暖かくなって赤ちゃんと外出する機会が増えると、気になるのが赤ちゃんの日焼け対策。「そもそも赤ちゃんに日焼け止めは必要なの?」「塗り方や落とし方はどうすればいいの?」と、疑問に思っているママも多いのではないでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんの日焼け止めについて、いつから必要なのか、正しい塗り方や落とし方などをご紹介します。
赤ちゃんの日焼け止めは必要?
赤ちゃんを連れて外出するようになったら、直射日光に当たらないような対策を始め、日焼け止めを塗ってあげましょう。特に夏は紫外線への対策がスキンケアでは重要になります。
新生児期・乳幼児期の赤ちゃんのお肌は、大人が思っているよりもずっとデリケートです。赤ちゃんに直射日光が当たると、日差しが強い季節にはヤケドや水ぶくれになってしまうことがあります。
日本小児皮膚科学会によると、赤ちゃんの頃に紫外線を浴び過ぎると、紫外線のダメージが蓄積され、10年以上たってからシワやシミ、免疫力の低下、あるいは皮膚がんなどを引き起こす原因になるとされています(※1)。
月齢が低いほど赤ちゃんの肌は弱く、紫外線の影響を受けやすいため、早いうちから日焼け対策をすることが、将来の赤ちゃんの肌を守ることに繋がります。
赤ちゃんに日焼け止めを塗るのはいつから?
日焼け止めは、月齢が低いうちからも使えるものがあります。必ず「ベビー用」と書かれていることや、パッケージに書いてある使用月齢を確認してから購入しましょう。
また、SPFやPAもチェックしてください。SPFやPAは、日焼け止めの強さを示すものです。赤ちゃんが日常生活でつける場合は、SPF15~20、PA++、海などのレジャーであれば、SPF20~40、PA++~+++が目安です(※1)。
しかし、あまり早いうちからべったりと日焼け止めを塗るのは好ましくありません。生後3ヶ月頃までは、長時間の外出は控えるとともに、以下のような対処法で、紫外線から赤ちゃんの肌を守ってあげましょう。
日差しの弱い時間帯に短時間で外出する
午前10時まで、または午後3時以降など、日差しが弱い時間を狙って外出するようにしましょう。
日陰を選んで行動する・日除けを作る
ベビーカーや抱っこで移動するときは、なるべく日陰を選んで移動しましょう。ベビーカーにサンシェードやUVカットの薄い布などを装着して、日除けを作るのも効果的。チャイルドシートの横にもサンシェードをつけましょう。
帽子やおくるみでカバーする
風通しのよい長袖長ズボンを吐かせたり、帽子をかぶせてあげたりするのも効果的です。おくるみを日除けかわりに使うのもおすすめ。
赤ちゃんに日焼け止めを正しく塗る・落とす方法は?
日焼け止めクリームやローションを塗るときは、顔に塗る前に、まず体に塗って赤く反応しないかパッチテストをしましょう。
赤い反応がなく、塗っても問題がないようであれば、顔や肌に合った量を守り、正しく塗ってあげてください。
以下に、赤ちゃんに日焼け止めを塗る方法と落とす方法をご紹介します。商品の取扱説明書に書いてある内容をベースにしながら、参考にしてください。
赤ちゃんに日焼け止めを塗る方法
顔
クリームタイプはパールの大きさ、液状で広がるタイプは1円玉の大きさを手に取ります。額・鼻の頭、頬、顎に少しずつ分けて乗せ、最後に顔全体均等に広げていき、これをもう1回重ねます。耳・鼻・首は塗り忘れが多いので、注意してください。
腕・足など
腕に直接日焼け止めを塗布して、手首から肘の位置までくるくると回しながら塗っていきます。外側だけでなく、内側もしっかり塗りましょう。手の甲も忘れずに塗ってください。
ポイント
動き回って汗をかいたり、こすれたりすると日焼け止めが落ちてしまうので、2時間ごとに、一度汗をふき取り、塗り直してあげましょう。
赤ちゃんの日焼け止めを落とす方法
日焼け止めを塗ったときは、その日の夜にお風呂できちんと落としてあげてください。
塗った部分を石鹸で洗ってあげましょう。顔を洗うときは嫌がるかもしれませんが、水で流すよりもしっかりと落とすことができます。
日焼け止めによって落とし方も異なるので、念のため、使用上の注意を確認しておくと安心です。
赤ちゃんに日焼け止めを使うときの注意点は?
赤ちゃんの日焼け止めは、全ての赤ちゃんの肌に合うとは限りません。パッチテストで赤く反応した場合や、肌荒れしやすい体質だとわかっている場合は、市販の日焼け止めを試す前に、かかりつけの皮膚科で相談するのも一つの方法です。
また、日焼け止めを塗るときは、大人用の日焼け止めクリームを薄く塗れば良いというものではありません。ベビー用で、肌への刺激が少ないものを選んでくださいね。
日焼け止めの誤飲にも注意しましょう。蓋が簡単に外れてしまうものもあるので、手の届く範囲には置かず、使ったら必ず片付けるようにしてください。
赤ちゃんの日焼け止めで紫外線から肌を守ろう
子供の日焼けは「健康な証拠」といわれる時代もありましたが、紫外線は大人になってからシワやシミ、免疫力の低下などを引き起こすことがあるため、注意が必要です。元気いっぱいに動き回る子供が日焼けをするのは仕方のない部分もありますが、周囲の大人が気をつけてあげましょう。
日焼けをして肌が赤くなってしまったら、水でぬらしたタオルをあてて冷やしてください。日焼け対策もしっかりして、紫外線から赤ちゃんのきれいな肌を守ってあげてくださいね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。