初めての妊娠だと、妊娠したら何をすればよいのか、出産に向けてどんな準備をすればいいのかわからないことが多いですよね。
そこで今回は、妊娠中の「やるべきこと」と「やっておくといいこと」の基本をご紹介します。時期別にまとめたので、妊娠期間の動きを見通してイメージしてみてくださいね。
妊娠全期でやるべきこと
赤ちゃんとママを守るため、妊娠全期をとおしてやるべきことを以下にまとめました。
1. 妊婦健診を受ける
妊婦健診は、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を定期的に診るためのもの。妊娠中の標準的な回数は14回です。安全な出産のためにも、きちんと受けるようにしましょう。
2. 禁酒、禁煙をする
妊娠中の飲酒や喫煙は、母体や胎児に悪影響を与えるためやめましょう。
3. 葉酸を摂る
妊娠前から妊娠全期で必要とされる「葉酸」。胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らしたり、妊婦さんの貧血を予防したりするために大切な栄養素です。
厚生労働省は、妊娠前〜初期は食事+合成葉酸(サプリメント)から、妊娠中期〜後期も食事から葉酸を摂取するよう推奨しています(※1)。
4. リスクのある食べ物・飲み物をチェックする
母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性がある食材や食品を把握しておきましょう。生ものや乳製品、ハーブ類など、食材や食品によってリスクもさまざま。妊娠初期のうちから、パートナーと一緒にチェックしておくと安心です。
リスクのある食材や食品の詳細は、以下の記事を参考にしてください。
妊娠初期にやるべきこと
妊娠初期(妊娠1〜4ヶ月)は、まず妊婦健診に通う産院を見つけたり、妊娠に関する手続きなどを進めたりする必要があります。体調に変化がでやすい時期でもあるので、以下を参考にパートナーや家族と一緒に把握しておくと安心です。
1. 産婦人科を決める
妊婦健診を受ける産婦人科を決めましょう。通いやすい場所・家から近いところ・地域で評判が良いところなども基準になりますよ。
里帰り出産ではない場合、妊婦健診に通う産院が分娩する産院になることもあるので、産婦人科の種類や方針なども見ながら探しましょう。
2. 分娩予約をする(里帰りの場合も)
近年は産科医の減少に伴い予約がしにくくなっているため、出産予定日が確定したらなるべく早く分娩予約をしましょう。里帰りの場合は、特に早めに家族と相談しておく必要があります。
3. 妊娠届出書を提出し、母子手帳をもらう
母子手帳をもらうために、お住まいの地域の役所へ妊娠届出書を提出しましょう。妊婦健診にかかる費用が助成される補助券(妊婦健康診査受診票)やマタニティマークも一緒にもらえます。
届出の提出方法に関する詳細は、以下の関連記事ご覧ください。
4. 職場の制度を確認する(働いている場合)
産休・育休は職場によって取得の仕方が違うので、就業規則などで確認しておきましょう。また、つわりや妊婦健診などでの休暇が取れるかどうかも確認しておくと安心です。
5. そのほか妊娠初期にやっておくといいこと
やるべきことのほかに、妊娠初期にやっておくといいことを以下にまとめました。自分に必要なものを選んで、やってみてくださいね。
□ 妊娠報告をする(中期・後期でも)
□ 服用している薬やサプリを医師に相談する
□ 妊娠線ケアを始める
□ 妊婦帯、マタニティインナー・ウェアを用意する
□ 残業や仕事量について上司と相談する(働いている場合)
□ 今後の家事分担や育児についてパートナーと話し合う
妊娠中期にやるべきこと
妊娠中期(妊娠5〜7ヶ月)は「安定期」とも呼ばれています。赤ちゃんの骨格がしっかりし、妊婦さんのお腹の膨らみが目立ってきますよ。つわりが治まっている妊婦さんも多く、比較的動きやすくなる時期です。以下を参考に、できるところからはじめてみましょう。
1. 母親学級や両親学級へ参加する(行けない場合後期でもOK)
両親学級は、妊娠中の過ごし方や分娩の進み方、赤ちゃんのお世話の仕方などを体験しながら学べる場です。医師、助産師、保健師や栄養士などの専門家の話を聞くことができますよ。
開催元は自治体・病院・企業などさまざまなので、ホームページや広報誌などで情報収集をしましょう。
