゃんが夜泣きをするたった2つの原因とは、一体何なのでしょうか?
夜泣きの原因がわからない…
夜泣きに悩んでいるママはとても多く、編集部にはこんな先輩ママの声も寄せられています。
夜泣きが始まると永遠に泣き続け、何をしても泣き止みません。夜中何度も起きるはめになっています…。(ナッツ)
抱っこしても授乳してもおむつを換えても泣き止まず、夜中に何時間も抱っこをし続け、参りそうになったことがあります。(タオルケット)
何をしても泣き止まみません。隣で旦那がスヤスヤ寝ている姿にイラッとしてしまうことも…。(ちぃまま)
「わかるわかる!」と首を縦に振っているママもいるかもしれませんね。
夜泣きの原因がわからないから対策の打ちようがなく、途方に暮れることもあるのではないでしょうか。
【解説】夜泣きの原因はたったの2つ!?
今回はそんな夜泣きの原因を、「赤ちゃんの眠り研究所」の代表理事で、赤ちゃんの眠りに詳しい清水悦子さんに教えてもらいました。
\わたしが答えます!/
清水悦子さん
大阪府生まれ。理学療法士として病院や施設に勤務後、女児を出産。生後6ヶ月から始まった壮絶な夜泣きとその改善体験をきっかけに保育士資格を取得し、夜泣きのサポート活動を開始。2014年任意団体「赤ちゃんの眠り研究所」を設立し、2016年5月NPO法人化。2018年4月より茨城キリスト教大学児童教育学科助教。著書に「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド」(かんき出版)等がある。
清水さん
こんにちは、清水悦子です。私のもとにも、赤ちゃんの夜泣きに悩んでいるママたちの声はたくさん届いています。夜泣きで睡眠不足の日々が続くと、本当につらいですよね。
実は赤ちゃんの夜泣きの原因は、大きくわけてたった2つしかないんです。
この2つをおさえれば、困っている毎日の夜泣きに光が見えてくるかもしれません(病気のときや体温調節がうまくいっていないときなどはまた別ですが... )。1つずつ紹介していきますね。
夜泣きの原因①生活リズムが整っていない
夜泣きの原因1つめは、生活リズムが整っていないということ。生活にメリハリがなく、ダラダラ起きたりダラダラ眠ったりしていると、寝付きや睡眠の質が悪くなり、夜泣きにつながります。
朝・昼・夜の過ごし方を、それぞれ改善していきましょう。
朝の過ごし方
朝はできれば7時までには起きて、太陽の光を浴びましょう。
ここで大切なのは、「太陽の光を浴びる」ということ。太陽の光を浴びることで、体内時計が整います。
また、眠りを誘う「メラトニン」というホルモンは、太陽の光を浴びてから約14〜16時間後に分泌されるようにできているのです。
外に出なくてもかまいません。カーテンを開けて、日当たりのいい部屋に赤ちゃんを移動させてあげましょう。
昼の過ごし方
昼は、遊んだり散歩をしたりと、しっかり活動しましょう。
生後3ヶ月頃からは、「赤ちゃんが泣くたびに授乳して寝かせる」という流れはやめて、少しずつ起きる時間を長くしていくことをおすすめします。
体力がついてくる生後8ヶ月頃になったら、お昼寝を15時頃までに済ませるようにしましょう。15時以降は、寝たとしても15分くらいで起こすようにしてください。
夜の過ごし方
夜はできるだけ夕方早めから電気を暗くして、間接照明ですごしましょう。テレビやスマホも、赤ちゃんが寝る1時間ほど前からは消しておきたいですね。
なぜなら、先に紹介した眠気をつくる「メラトニン」というホルモンは光に弱いから。せっかく分泌されても、電気が煌々と光っていたら意味がないのです。
お風呂の明るさにも注意が必要です。寝付きが悪い子はお風呂もできるだけ早めに入るか、浴室の電気を消して、脱衣所の電気だけでお風呂に入るようにするといいかもしれません。
電気を暗めにしたら、赤ちゃんとママのイチャイチャタイム。2人で静かな遊びをして、お布団に入りましょう。
興奮してしまうと落ち着きにくい赤ちゃんもいるので、寝る直前までずっと活動し続けるのは逆効果。できるだけ夕方早めから、徐々に落ち着いた遊びへとシフトしていったり、部屋を暗くしたりして、眠りにつく準備を整えてあげましょう。
夜泣きの原因②寝かしつけの習慣がよくない
赤ちゃんは本能的に、安心しないと眠れません。寝かしつけは、赤ちゃんに安心してもらうための習慣なのです。
人間は浅い眠りと深い眠りがあり、赤ちゃんの場合は1時間おきにこの2つを行ったり来たりしています。そして浅い眠りのときは、自分に危険がないか、安心して眠れる状況かどうかを確認しているんです。
もし、添い乳でママの乳首をくわえた状態で安心して寝たのに、目覚めたときに乳首をくわえていなかったら…。抱っこでゆらゆら揺らされていたのが安心だったのに、起きたらゆらゆら揺れていなかったら…。
大人でたとえるなら、「布団で寝たのに玄関で起きた!」くらいの衝撃なんです。
なので、赤ちゃんがママ・パパの助けをできるだけ借りていない状態で寝かしつけることが大切です。
夜泣きの原因にならない寝かしつけ方法とは
いま、抱っこや添い乳、添い寝で背中をトントンするなどの方法で寝かしつけているママは、「赤ちゃんが布団の上で自分で寝た」と思える方法での寝かしつけに変えてみてください。
大事なのは眠りにつく瞬間なので、途中まではトントンして、寝そうだなと思ったら最終的には手を止めましょう。
周囲の環境に敏感な子は、ママの手でおでこをなでおろすようにして、目を閉じてあげてもいいと思います。これも、眠そうにしたらやめてくださいね。
新しい寝かしつけ方法を1週間ほど試しても全然慣れないようであれば、一度おやすみしてください。1ヶ月ほど、授乳や抱っこなど今までの寝かしつけに戻してから、再度チャレンジしてみてくださいね。
夜泣きの原因おまけ:寝言泣き
原因とは少し違いますが、赤ちゃんは寝ぼけて夜泣きをすることもあります。いわゆる「寝言泣き」です。
ママは赤ちゃんが夜泣きをするとすぐにお世話をしてしまいがちですが、敏感に反応しすぎなくても大丈夫。2〜3分でおさまるようであれば寝言泣きの可能性が高いので、夜泣きをしてもそのくらいは待ってみましょう。
夜泣きの原因を知って、対策しよう!
清水さんいわく、夜泣きの原因はたった2つ。この原因さえつかめれば、対策を打つのも難しくありませんよね。
寝かしつけ方法を変えるときなど、最初は少しかわいそうに思うかもしれませんが、赤ちゃんの夜泣き対策は、ママの健康にとっても大切なことです。ママもしっかりと睡眠時間を確保できるように、今日から少しずつ夜泣き対策を始めてみましょう!
詳しい内容は、清水さんの著書にも書かれているので、気になる人はこちらもチェックしてみてくださいね。