子どもが発熱!お風呂は入ってもいいの?判断基準や注意点は?

子どもが熱を出したとき、気になるのは「お風呂」のこと。熱があったらお風呂は控えたほうがいいかもと思いつつ、汗をたくさんかいて体が汚れているし…と悩んでしまいますよね。

そこで今回は、子どもが熱を出したときにお風呂に入れていいのか、お風呂に入れるならどうすればいいのかなど、気になる点をご紹介します。

子どもの発熱時はお風呂に入れる?入れない?

お風呂に入るという行為は思っている以上に体力を使います。発熱時は体力を消耗しているので、子どもに38度を超える高熱があったり、ぐったりしていたりする時の入浴は控えたほうが安心です。

ただしあまり熱がなく、食欲があり、子どもが元気な場合は、ママやパパが状態をみたうえで入浴をしてもいいとされています(※1)。

子どもの発熱時のお風呂はどう判断する?

子どもが発熱したときは以下のポイントを確認して、お風呂に入れるか入れないかを判断してください。

元気があるか

いつもと比べて子どもの活動量がどのくらい変化しているかをチェックしましょう。日中の様子を見て、37度台など少し熱があっても元気に動けていて食欲があるようであれば大丈夫です。

ただし、多少元気があっても顔色が悪く、ぐったりしているときは無理にお風呂に入れないほうがいいですよ。

高熱が出ているか

平熱が37度を超える子どももいるので、発熱の基準は約38度を超えたらとされています(※1)。37.5~38度の範囲であれば、普段の様子と比べてお風呂に入れるかを判断しましょう。

38度を超える高熱であれば、入浴後に悪寒がでたり、体力がなくなって体調が悪化したりするおそれがあるため、元気があるように見えてもお風呂は控えておくほうがいいでしょう。

解熱剤を使っていないか

一時的に子どもの熱が下がっていても解熱剤を使っていた場合は、解熱剤の効果が切れると熱が急に高くなることもあります。

一般的に子どもに使われる解熱剤の効果は4〜6時間前後といわれているため、解熱剤を使ってから6時間以内はお風呂に入らないようにしましょう。

湿疹や外傷がないか

微熱に加えて体に湿疹やおでき、外傷などがある場合は、強くこすらないように気をつけながら、石鹸やボディソープで泡を立ててさっとシャワーだけにして、湯船には浸からないのがおすすめです。

下痢や嘔吐をしていないか

熱以外に下痢や嘔吐などの症状が出ている場合は、お風呂に入れないほうがいいでしょう。下痢や嘔吐により体から水分が減っているうえにお風呂に入ると、さらに脱水状態になってしまう可能性があります。

子どもが熱を出したときのお風呂の入れ方は?

発熱は、体内に侵入したウイルスなどと免疫機能が戦っている証拠です。元気そうに見えても、いつもより体力が低下しているので、お風呂に入れる際には以下の点を心がけてください。

脱衣所の室温を上げる

発熱時のお風呂では、いつも以上に湯冷めに気をつける必要があります。

お風呂に入るときに素肌が外気に触れると、肌の表面から体熱が奪われます。特にお風呂あがりは、体についた水分が気化して体熱を奪うため湯冷めしやすい状態です。

気温が低いときは、お風呂に入る少し前から脱衣所をストーブやファンヒーターなどで暖めておきましょう。

ぬるめのお風呂かシャワーで

熱すぎるお風呂に入ると、体温も一緒に上がってしまいます。熱で体がほてっているときに熱いお風呂に入るのは子どもにとってもつらいので、普段よりぬるめのお風呂に入れてあげましょう。

お風呂に入れるのが心配であれば、シャワーで汗を流すだけにしてください。

できるだけ短時間で済ませる

長時間入浴すると体力が奪われてしまうので、できるだけ短時間で済ませ、少しぬるめの温度にしましょう。

髪は念入りに乾かす

お風呂からあがったら、タオルでしっかり髪の水分を取った後、ドライヤーで念入りに乾かしてあげましょう。

すぐに寝かせない

お風呂あがりの体がぽかぽかした状態ですぐに寝ると、布団の中で汗をたくさんかいてしまい、かえって体が冷えて熱が上がることも。

お風呂あがりには水分補給をさせて、暖かいところで少し体のほてりをとってから寝かしつけてあげてください。

子どもが熱が出たとき、お風呂以外で体を清潔にするには?

ぐったりしているときや38度以上の熱があってお風呂に入れないときは、濡れたタオルを温めて体を軽く拭いてあげましょう。

体を拭き終わったら新しいパジャマに着替えさせてあげれば大丈夫です。

熱が続いてずっとお風呂に入れないと、汗の臭いやべたつきが気になりますが、パジャマや寝具をこまめに替えるだけで、少しさっぱりできますよ。

子どもの熱の原因が感染症でもお風呂に入れて大丈夫?

感染症にかかって子どもが熱を出したとき、38度以下の発熱で元気な様子であれば、基本的にはお風呂に入っても大丈夫です。

ただしノロウイルスにかかったときなど、嘔吐しているときは、症状が悪化する可能性があるため入浴は避けましょう。

どうしてもお風呂に入れたいときにはシャワーを利用することも一つの手ですが、お風呂に浸かるより湯冷めしやすいので気をつけてください。

診察時の医師からお風呂を控えるようにいわれたら、数日は無理せず体を拭くなどで対処しましょう。

また、子どもがかかりやすいとびひや手足口病などの感染症は、お風呂で家族にうつる可能性もあります。

家庭内での感染を防ぐためには、以下の対策を行いましょう。

● お湯を入れ替える
● 他の家族はシャワーだけで済ませる
● お風呂に最後に入れる

子どもの発熱時のお風呂は、様子を見て判断を

発熱時に子どもをお風呂に入れるか入れないかは、様子を見ながら考えるしかありません。少しでも迷うようであれば、お風呂は控え、熱が下がるまで安静にしておくのが一番です。子どもが元気になることを第一に考えて対応してあげてくださいね。

監修医師:小児科 武井 智昭

日本小児科学会専門医 武井 智昭先生
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。


【参考文献】
※1 MSDマニュアル プロフェッショナル版「乳児および小児の発熱」

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