妊娠初期症状と風邪の違いは?見分け方は?赤ちゃんに影響はある?

妊活をしていると生理前後の体調変化に敏感になり、「これって妊娠初期症状かな?」と気になりますよね。なかでも、風邪のような症状は妊娠兆候の一つと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、妊娠初期症状と風邪の違いや、赤ちゃんへの影響などについてご説明します。

妊娠初期症状と風邪は似てるの?見分けるには?

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妊娠すると、ホルモンバランスの変化によって「妊娠初期症状」というさまざまな症状が起きます。なかには以下のような風邪に似た症状が出ることがあります。

● 微熱、体のほてり
● 体のだるさ
● 頭痛
● 吐き気 など

生理予定日になっても高温期が続くため、微熱や体のほてり、だるさなどの症状を風邪の初期症状と勘違いしてしまうこともあります。

ただし高温期といっても高熱が出るわけではないので、38度を超える熱が出たり、咳や鼻水の症状もある場合は風邪などの可能性が高いでしょう。

日頃から基礎体温を計測しておくと体温の変化がわかりやすくなって、妊娠初期症状と風邪を見分けやすくなりますよ。

生理が普段より1週間以上遅れている人は、妊娠検査薬を使って確認してみてくださいね。

風邪のような症状以外の妊娠初期症状って?

風邪のような症状以外にも、妊娠初期症状としては主に以下があげられます。

主な妊娠初期症状

● 微量の出血
● つわり
● 眠気
● おりものの状態の変化
● 腹痛、下腹部痛
● 胃痛
● 腰痛
● 胸の張りや痛み
● 乳頭の痛みや黒ずみ
● 頻尿
● 便秘、下痢
● 味覚、嗅覚の変化
● ニキビや吹き出物などの肌荒れ
● イライラ

妊娠初期症状の有無や程度、開始時期には個人差があり、まったくない人や、気づかなかった人もいます。

妊娠検査薬が反応する時期までは、他に当てはまる症状がないか確認してみてもいいですね。

妊娠初期症状かもと思ったらどうする?

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風邪のような症状や、その他の妊娠初期症状を感じたら、妊娠が成立している可能性があります。以下のことを意識して行動するようにしてくださいね。

生活習慣を見直す

妊娠していたときを見据えて、これまでの生活習慣を見直しましょう。

栄養バランスの良い食事を摂ること、十分な睡眠を取ることはもちろん、アルコールやタバコをやめる、カフェインの摂取を控えるなど、今からできることを始めておいてください。

受動喫煙も赤ちゃんに悪影響を与えるので、パートナーや同居する家族の協力を得られるよう話しておきましょう(※1)。

自己判断で薬を飲まない

妊娠してから自己判断で薬を服用すると、赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼすリスクがあります(※2)。

薬を飲みたいときは、まず病院に相談するようにしてください。産婦人科以外を受診するときも、妊娠の可能性があることを伝えるようにしましょう。

葉酸を積極的に摂る

妊婦さんが葉酸を摂取することで、胎児の「神経管閉鎖障害」という先天異常の発症リスクを減らせることが報告されています(※3)。

ブロッコリーや枝豆、ほうれん草など、葉酸を多く含む食材を意識的に食事に取り入れてみましょう。

葉酸はサプリメントでも摂ることが推奨されているので、品質の良いものを選んで飲み続けるといいですね(※3)。

妊娠初期に風邪を引くと赤ちゃんに影響する?

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基本的に、風邪を引いただけで赤ちゃんに何か影響があることはありません。症状が軽ければ、水分補給を十分行い、安静にして様子を見ましょう。

ただし、胎盤を通じて赤ちゃんに感染する病気で、風邪に似たような症状が起こるものもあります(※4)。そのような病気を避けるために、以下のような対策をとると安心です。

● 人が多いところに行くときはマスクをする
● うがい・手洗いを徹底する
● 性行為をするときは避妊具をつける
● ガーデニングなどの土いじりは控える
● 猫との接触は控える・猫のトイレ掃除は家族に任せる
● 肉類を食べるときは火がしっかりと通っているか確認する

高熱が数日間続く場合や、風邪以外の病気かもしれないと思った場合は、早めに病院を受診するようにしてくださいね。

監修医師:産婦人科医 藤東 淳也

産婦人科医 藤東淳也先生
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。

※1 日本産婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020」p.102-104
※2 南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』p.2-4
※3 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
※4 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』p.220-221

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