子どもが鼻づまりを起こしていたり、鼻水を出していたりすると、眠れなくなってしまうこともあります。子どもがたびたび起きて苦しそうにしていると、ママやパパも不安になってしまいますよね。
今回は、子どもが鼻水や鼻づまりが止まらず、夜に眠れないときの対処法や使える薬についてご説明します。
子どもの鼻づまり・鼻水の原因は?
子どもの鼻づまりや鼻水の原因は、ウイルスや細菌感染などによる風邪、花粉やホコリ(ハウスダストなど)のアレルギー性鼻炎などが考えられます。
特に幼児期になると、保育園や幼稚園で流行っている風邪のウイルスがうつることも多く、子どもが鼻水を出すことも多くなります。
また、ママやパパの用事で外出する機会が増えたり、混雑する場所に遊びに行ったりするようになるので、赤ちゃんの頃よりも風邪を引きやすくなります。
子どもが鼻づまりや鼻水を出しているときは、どんな症状があるかしっかり見てあげましょう。
慢性的な鼻づまりであれば「アレルギー性鼻炎」であったり、風邪の後に黄色くどろどろしている鼻水が続いている場合は、「副鼻腔炎」になっていたりすることもあります。
鼻水が出ていなくて鼻づまりだけを起こしている場合は、鼻から喉につながる部分の組織が腫れる「扁桃腺・アデノイド肥大」が関係しているかもしれません。
子どもの鼻づまりや鼻水が長引いていたり、発熱など他の症状が見られたりする場合は、一度病院で診てもらうようにしてくださいね。
子どもが鼻づまり・鼻水で眠れないときの対処法は?
子どもに鼻づまりや鼻水の症状があると、呼吸がうまくできずに眠りが浅くなったり、喉の奥に垂れてきた鼻水で咳き込んでしまったりして、ぐっすり眠れないことがあります。
寝ている間は鼻水がかめず、喉の奥にどんどん溜まってしまうことから、夜中は咳も出やすくなります。
鼻づまりや鼻水の原因となっている風邪や鼻炎を治すことはもちろんですが、鼻づまりや鼻水のケアをして症状を和らげてあげると、子どももグッと楽になりますよ。
子どもが鼻づまりや鼻水を出して夜に眠れないときは、以下の対処法でケアをしてあげましょう。
鼻水を吸ってあげる
子どもが鼻水を出しているときは、鼻水吸引機を使ってこまめに鼻水を吸い取ってあげましょう。
小児科・耳鼻科でも鼻水吸引を行えるところが多いので、鼻水を上手に吸い取る自信がないときは病院でお願いしてもいいですね。
蒸しタオルで鼻を温める
子どもが鼻づまりをしているときは、蒸しタオルで鼻を温めるのも効果的です。
お湯に濡らして固く絞ったタオルを、子どもの鼻のつけ根に当てましょう。鼻腔が広がり鼻づまりが和らぎます。
やけどをしないように、タオルの温度には注意してくださいね。
上半身を高くして寝かせる・横向きに寝る
子どもが寝ているときに鼻づまりで苦しそうなときは、クッションや毛布を頭から背中のあたりに敷き、上体を少し起こしてあげましょう。
頭を高くすると、鼻が通りやすくなったり痰が切れやすくなったりするので、呼吸が楽になります。
鼻水が多く喉に垂れてしまうときは、なるべく子どもを横向きで寝かせてあげてください。
子どもの喉元に鼻水が落ちるのを防ぐことができ、喉を刺激したり、むせたりすることも減りますよ。
温かい飲み物を与える
子どもが鼻づまりをしているときは、白湯や温めた麦茶を飲ませてあげましょう。
温かいものを飲むときに湯気を鼻から吸い込むと、鼻が通りやすくなります。気管も広がり、呼吸が楽になりますよ。
部屋を加湿する
乾燥した空気が刺激となり、鼻づまりや鼻水を引き起こすことがあります。
子どもに鼻づまりや鼻水の症状があり、空気が乾燥しているときは、加湿器を使ったり濡れたタオルを部屋にかけたりして、湿度を上げるようにしましょう。
鼻水や鼻づまりだけでなく喉の乾燥も防ぐことができ、咳も治まりますよ。
子どもの鼻づまり・鼻水に効く薬はある?
鼻水が続く、鼻詰まりや鼻水に色がついているなどの症状がある場合は、病気かもしれません。早めに小児科を受診しましょう。
鼻水が透明で、子どもが元気な場合は、市販薬を使うこともできます。
たとえば、「ムヒのこども鼻炎シロップS」や「キッズバファリン鼻炎シロップS」は、子ども用の代表的なシロップ薬です。
どちらも生後3ヶ月頃から使えて、鼻づまりや鼻水を抑える効果が期待できます。
塗り薬タイプの「ヴイックスヴェポラッブ」は、喉や胸、背中に塗ると鼻づまりが解消され、呼吸が楽になる効果が期待できます。生後6ヶ月頃から使うことができますよ。
ただし、市販薬を使う場合は、説明書と注意書きをよく確認しましょう。対象年齢や用法用量、眠気が起こるものもあるので含まれる成分も忘れずにチェックしてください。
鼻づまり・鼻水で眠れないときは落ち着かせてあげよう
鼻づまりや鼻水が苦しく、たびたび目が覚めてしまうのは子どもにとって辛いことですよね。
子どもが鼻づまりや鼻水で眠れないときには、ご紹介した対処法を試したり、抱っこして背中をさすったりと、こまめにケアをして安心させてあげましょう。
また、鼻をかみすぎると鼻の下が荒れてしまい、ヒリヒリした痛みで眠れないこともあります。鼻をかんだらクリームやワセリンで保湿・保護してあげるといいですよ。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。