子どもの霰粒腫は手術が必要?意外な予防法って?

痛みもないのに子どものまぶたが腫れていると、受診したほうが良いのか悩みますよね。もしかすると「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」という病気かもしれません。

今回は霰粒腫について、原因や症状、治療法、予防法などをご紹介します。

霰粒腫とは?原因は?

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霰粒腫はものもらいの一種で、まぶたにある皮脂腺が詰まることで分泌物がたまり、炎症が起こることでしこりができます(※1)。

細菌による感染ではないため、人にはうつりません。地域によっては「めいぼ」「めぼ」などと呼ばれることもあります。

不規則な生活や疲労、ストレスなどによるホルモンバランスの変化などが皮脂腺を詰まらせる原因になると考えられています。

子どもの霰粒腫の症状は?

霰粒腫では、初期症状としてまぶたの腫れや軽い痛み、刺激感などが現れます(※2)。

数日で症状は消えて、まぶたに痛みのない腫れが残ります。最初の1週間でこの腫れは徐々に大きくなり、目を圧迫してかすむほどになることもあります。

炎症は起こっていますが、強い痛みや赤みがあることはほとんどありません。

子どもの霰粒腫で病院へ行くべき?診断方法は?

まぶたに触れるとコリコリした感触があれば、霰粒腫の可能性があるので眼科を受診しましょう。

痛みやかゆみがなさそうだからと放置しておくと、細菌感染を起こして手術が必要となる場合もあるので、早めに医師に診てもらうよう心がけてくださいね。

小さな子どもは、自分の体に起きている症状を言葉でうまく伝えられないことがあるので、子どもが目をしきりに気にしているようなときは、まぶたにしこりができていないかをチェックしてあげましょう。

子どもの霰粒腫の治療法は?

霰粒腫はしこりが小さければ2〜8週間かけて自然に吸収されることもありますが、どんどん大きくなることもあります(※2)。

大きい場合はしこり部分にステロイドの注射をしたり、しこりを数mm切開する手術で取り除いたりします。

手術となる場合は、じっとしていられない年齢の子どもであれば全身麻酔になることもあります。医師と相談のうえで、検討してくださいね。

子どもの霰粒腫の予防法は?自宅でのケア方法は?

霰粒腫を予防するには、目の周りを清潔に保つことが大切です。

お風呂では、シャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かるようにしましょう。まぶたが温まり、皮脂腺が詰まりにくくなります。

特に、体を動かして汗をたくさんかいた後は、目の周りを含めて顔をしっかりと洗ってくださいね。

それでも霰粒腫ができてしまった場合は、目の傷や汚れで細菌感染が起きないように、爪は短く切り、手はこまめに洗うようにしましょう。

また、前髪が目にかからないようにすることも、症状の悪化を予防します。前髪を短く切ったり、ヘアピンで留めておくと良いですよ。

子どもの霰粒腫に気づいたら早めに対処を

子どもの目の変化にすぐに気づけるように、普段から子どもの目を観察してあげてくださいね。目をしきりにこすろうとする仕草が見られるときはチェックして、霰粒腫が疑われるときは、できるだけ早めに医師に診てもらいましょう。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。

※1 日本眼科学会「霰粒腫」
※2 MSDマニュアル プロフェッショナル版「霰粒腫および麦粒腫(ものもらい)」

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