2. 里帰り出産の場合、出産する病院で一度受診する
里帰り出産の場合、妊娠20週までに初診を受けないと受け入れてくれない病院もあります。分娩予約の時点で初回の受診日を決めておき、その後普段通う病院に紹介状を書いてもらって受診しましょう。
3. 保活を始める(産後に働く場合)
子どもを0歳から入園させたい場合や、待機児童が多い地域に住んでいる場合は、妊娠中期頃から保育園探しを始めた方が良いこともあります。
例えば、認可保育園に4月入園を希望する場合、前年の秋頃に申込みがスタートします。10月頃に出産予定の妊婦さんは、それまでに保活をしておくのがおすすめです。
10月以前に出産する場合でも、産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなるので、早めに情報収集を始めておくと安心ですよ。役所や先輩ママ・パパから早めに情報収集をして動き出しましょう。
保活の方法やスケジュールの詳細は、以下の関連記事ご覧ください。
4. そのほか妊娠中期にやっておくといいこと
やるべきことのほかに、妊娠中期にやっておくといいことを以下にまとめました。
□ 戌の日の安産祈願に行く
□ 妊婦歯科健診を受けておく
□ バースプランを考え始める
□ 産後すぐに必要なベビーグッズを探し始める
□ 名前を考え始める
□ 仕事の引き継ぎを始める(働いている場合)
□ マタニティフォトを撮るか決める
□ 適正体重を意識した生活を心がける
□ 無理のない範囲で軽い運動をする
妊娠後期にやるべきこと
妊娠後期(妊娠8〜10ヶ月)の妊婦さんと赤ちゃんは、いよいよ出産に向けて最終準備の段階に入ります。万全の状態で赤ちゃんを迎えられるよう、職場や自宅などの環境を整えたり、手続きの確認をしたりしましょう。
1. 出産までの流れを頭に入れる
出産兆候や陣痛間隔の測り方、分娩方法など、事前に出産の流れを把握しておきましょう。パートナーと一緒に確認できるとより安心ですね。
詳しくは以下記事をご覧ください。
2. 陣痛・入院バッグを準備する
入院・出産に備え、臨月に入る36週頃までに陣痛・入院バッグを用意する必要があります。パジャマや下着、赤ちゃんの服など、病院から配布された持ち物リストを確認しながらしっかり準備しておきましょう。
3. 出生届や給付金など、産後の手続きの確認をする
赤ちゃんを戸籍に登録するため、出生日より生後14日以内に、お住まいの地域の役所に出生届を提出する必要があります。
また、児童手当や出産育児一時金などの給付金関係の手続きもあります。産後は赤ちゃんのお世話でバタバタするため、事前に余裕を持ってパートナーと確認をしておきましょう。
詳しくは以下記事をご覧ください。
4. 職場への提出書類を確認する(働いている場合)
一般的に、出産予定日の6週間前から産休を取得できます。勤務先に必要書類を提出して申請する場合が多いため、自分が産休を取得するタイミングより前に、申請書類の準備をしましょう。
5. 里帰り出産の場合、帰る準備をする
里帰り出産の場合、産休に入る妊娠30~35週頃を目安に実家に帰る人が多いようです。安心して出産に臨むためにも、荷物の準備は余裕を持ってしておくのがおすすめです。
6. そのほか妊娠後期にやっておくといいこと
やるべきことのほかに、妊娠後期にやっておくといいことを以下にまとめました。
□ 適正体重を意識した生活を心がける
□ 無理のない範囲で軽い運動をする
□ 自宅に赤ちゃん用のスペースを作る
□ ベビーグッズをそろえる
□ 名前を決める
□ 入院中や里帰り中のことをパートナーと相談する
妊娠中のやるべきことは、無理せず進めよう
妊娠中は、妊婦さん自身が気をつけること以外にもやるべき手続きや準備なども多く、心身ともに大変なことと思います。パートナーや家族と協力しながら、無理のないよう一つひとつ進めていってくださいね。
この記事をお気に入りに保存しておくと、各時期にやるべきこと、やっておくといいことをいつでも確認できます。ぜひ保存して、必要なときにチェックしてみてくださいね。
※1 厚生労働省『妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〜妊娠前から、健康的なからだづくりを〜解説要領』pp.4,11-12