妊娠して赤ちゃんを無事に出産することができても、産後の育児にかかる費用に不安を感じることもありますよね。国や自治体の子育て支援制度を活用すれば、負担が小さくなりますよ。
そこで今回は、産後の子育てに関わる補助金や助成金についてご紹介します。
産後に赤ちゃんがもらえるお金とは?
子育てに関する主な補助金・助成金は以下の5種類です。
1. 児童手当
2. 乳幼児医療助成金
3. 児童扶養手当
4. 子どもの定期予防接種
5. その他の自治体の補助制度
住んでいる地域によって内容が変わってくることがあるので、事前に自治体のホームページをチェックしたり、直接役所に問い合わせたりしておきましょう。
次からは、5つの子育ての補助金・助成金について詳しくご説明します。
子育ての補助金・助成金1:児童手当
児童手当は、生活の安定と子どもの健やかな成長のために役立つことを目的とした給付金です。
制度の内容・金額(※1)
0歳〜中学校卒業までの子どもがいる家庭には、月額で以下の金額が支給されます。
ただし、ママやパパの所得や扶養家族の人数に応じて所得制限が設けられています。所得制限を超えた家庭には、一部支給・あるいは支給自体が行われません。
全額支給の場合
● 0〜3歳未満:1万5000円
● 3歳〜小学校卒業まで:1万円
● 中学生:1万円
一部支給の場合
● 0〜3歳未満:5000円
● 3歳〜小学校卒業まで:5000円
● 中学生:5000円
申請のタイミング
赤ちゃんが生まれたら早めに住んでいる地域の役所へ行き、申請してください。オンライン申請に対応している自治体もありますよ。
原則として申請した月の翌月分から支給されますが、出生日や転入した日が月末に近くて申請日が翌月になった場合は、出生日翌日から15日以内に申請していれば申請した月分から支給されます(※2)。
申請に必要なもの
● 児童手当認定請求書
● マイナンバーを確認できるもの
● 申請者が本人であると確認できるもの(運転免許証など)
自治体によっては課税証明書または非課税証明書、母子手帳などの書類提出が必要になることもあります。
注意点
申請が遅くなると、遅れた月分の手当は受け取れなくなるので、早めに申請しましょう。
また、住んでいる自治体で申請する必要があるので、里帰り出産をする人は注意してくださいね。
子育ての補助金・助成金2:乳幼児医療助成金
乳幼児医療費助成金は、各自治体が乳幼児の通院や入院でかかる費用を助成する制度です(※3)。「小児医療費助成」や「子ども医療費助成制度」、「マル乳」など、自治体によって名称が異なる場合があります。
制度の内容・金額
● 乳幼児が病院にかかったときの治療費が無料、または一部の費用が補助されます。
● 対象は未就学児を基本に、4歳まで、中学校卒業までなど地域や自治体により異なります。
申請のタイミング
赤ちゃんの健康保険加入手続きが終わってから申請します。住んでいる地域の役所で手続きをしてください。
申請に必要なもの
● 申請書
● 子どもの健康保険証
● 母子手帳
● 所得を確認できるもの
自治体によっては上記以外の書類の提出を求められる場合があります。
注意点
旅行中のケガや里帰りで、住んでいる自治体以外の病院を受診した場合は、一時的に治療にかかった金額を立て替えて支払わなければいけない場合があります。
領収書などをとっておき、後日役所で忘れないように手続きして返金してもらいましょう。
子育ての補助金・助成金3:児童扶養手当
児童扶養手当とは、ひとり親世帯の子育てを支援するために定められた制度です(※4)。
制度の内容・金額
離婚や死亡などによって、ママまたはパパどちらか一人からしか養育を受けられない子どもがいる場合に支給されます。
子どもが18歳に達してから最初に迎える3月31日まで受給することができます。
支給額は前年の所得に応じて全部支給、あるいは一部支給に分かれます。ただし、前年の所得が一定額を超えていると受給できません。
全額支給の場合
1人目の子ども:45,500円
2人目の子ども:10,750円
3人目の子ども:6,450円
一部支給の場合
1人目の子ども:10,740円〜
2人目の子ども:5,380円〜
3人目の子ども:3,230円〜
申請のタイミングと方法
申請先は住んでいる自治体です。基本的に申請の翌月分から対象となるため、ひとり親世帯になったらできるだけ早めに申請しましょう。
申請に必要なもの
● 申請書
● 戸籍謄本または戸籍抄本
● 住民票
● マイナンバーを確認できるもの
● 申請者が本人であると確認できるもの(運転免許証など)
※自治体によっては上記以外にも必要書類の提出を求められる場合があります
注意点
年6回、奇数月に2ヶ月分ずつ振り込まれます。
子育ての補助金・助成金4:子どもの定期予防接種
予防接種法で「定期接種」として定められている予防接種を無料で受けることができます。
制度の内容・回数
無料となる対象は、定期接種に指定されている以下のワクチンです(※5)。
● 小児用肺炎球菌
● 五種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)
● 二種混合(ジフテリア・破傷風)
● MR(麻しん・風しん)
● 日本脳炎
● BCG(結核)
● 水ぼうそう(水痘)
● B型肝炎
● ロタウイルス
● HPV
五種混合ワクチンは、四種混合ワクチン+ヒブワクチンで接種することもあります。自治体から送られてきた予診票で確認するようにしましょう。
申請のタイミングと方法
定期予防接種の時期になると住んでいる自治体から無料券と予診票・健診表が送付されます。
ただし、地域によっては申請が必要な場合があるので、出生届の提出時や健康保険を申請するときなどに確認をしましょう。
注意点
現在は任意予防接種でも、定期予防接種に変わるワクチンもあるので、常に最新情報を確認するようにしましょう。
子育ての補助金・助成金5:その他 自治体の補助制度
住んでいる地域によって、子育てに関する独自の補助金や助成金を取り入れているところもあります。
自治体が独自で行っている補助金・助成金の例
● チャイルドシート購入補助
● 保育料補助(認可外保育園の助成金が出る地域もある)
● ベビー用品レンタル制度
● 任意接種のワクチンの補助(おたふくかぜ、ポリオ、三種混合など)
● 子育て支援券・応援券(子育てに関わる有料サービスに利用できる金券のようなもの ) など
申請タイミングと方法
自治体ごと、制度ごとに異なります。
申請に必要なもの
自治体ごと、制度ごとに異なります。
注意点
● 申請時期を逃すと受給できない場合もあるので、しっかりチェックしておきましょう。
● サービスや補助には期限や上限額が設定されていることがあるので、利用時はよく確認してくださいね。
地域ごとの補助金・助成金の制度を確認しよう
赤ちゃんを育てていくためにどれくらいお金がかかるのか不安になることもあるかもしれませんが、今回ご紹介した補助金や助成金をはじめ、子育てに関するサービスの支援金に力を入れている自治体や地域が増えてきています。
事前にどんな支援制度があるのか住んでいるエリアの情報を確認しておきましょう。子育て支援のための補助金や助成金の制度を上手に活用して、安心して子育てをしていけるといいですね。
※1 内閣府 「児童手当Q&A」
※2 こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
※3 厚生労働省「令和2年度「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」について」
※4 こども家庭庁「児童扶養手当について」
※5 厚生労働省「予防接種情報:よくある質問」