妊活中はさまざまなことに気を使いますよね。体のために今すぐ始めておきたいことを実践しておくと、より良い結果につながりやすくなるかもしれません。
今回は、妊娠したいと思ったときにすぐ始めたいことをご紹介します。
妊活を始める前に知っておきたい体のことって?
妊娠したいと思うときはまず、今の自分の体がどんな状態なのかを知ることから始めましょう。
排卵日
妊娠したいと思ったら、まず基礎体温をつけましょう。基礎体温を毎日チェックすることで、排卵日をある程度予測できるようになります。
排卵日を知ることで、精子と卵子が受精する確率を高める「タイミング法」を実践することができますよ。
適切な体重
痩せ過ぎ、太り過ぎの人は妊娠率が低くなり、流産率も上昇することがわかっています(※1)。まずは妊娠しやすい適正な体重を目指しましょう。
妊娠しやすい「標準体重」とは、BMI数値が18.5以上25未満の範囲を指します(※2)。
以下の計算式でBMI値を調べることができるので、自分が適正値の範囲内かどうかを確認しましょう。
BMIの計算式
BMI=体重kg÷(身長m)×(身長m)
【例】身長158cm、妊娠前の体重55kgの人の場合
55÷(1.58×1.58)=22.0 → 標準
・BMI18.5未満(痩せ気味)
・BMI18.5~25未満(標準)
・BMI25以上(太り気味)
体の状態
妊娠したいと思ったら、妊娠を妨げる不調や病気がないかを婦人科で調べることも大切です。
なにも症状がでていないのに、子宮筋腫や無排卵月経など妊娠に影響を与えている疾患が隠れている場合もあります。
年齢を重ねると妊娠しにくくなるの?
日本では近年男女ともに晩婚化が進んでいますが、女性の体は30歳を過ぎると妊娠率が下がるといわれています(※3)。
35歳前後からは、妊娠率の低下だけでなく、流産率が増え、40歳を過ぎると急速に妊娠率が減少します。
ただし、妊娠率が下がるのは事実ですが、年を重ねてから無事に妊娠・出産を迎える人は多いので、過度に不安に思う必要はありません。
35歳以上で妊娠を希望する人は、早めに専門の医師に相談しておくと、より妊娠につながりやすくなりますよ。
妊娠したいときは食べ物にも気を使ったほうがいい?
妊娠を望むなら、毎日の食事もとても重要な要素です。食事は毎日3食、いろいろな食材をバランス良く、よく噛んで食べましょう。
ただし、「これを食べれば妊娠できる」という食材やメニューはありません。一般的に健康に良いとされているものを食べるようにしてくださいね。
特に「葉酸」は赤ちゃんのために妊娠前から摂っておきたい栄養素になります(※4)。
サプリメントからだけでなく、ブロッコリーや枝豆、ほうれん草など葉酸を多く含む食材を意識的に摂るようにするのがおすすめです。
妊活中に見直したい生活習慣は?
妊娠したいと思うのであれば、生活習慣を見直すことも大切です。生活リズムを整えることは、赤ちゃんが生まれてからの生活にも役立ちますよ。
タバコをやめる
男女ともに喫煙は、妊娠するまでの期間を延長するという報告があります(※5)。また、女性が喫煙をすることで閉経が早まるため、妊活できる期間が短くなります。
妊娠中の喫煙は赤ちゃんに悪影響を及ぼすので、早い段階から必ず禁煙をしてくださいね。禁煙したいけど難しいという場合は、専用の薬もあります。まずは医師に相談してみましょう。
お酒はほどほどにする
お酒と妊娠の影響ははっきりとはわかっていませんが、妊娠している可能性が少しでもある場合は赤ちゃんのために禁酒するようにしてくださいね。
妊活を始めようとしている人は、晩酌を習慣にしていると止めるときにストレスになるかもしれません。無理なく止めるためにも、お酒はほどほどにしておくと安心です。
規則正しい生活
規則正しい生活を送ることも、妊娠したい女性にとっては大切です。朝・昼・晩と1日3食バランスの良い食事をし、睡眠もしっかりとりましょう。冷え性や生理不順など、さまざまな不調の改善にもつながりますよ。
ストレスや不安の解消
妊活をしていると、なかなか妊娠できないことに対してストレスを感じることもあるかもしれません。ストレスは自律神経を乱し、ホルモンバランスを崩す要因になります。
「焦っている」「最近やる気が出ない」などと感じたなら、無理をし過ぎているのかもしれません。ゆっくりと休む時間を作って、心を落ち着かせてくださいね。
妊娠したいなら、適度な運動も大切なの?
妊娠するためには、適度な運動をすることも効果的です。
日本人の女性は運動が不足していると言われていて、毎日30~40分程度、または週に150分程度の穏やかな運動を習慣にすることで、妊娠率を高めることが期待できます(※1)。
妊活中におすすめの運動としては、家事や仕事の合間にできるストレッチやヨガなどです。
運動が苦手な人は、10〜30分近所を散歩するだけでも良いですよ。慣れてきたら大きく腕を振り、やや大股気味でテンポよく歩くウォーキングを意識してみましょう。
妊娠したいと思ったら、予防接種を受けたほうがいい?
予防接種を受けておくことで、妊娠中に病気にかかるリスクや赤ちゃんに影響を及ぼすリスクを減らせます。
性感染症の場合には、治療が必要になり、もちろんパートナーも検査と治療が必要です。
受けておくべき感染症の予防接種
● 風疹
● 水ぼうそう
● 麻しん
妊娠がわかってからでは、これらの予防接種を受けることはできません。
また予防接種を受けた後も胎児に影響があるおそれがあるため、接種後数ヶ月は妊娠できません(※6)。
妊娠したいと思ったら、早めに予防接種を受けておいてくださいね。
パートナーと協力して妊活しよう
すぐに妊娠したいのであれば、今からしておきたいことがたくさんあります。二人で支え合いながら、妊娠しやすい生活と体を作っていけるといいですね。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 メジカルビュー社『不妊症・不育症治療』pp.60-61,70-74
※2 厚生労働省「(2)「妊産婦のための食生活指針」の内容及び解説 」
※3 日本生殖医学会「生殖医療Q&A」
※4 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
※5 厚生労働省 e-ヘルスネット「女性の喫煙・受動喫煙の状況と、妊娠出産などへの影響」
※6 厚生労働省「風しんの予防接種で未来の赤ちゃんを守れます」