生まれたばかりの赤ちゃんをみていると、「いつから生活リズムができるのかな」と思うこともあるかもしれません。生活リズムは成長するにしたがって自然と整っていくものですが、整えられるコツがあれば試してみたいですよね。
今回は、赤ちゃんの生活リズムについて、新生児期から1歳になるまでのポイントをご紹介します。
赤ちゃんの生活リズムはいつから整えたらいいの?新生児期は?
人は、朝起きて太陽の光を浴び、夜暗くなったら寝る生活をすることで、生活リズムの基礎ができあがっていきます。
赤ちゃんの頃から早寝早起きのリズムを作っておくことは、健康のために大切なことです。
ただし、新生児にはまだ昼夜の区別がないため、この時期は「生活リズムを整えなくては」と焦る必要はありません。
新生児期の赤ちゃんは、1〜2時間ほど起きては1〜4時間ほどの睡眠を繰り返し、1日の睡眠時間は16~20時間ほどになります(※1)。起きるたびに、授乳やおむつ替えをするのが一般的です。
目安として生後3ヶ月頃から、早寝早起きの習慣をはじめ、生活リズムにメリハリをつけて、少しずつ赤ちゃんの生活リズムを整える意識をしていきましょう。
赤ちゃんの生活リズムは?
ここからは、1歳までの赤ちゃんの生活リズムについて、変化や整え方を見ていきましょう。
生後1・2ヶ月の赤ちゃんの生活リズム
睡眠
まだ昼夜の区別はつかず、基本的には1日のほとんどを寝て過ごしています。生後2ヶ月頃になると、少しずつ昼間に起きている時間が長くなり、夜寝る時間も長くなってきますが、まだリズムは整いません。
授乳
起きているときは、ほぼ母乳・ミルクを飲んでいます。
生活リズムの整え方
生後1・2ヶ月頃は、赤ちゃんのペースにあわせましょう。しかし、ママやパパが昼夜の違いを示してあげることは大切です。
朝起きたらカーテンを開けて朝日を取り入れ、夜寝る頃には部屋を暗くして静かな環境にすることで、赤ちゃんは昼夜を認識し、生活リズムの基礎が作られていきます。
生後3・4ヶ月の赤ちゃんの生活リズム
睡眠
3〜4時間まとまって眠るようになり、1日の睡眠時間は14〜15時間です(※1)。長い赤ちゃんでは5~6時間まとめて眠ることもあり、昼寝の時間や夜寝る時間が少しずつ決まってきます。
授乳
睡眠と同時に、授乳の間隔やタイミングも整ってきます。
生活リズムの整え方
生後3・4ヶ月頃になったら、少しずつ生活にメリハリをつけ、規則正しいリズムを心がけていきましょう。
天気のいい日は昼間に外に連れ出して好奇心を刺激すると、夜の寝つきがよくなります。また、夜寝る前の決まった時刻にお風呂に入れると、すんなり寝てくれるようになることもありますよ。
生後5・6ヶ月の赤ちゃんの生活リズム
睡眠
日中は起き、夜は寝る、という生活リズムが身についてくる頃です。6〜8時間続けて寝るようになり、1日の睡眠時間は13〜14時間です(※1)。昼寝は、だいたい午前と午後の1回ずつで、時間帯が決まってきます。
授乳&離乳食
個人差はありますが離乳食を開始する時期です。
ある程度決まった時間に食べさせることになりますがメインはまだ母乳・ミルクなので、授乳のリズムを優先させます。
生活リズムの整え方
就寝時刻や睡眠時間に関係なく、毎朝ほぼ同じ時間に起こしましょう。
生後6ヶ月頃からは昼寝は2〜4時間を1〜2回くらいとして、夕方になる前に起こすようにすると夜の寝かしつけがスムーズになります。
生後7・8ヶ月の赤ちゃんの生活リズム
睡眠
生後7・8ヶ月頃から少しずつ夜にまとまって寝るようになってきます。一方で、夜泣きが始まり睡眠リズムが崩れる赤ちゃんもいます。
夜泣きには個人差があり、生後5ヶ月頃から始まったり1歳を過ぎてから急に始まったりすることもあります。
授乳&離乳食
離乳食が順調に進んでいれば2回食になる時期ですが、個人差があります。ハイハイができるようになると運動量が増えてくるので、よく食べるようになってきますよ。
生活リズムの整え方
夜泣きで夜中に起こされるのでママやパパも睡眠リズムが乱れるかもしれませんが、朝はできるだけ決まった時間に起きて、赤ちゃんも起こすようにしましょう。
夕方の昼寝を控えると、夜ぐっすり寝てくれることもありますよ。
乳歯が生えてくる時期なので、歯のお手入れが日課に加わってきます。夜寝る前にガーゼや綿棒で歯を拭くことを習慣化すると、生活リズムを整えやすくなることもありますよ。
生後9・10ヶ月の赤ちゃんの生活リズム
睡眠
多くの赤ちゃんが夜にまとまって寝られるようになりますが、まだ夜中に数回起きてしまうことも多いです。
生後7・8ヶ月と同じように、夜泣きが始まったり続いたりする時期でもあります。
授乳&離乳食
個人差はありますが、離乳食が1日3回になり食べられる食材が増えて、さまざまな味を覚えていく頃です。
授乳回数は以前よりも減りますが、離乳食の後やお散歩から帰ってきた後など、決まったタイミングに欲しがることもあります。
生活リズムの整え方
生後9ヶ月を過ぎたら、夜寝る時間をしっかり決めるようにしましょう。
20時までに寝かしつけるのが理想です。つかまり立ちやつたい歩きを始めるので、日中に体を動かす遊びをたくさんさせると、夜ぐっすり寝れますよ。
離乳食を朝・昼・晩の、ほぼ決まった時間に与えることで、生活リズムを整えやすくなります。
生後11・12ヶ月の赤ちゃんの生活リズム
睡眠
引き続き昼寝をしたり、夜中に起きたりはするものの、昼夜の区別がはっきりしてきます。 歩けるようになると自然と活動量が増えて寝つきもよくなりやすいです。
授乳&離乳食
卒乳・断乳をして離乳食のみになっている場合や、1回の食事であまり量を食べられない場合は、「補食」としておやつをあげてもいいでしょう。
補食の回数は離乳食の量によって変わってきますが、多くても午前と午後の2回までにして、赤ちゃん用せんべいやボーロ、果物などを少し与えるようにしましょう。与えすぎると食事のリズムが崩れてしまうこともあるため、注意してくださいね。
生活リズムの整え方
生活リズムがある程度整ってくる時期です。昼寝は1.5〜3.5時間を1回とるくらいまで少なくなっています。
ママやパパも睡眠を確保できるようになり、休日前などはつい夜更かししたくなるかもしれませんが、大人の生活リズムが崩れると赤ちゃんも崩れてしまいがちなので注意しましょう。
赤ちゃんの生活リズムを整えて健康的に過ごそう
赤ちゃんの生活リズムが整うようになると、ママやパパも自分の時間を少し持てたり、規則正しい生活を送れたりするので、育児がぐっと楽になるはずです。赤ちゃんの様子を見ながら生後2〜3ヶ月頃を目安に、少しずつ生活リズムを整えることを心がけていきましょう。
ママやパパも早寝早起きを心がけて、赤ちゃんと一緒に健康的な毎日を送れるといいですね。
監修医師:小児科 武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。