母乳はちゃんと出ているのに、赤ちゃんがおっぱいを飲まない、飲み始めてもすぐにやめてしまって授乳時間が短い…こうしたことが続くと心配になってしまいますよね。
そこで今回は新生児が母乳を飲まない原因とその対処法をまとめました。
新生児が母乳を飲まない!授乳時間が短い原因は?
新生児が母乳を飲んでくれないのは、おっぱい自体を嫌がっているわけではなく、抱っこの体勢や乳首の角度、授乳のタイミングなどで疲れてしまうことが主な原因です。
赤ちゃんが口の周りの筋肉を上手に使えるようになるまでは時間がかかりますが、特に新生児期はおっぱいを飲む動作に慣れておらず、まだ体力もありません。
うまく飲めないと疲れてしまい、途中で飲むのを止めてしまうのです。
また新生児の場合は1回に飲める量が少ないので、もしかすると十分な量を飲めているのかもしれません。
一般的に母乳だけの場合、赤ちゃんが1回に飲む量は20mL程度から少しずつ増え、授乳間隔は数分程度から数時間おきまで伸びていきます(※1)。
成長具合が、母子手帳にある発育曲線にだいたい沿っていれば問題ありませんよ。
新生児が母乳を飲まないときの対策は?
新生児がおっぱいを飲んでくれないときは以下のような対策を行ってみてくださいね。
授乳の姿勢を見直す
授乳の姿勢や乳首の角度が原因で赤ちゃんが母乳をうまく飲めていない場合は、姿勢を見直すことで飲んでくれるようになるかもしれません。
以下のコツを参考に、姿勢を見直してみてくださいね。
● 乳頭に対して赤ちゃんの顔がまっすぐになるように高さを調節する
● 赤ちゃんの体がよじれた状態にしない
● ママの体が前かがみや左右に傾かないようにする
1日の授乳回数が7回未満にならないようにする
母乳は赤ちゃんが乳首を吸う刺激がきっかけとなって作られるので、赤ちゃんが飲んでくれないと分泌も減ってしまいます。
母乳の分泌が少ない場合は、1日の授乳回数が最低でも7回未満にならないようにしてみてくださいね。
乳頭マッサージをする
ママの乳首が陥没乳頭や扁平乳頭、短小乳頭、巨大乳頭といった場合、赤ちゃんは乳頭をくわえるのに時間がかかる可能性があります。
痛みなどがなければ乳頭マッサージなどを行ってやわらかくし、赤ちゃんが吸いやすいようにしてあげてくださいね。
母乳を飲まない赤ちゃんにはミルクを足すべき?
どう対応しても母乳が出ないときや3時間以上何も飲んでくれないときなどは、赤ちゃんの栄養を考えてミルクも足してあげましょう。
育児用の粉ミルクは、母乳とほぼ変わらない栄養素を含んでいます。
母乳育児をしながら、足りない分をミルクで補う「混合栄養」を取り入れている人も多くいます。
混合栄養には、その日のママの体調や赤ちゃんの様子に合わせて授乳方法が選べる、パパも授乳できるといったメリットもありますよ。
100%母乳育児をしたい!と考えすぎるとストレスが溜まってしまい、母乳の出が悪くなる原因にもなるので、臨機応変に対応しましょう。
赤ちゃんが母乳を飲まないときも一人で悩まないで
最初から母乳育児が順調にいく人はなかなかいません。母乳育児について不安や疑問があるときは、まず一人で悩まずに助産師さんや母乳外来で気軽に相談してみてくださいね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
【参考文献】
※1 厚生労働省「授乳のギモン解消ガイド」