妊娠初期はさまざまな体の変化が起こりますが、その一つが喉の痛みです。喉に違和感があると、原因や対処法が気になりますよね。
そこで今回は、妊娠初期の喉の症状や痛みの原因、対処法や注意点などについてご説明します。
妊娠初期の喉の痛みの原因は?妊婦さんの体験談も!
鼻水や発熱、咳もある場合は風邪などの病気による可能性が高いですが、「妊娠初期症状」として喉の痛みが起こることもあります。
妊娠初期の喉の痛みは、ホルモンバランスの変化による影響が原因です。
妊娠アプリ「ninaru」のユーザーへのアンケートでは、次のような声がありました(※)。
妊娠5週目くらいに眠気からはじまり、吐き気や食欲不振、喉の違和感を感じるようになりました。
妊娠7週目から、のどの痛みや、耳の聞こえにくさ等が日替わりで起こりました。
妊娠初期は喉に何か詰まった感じがして息がしづらく、眠れない日が続きました…。
妊娠することで喉の粘膜が敏感になり、喉の痛みやゴロゴロとした違和感、詰まった感覚を感じやすくなる人もいるようです。
ストレスが原因で喉が詰まったり、引っかかったりする感じが起こって違和感を覚えることも少なくありません。
妊娠初期に喉の痛みが起こったらどうする?
妊娠初期に喉の痛みや違和感が起こったときはつらいですよね。
根本的な改善は難しいですが、以下の対処法を試してみましょう。
喉の痛みが和らぐ食べ物を摂る
喉の痛みを和らげるには、「はちみつ」がおすすめです。
はちみつは喉の痛みや鼻詰まりなどの風邪症状に対して、市販薬や抗生物質よりも効果があったという研究結果もあります。
おすすめのはちみつの摂り入れ方
はちみつはそのままでも食べられますが、喉の痛み以外の症状に合わせて摂り入れ方を変えてみるのがおすすめです。
- 便秘がある:無糖ヨーグルトにはちみつを小さじ1入れる
- よく眠れない:電子レンジで牛乳を温め、はちみつを小さじ1入れる
- 疲れがとれない:無農薬でワックスがついていないレモンをはちみつ漬けする
- 風邪症状がある:スライスした大根をはちみつ漬けして、お湯で割る
つわり症状がある人は、殺菌作用や体を温める効果のある「生姜」をすりおろして加えて飲むのもいいですね。
こまめに水分補給をする
喉が乾燥していると、違和感の原因となってしまいます。こまめに水分補給をして喉を潤すようにしましょう。
つわりの症状がある場合は、炭酸飲料や柑橘類のジュース、ノンカフェインのお茶などが飲みやすいという妊婦さんが多いです。
人によって飲みやすいものは異なるので、これなら飲めるという飲み物を見つけてくださいね。医師から特に指示されていなければ、多少糖分が入ったものでも構いません。
もしつわりの症状がつらくて水分も飲めないという場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。
部屋の乾燥対策をする
部屋が乾燥していると喉を痛めやすくなるので、加湿器などを使って湿度を保ちましょう。
洗濯物や濡れたタオルを部屋に干すのも効果的です。
湿度50%くらいを保てるようにしておくと、乾燥による喉の痛みが起こりにくいですよ。
妊娠初期に喉の痛みがあるときの注意点は?
妊娠初期に喉の痛みがある場合は、以下のことに注意してくださいね。
自己判断で薬を飲まない
妊娠中に自己判断で薬やサプリメントを服用すると、赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまう可能性があります(※1)。
特に妊娠初期はお腹の中では赤ちゃんの神経や臓器が作られている時期なので、慎重になる必要があります。
喉が痛いと風邪薬などを頼りたくなるかもしれませんが、医師に相談してからにしましょう。
ポピドンヨードの含まれたうがい薬に気をつける
咳や喉の痛みが出たときは、一般的に「イソジン」が使われることが多いですが、イソジンに含まれる「ポピドンヨード」という成分を妊娠中に過剰に摂取すると、赤ちゃんに悪影響を与えるリスクがあります(※2)。
数回使うくらいでは赤ちゃんに影響することはありませんが、使う場合は用法・用量をしっかりと守り、漫然と使わないようにしましょう。
医薬品ののど飴は避ける
コンビニやスーパーで売っているのど飴であれば、妊娠中に舐めてても問題ありませんが、「医薬品」に分類されるのど飴には注意が必要です。
ドラッグストアで販売されている医薬品の「ルルメディカルドロップ」「南天のど飴」などは、妊娠中に自己判断で使用するのは控えてください(※3,4)。
服用する場合は、一度医師や薬剤師に相談してからにしましょう。
妊娠初期に喉の痛みや風邪で受診する目安は?
基本的に、妊娠初期の軽い喉の痛みや風邪の症状がお腹の赤ちゃんに影響することはないので、安心してくださいね。
体調を最優先にして、しっかりと休息をとって様子を見ましょう。
ただし、激しい喉の痛みや咳、高熱が続く場合は、感染症の可能性があるので早めに受診をしてください。
産婦人科以外を受診するときは、必ず妊娠していることを伝えましょう。
産婦人科を受診するときでも、熱があるときはそのまま受診していいか電話で連絡を入れておくと安心です。
もしなにか不安なことがあれば、遠慮せずにかかりつけの産婦人科医に相談してくださいね。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』pp.2-4
※2 日本小児内分泌学会「先天性甲状腺機能低下症」
※3 第一三共ヘルスケア「ルルメディカルドロップG(グレープ味)添付文書」
※4 常盤薬品工業株式会社「南天のど飴O(せき止め薬 添付文書)」