子どもは、2歳頃からイヤイヤ期が始まり、自己主張が強くなります。思い通りにならないときに泣きわめいたり反抗したりすると、ママも手を焼いてしまいますよね。このように、子どもがわがままな行動をするときには、どうしたらいいのでしょうか。
今回は、子どものわがままについて、原因や対処法、上手な接し方をご紹介します。
子どものわがままとは?
「わがまま」とは、他人のことを考えず、自分の都合だけを考えて行動することをといいます。
「お腹が空いた」「ママがそばにいない」といったように、自分にとって気に入らないことがあると泣く…。一方で、興味があるものは、いくらだめだと言っても勝手に触ってしまう…。どれも子どもによくみられる行動ですよね。自分の欲求だけを訴えたり、人の言葉を受け入れずに行動したりすることは、わがままだといえます。
しかし、成長するにつれて、自分以外の人のことを考えるようになったり、集団生活に慣れたりして、「これをすると、まわりの人が困る」ということを学んでいきます。自分の欲求を抑えて我慢しなければいけない場面があることを理解していくのです。
子どものわがままは、いつから?
2歳頃までは、このようなことを理解できていないため、身勝手な行動をしても「わがまま」とはいわず、甘えや自己主張であると捉えます。いわゆるイヤイヤ期は、自分でやりたいのに上手にできないことが原因で泣いたりぐずったりもの。わがままとイヤイヤ期は別のものと考えられることが多いようです。
自分の考えや思いを言葉で表現できる3歳前後になっても、身勝手な行動をする場合は、わがままだといえます。ただし、言葉の発達や成長には個人差があるため、一概に何歳からがわがままで、何歳までがそうではない、というのは難しいものです。
子どもがわがままになる原因は?
公園で遊具を使う順番を守らない、おもちゃを独り占めする、欲しいお菓子を買ってもらえるまで泣きわめく…。子どもがまわりの迷惑を考えずに、自分の要求や主張を押し通そうとすると、ママも困ってしまいますよね。
しかし、こうしたわがままは、子どもにとっては何かを伝えようとする手段であることがほとんど。ここでは、子どもがわがままな行動をするときの原因をご紹介します。
自分を認めてもらいたい
ママやパパの関心を独り占めしたい、がんばっていることを認めて肯定してほしいときなどに、ごねたりグズグズしたりすることがあります。
親の関心をひきたい
子どもが成長するにつれ、親子のスキンシップは減ってしまいがち。ママやパパと触れ合う時間が少なくなって、寂しい思いをしていることもあります。
また、弟や妹ができた、入園した、先生が変わった、など環境の変化があったときも、心の避難場所を求めてわがままになることがあります。
親の都合で欲求が満たされない
家の用事のために公園遊びを切り上げた、親の都合で1日中連れまわしたなど、自分の欲求が満たされない状況が長く続くと、その場で好奇心を満たそうとして、普段より聞き分けが悪くなることも。
体が疲れている、眠い
お腹が空いた、疲れた、眠い、休み明けで生活リズムが狂ったときなどは、甘えたい気持ちが増して、グズグズとわがままを言ってしまうことがあります。
子どもがわがままなときの上手な接し方は?
子どもがわがままな言動や行動をしたときは、「またわがままを言って」と否定するのではなく、まずは子どもの主張をしっかりと受けとめましょう。「認めてほしい」「なぐさめてほしい」「抱きしめてほしい」など、わがままには子どもの心のメッセージが込められています。
では、実際に子どもがわがままで言うことを聞かないとき、ママやパパはどのように対応したらいいのでしょうか。
泣いたら抱きしめる
子どもの高ぶった感情を静めるため、優しく抱きしめましょう。子どもがわがままな行動をするのは、自分のことをすべて受け入れてくれる信頼できる相手に対してだけ。ぎゅっと抱きしめることで甘えを受けとめ、子どもの感情や存在を認めてあげてください。
事前に約束をしておく
日や気分によって親の対応が変わってしまうと、子どもは混乱します。たとえばスーパーに行ったとき、前回はお菓子を2個買ったのに、「今日は1個しか買わない」と言うと、2個買ってくれないことを理由に泣きわめくことも。
「スーパーに行ったときは、お菓子を1個だけ買う」といったように、子どもと一緒に約束を決めて紙に記しておきましょう。理解しやすいように具体的な約束を決めることがポイントです。
子どもがその約束から外れた欲求をしたときには、約束を書いた紙を見せてしっかりと説明すれば、少しずつ理解するようになりますよ。
子どもの感情に寄り添う
子どもがグズグズとわがままを言い出すと、ママやパパも嫌な気持ちになったりイライラしたりしますよね。しかし、子どもの負の感情に寄り添い、気持ちを受けとめるのも大切なことです。
十分に甘えさせることで、他人との信頼関係を築けるようになります。決して甘やかすのではなく、甘えさせて、気持ちを受け入れてあげましょう。
状況に応じて叱る
子どもの気持ちを受け入れて理解しようとしても、わがままを言い続けたり、何度も同じことでわがままな行動をしたりするときは、叱ることも大切です。
そのとき、わがままを言ったことがどうして悪いのか理由をわかりやすく説明することがポイント。感情的にならないように気をつけて、子どもに言い分があるときは聞いてあげましょう。
子どものわがままは気持ちを受けとめることが大切
子どもは、その時々で主張があり、どんな自分でも受けとめてほしいと思っています。子どもがわがままな行動をしたら、一方的に叱ったり問い詰めたりするのではなく、まずは気持ちを受けとめてあげましょう。
大切なのは、甘えさせることで、甘やかすことではありません。子どものメッセージに耳を傾けることで、親子の絆がさらに深まっていくといいですね。