生理が遅れていて熱っぽさやだるさを感じると、「もしかして妊娠したかも?」と気になりますよね。本当に妊娠の兆候なのか、風邪症状なのか、ドキドキしている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、妊娠初期に熱っぽさやだるさを感じる理由や風邪症状との違いについてご説明します。
妊娠初期に熱っぽさやだるさを感じるのはどうして?
妊娠初期に熱っぽさやだるさを感じるのは、基礎体温が高い状態が続くためです。
女性の身体は生理開始から排卵日までの「低温期」と、排卵後から次の生理開始までの「高温期」を繰り返しています。
妊娠すると「プロゲステロン」というホルモンの影響で、低温期に移行しないため高温期のような状態が続き、熱っぽさやだるさを感じやすくなります(※1)。
ただし、妊娠した場合でも高温期に1〜2日程度、基礎体温が下がる「インプラテーションディップ」が起こることもあります。
インプランテーションディップは必ず起こるものではありませんが、人によっては一時的に熱っぽさやだるさが解消され、その後にぶり返したと感じることもあるようです。
妊娠しても熱っぽさやだるさを感じないこともある?
高温期が続くとはいえ、他の妊娠初期症状と同じように症状の感じ方には個人差があり、必ずしも熱っぽさやだるさを感じるわけではありません。
一般的に、低温期と高温期の体温の差は約0.3〜0.6℃です(※1)。人間は1日の中で1℃程度の体温変動があり、低温期と高温期の体温差はそれよりも小さいため、気づかない人もいます(※2)。
熱っぽさやだるさなどを感じなくても妊娠している可能性がある場合は、安静に過ごすようにしてくださいね。
妊娠初期の熱っぽさ・だるさと風邪の見分け方は?
妊娠初期症状の熱っぽさやだるさは風邪の初期症状とよく似ていますが、以下のような症状の違いがみられることがあります。
風邪
- 38度以上の高熱が出ている
- 熱が上がり続けている
- 咳・喉の痛み・鼻水といった症状がある
妊娠初期症状
- 着床出血がある
- 腰痛が起こる
- おりものの量が増える
- 気分が落ち込む、イライラする
- 眠い
- においに敏感になる
妊娠初期症状には個人差があり、起こらない人もいます。
妊娠初期症状が全くなくて風邪かな?と思っても、生理開始予定日から1週間を過ぎても生理が来ない場合は、妊娠検査薬を使用しましょう。陽性だった場合は早めに産婦人科を受診してくださいね。
身体がつらい場合は薬を飲んでいい?対処法は?
熱っぽさや体のだるさで仕事や家事がつらい場合も、妊娠に心当たりがある際は薬を飲むのは避けましょう。身体がつらいと感じるときは、早めに受診してくださいね。
妊娠初期は周囲に報告をしていない人も多く、つい無理をしてしまいがちです。
直属の上司だけには早めに妊娠を報告したり、パートナーや家族と協力したりしながら、十分に睡眠をとり身体を休められるといいですね。
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 株式会社メディックメディア『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 第4版』p.20,24-25,33-34
※2 厚生労働省 「生理」