下の子の出産で産休・育休を取得する場合、上の子は保育園に通い続けられるのか気になりますよね。また、里帰り出産などを理由に産休・育休中に保育園を休ませるときは、どのくらい休んでもいいのか知りたい人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、産休・育休中の上の子の保育園について、継続して利用できるのか、利用するための手続きや注意点、長期間休むときはどうしたらいいのかなどをご紹介します。
産休中に上の子は保育園を利用できる?
ほとんどの認可保育園は、出産予定月とその前後2ヶ月(計5ヶ月間)に上の子は保育園を継続利用できるとしています(※1)。
そのため、出産予定日6週間前から出産後8週間までとなる産休中も上の子を保育園に預けることができますよ。
なお、双子などの多胎妊娠では出産予定日14週間前から産休を取得できるため、出産予定月の2ヶ月以上前から産休となりますが、基本的には同じように保育園を継続利用できます。
認可外保育園の場合も基本的に、産休中でも引き続き保育園を利用できるので安心してくださいね。
育休中、上の子は保育園を利用できる?
多くの認可保育園は、保護者の育休終了日まで無条件で継続して保育園を利用できます。
ただ、育休を延長する場合は、下の子の年齢によって利用できる期間が制限されていることもあります。育休を延長する場合の利用可能期間は、下の子が満1歳になった月の末日まで、満1歳になった年の年度末まで、満2歳になった月の末日までなど、保育園によってさまざまです。
また稀に、育休取得後は上の子を退園させなくてはいけない「育休退園」の決まりを設けている保育園もあります。
認可保育園の場合、お住まいの自治体が育休中の保育園利用について決まりを設けているので、事前にしっかり確認しておきましょう。
なお、認可外保育園の場合は、産休中と同じように育休中も継続利用できるところがほとんどになります。
産休・育休中に保育園を利用するための手続きは?
産休・育休中に上の子が保育園を継続利用するためには、書類提出による手続きが必要となります。
認可保育園の場合、自治体によって違いはありますが、一般的に以下のような書類を園に提出します。
● 下の子の母子健康手帳のコピーを添付した「家庭状況等変更届」
● 産休・育休期間が記載されている「勤務証明書」
出産予定日がわかったらできるだけすぐに提出を求められたり、勤務先の記入が必要だったりするため、事前に保育課や園に確認しておきましょう。
認可外保育園の場合も、基本的には書類提出による手続きが必要となるので、園に直接確認しておいてくださいね。
育休・産休中に保育園を利用するときのポイントや注意点は?
産休・育休中に保育園を継続利用するときは、以下のポイントや注意点を参考にしてください。
預けられる時間を確認しておく
認可保育園の場合、保護者がフルタイムで仕事をしていているときは「保育標準時間」扱いとなり、1日11時間の枠で保育園を利用できます(※2)。しかし、産休・育休中は「保育短時間」扱いとなるため、基本的に預けられる時間が3時間程度、短くなります。
自治体や園によって違いはありますが、だいたい9時から17時まで、または8時30分から16時30分までのところが多いようです。
認可外保育園の場合も、園によっては預けられる時間が短くなることもあるので、事前に確認しておきましょう。
送迎する人を決めておく
産後すぐのママの体では、保育園の送迎は難しいです。また出産前も、予定日が早まったり急に体調が変化したりして、送迎ができなくなることも。
誰が上の子を保育園に送迎をするのか、さまざまな状況を想定して決めておきましょう。パートナーや家族が担当できないときは、ファミリーサポートなどを利用するのも一つの方法ですよ。
出産当日や出産直後は慌ただしいので、上の子を保育園に預けずに休ませることもあるかもしれません。誰が保育園に休みの連絡をするのかなども決めておくといいですね。
上の子のケアも大切に
下の子が生まれると、上の子は赤ちゃん返りをしたり、一時的に情緒不安定精神的になったりすることもあります。なかには、「赤ちゃんは家にいるのにどうして保育園に行かなきゃいけないの?」と登園をしぶる子も。
登園を嫌がるときは無理に行かせないのも一つの方法です。「1日休ませて一緒に過ごしたら次の日から元気に登園した」という話もよくあるようですよ。
産休・育休中に上の子を保育園に預けることを基本としつつも、パートナーや家族と協力しながら、そのときそのときの上の子にあったケアをしてあげられるといいですね。
産休・育休中に上の子を休園させる場合は?
ここまで、産休・育休中に上の子が保育園を継続利用するケースについて説明してきましたが、「里帰り出産で上の子と帰省する」「産後しばらくは上の子を自宅保育したい」といった理由で、保育園をしばらく休ませるケースもありますよね。
保育園は産休・育休中に保育園を長期間休むと、休園扱いになることがほとんどです。
ただし、園によって休園できる期間が違い、最大2ヶ月まで、5ヶ月までなど幅があります。期間が設けられている場合は、休園期間を過ぎて休みが続くと退園になることもあるため注意しましょう。
休園中の保育料についても園によって異なります。認可保育園の場合は、幼児教育・保育の無償化の対象とならない0〜2歳児クラスの住民税課税世帯は、休園中に保育料がかかることもあれば、里帰り出産が理由であることを条件に免除・減額されることもあります。
認可外保育園の場合は、費用は日割りであったり、減額や免除がなかったりとさまざまです。
事前に園に連絡して、必要な書類や費用などを確認しておいてくださいね。
育休・産休に入る前に上の子の保育園について考えよう
上の子が保育園に通っていて下の子を妊娠したときは、産休中や育休中に継続利用できるかどうか、休園する場合はどうしたらいいのかなど、保育課や園に確認しておきましょう。
いざ産休・育休に入ったときに慌てずにすむように、早めに情報を集めて準備できるといいですね。
※1 新宿区『在園児のお母さんの妊娠・出産に伴う手続き』
※2 内閣府 『よくわかる「子ども・子育て支援新制度」』