出産後、母乳のことで悩むママは多いですよね。私自身、長男を出産してすぐに母乳育児の壁にぶち当たりました。
当時の記憶はちょっとずつ薄れてしまっていますが、産後つけていた授乳の記録や日記を見ながら、振り返ってみたいと思います。
母乳を飲ませるってこんなに大変なの?
出産した病院では、出産当日は助産師さんがミルクを与えてくれて、授乳指導は翌日からでした。母子同室(ママが希望したときのみ)も9:30〜21:00の間で、夜間は新生児室でみてくれていたので、入院中はゆったり過ごしていました。
初の授乳では全く出ず
初めて母乳を飲ませたのは、出産翌日の午後。
助産師さんに言われるがままに息子を抱っこして、胸の近くにもってきて飲ませてみる。でも、母乳が出ている感覚も飲まれている感覚も全くない…。
「まぁ初日はこんなもんだろう」と、そのときは甘く考えていました。助産師さんも「初めてだからね、これから慣れていくよ」と言ってくれました。
2〜3日目も出ない
生後2〜3日目も母乳はほとんど出ず、授乳のたびにミルクを40mlほど与えていました。息子におっぱいをくわえさせるタイミングが難しくて、飲ませるまでに至らなかったのです。
母乳を与えることがこんなに大変だとは全く想像していなくて、早くも育児の大変さを痛感しました。
乳頭保護器を使ってようやく飲めるように
生後4日目でようやく母乳が出てきて、胸も張るようになってきました。でも、相変わらず上手に吸わせられないので、乳頭保護器を使うことに。
保護器を使うとくわえやすくなるため、しっかり吸ってくれて、ようやく母乳が出ている・飲まれていると実感。
同時に、搾乳もすすめられました。息子が吸いきれない分は搾乳して、哺乳瓶で飲ませるためです。
授乳に対する不安を抱えたまま退院
退院時に、私が助産師さんから指導されたことは…
● 3〜4時間おきに授乳する
● 乳頭保護器はできるだけ使わず直接吸わせる
● 母乳を与えた後にミルクを飲ませる(毎日10mlずつ増やす)
● 1日3〜4回は搾乳をする
1週間半後に母乳外来を予約したので、それまでは上記の方法で様子をみることに。
家に戻ってきて、さっそく言われた通りのやり方で授乳を実践。でも、乳頭保護器を使わず直接吸わせようとすると、息子は上手にくわえられず泣いてしまう。ミルクはゴクゴク飲むので、このまま母乳を飲まないのではないかと不安に。
搾乳してもそれほど量が出るわけでもなく、「こんなんでいいのだろうか」と思いながら毎日が過ぎていきました。
ようやく予約していた母乳外来の日がやってきて、助産師さんに胸の状態と息子が飲むところをみてもらいました。母乳の出は以前よりよくなっているから、これからは泣いても乳頭保護器を使わず直接吸わせるように、と指導されました。
24時間、母乳のことを考える日々
乳頭保護器を使うのを、きっぱりやめました。息子は少しずつ慣れてきましたが、どうしても左のおっぱいがうまく飲めないので、泣いて大きな口を開けているタイミングで無理矢理くわえさせていました。
そのうち、だんだん上手に飲めるようになってきて、飲む量も増えていったのです。
それまでは母乳を飲ませた後に必ずミルクを与えていましたが、徐々に母乳だけでも満足する回数が多くなりました。
母乳の出がよくなると言われているハーブティーを飲んでみたり、授乳時の抱っこの仕方をいろいろ変えてみたり、とにかく朝から晩まで母乳のことを考えていました。
つらい痛みとの戦い!
妊娠中も出産直後も授乳について特別な方針や目標は全くなかった私ですが、生後1ヶ月を迎える頃には完全母乳を目指すようになっていました。
その時期、胸の痛みを感じることがありました。特に左の胸がチクチクして、ひどいときには背中までヒリヒリと痛むように。
でも、母乳をあげないと、また出なくなってしまうから、我慢しながら飲ませていました。
いまでこそ、母乳育児に乳腺炎や詰まりは付きものだとわかっていますが、当時は知識がなく、「なんでこんなに痛い思いをしなきゃいけないの」とネガティブモードになっていました。
ちょうど2回目の母乳外来の日がやってきたのでみてもらうと、左胸の乳首に白斑ができていて、そのせいで乳腺が詰まって痛みが生じているとのこと。マッサージや白斑を取り除く処置をしてもらって、だいぶ楽になりました。
助産師さんには、「母乳の出はよくなっているから徐々にミルクの量を減らしていき、1日10回以上の頻回授乳を目指すように」といわれました。
体重が増えない…ごめんね
授乳回数を増やして、ミルクはほとんど与えない生活がスタート。胸の痛みもなくなったし、息子もうまく飲めるようになったし、完全母乳に向けて順調に進んでいると感じていました。
しかし、生後2ヶ月を迎えた頃、体重の増えが足りないことに気づきます。
それまでも、小児科へ行ったときや自治体の赤ちゃん訪問のときに体重を測っていたので、ちょっと小さめということはわかっていましたが、そこまで体重の増え方が鈍いとは思っていませんでした。
「母乳で足りていると思い込んでいたのがいけなかった」「完全母乳にこだわっていたせいだ」と自分を責め、とにかく息子に対して「ごめんね」という気持ちになりました。
混合育児で育てるという選択
そこからは、1日に数回はおっぱいの後にミルクを与えるようにしました。1回あたりのミルクの量も増やしました。
「息子の成長のために混合育児にしよう」とようやく決心できたのです。
完全母乳にこだわることをやめ、混合育児にきり替えたら自然とストレスが減りました。
それでも、夜中に眠い目をこすりながらミルクを作って飲ませて哺乳瓶を洗っていると、「完母だったら添い乳させてそのまま寝られるのになぁ」と思ったものです。
外出が増える時期だったので、出かけるたびにミルクセットを持っていくのを面倒に感じたことも。
また、ミルクを飲む回数を増やしたせいか、母乳をあまり飲まなくなった時期もありました。
小さな悩みは続いていましたが、完全母乳を目指していたときに比べて、混合育児にした後はぐっと気持ちがラクになっていた気がします。
混合育児にはメリットがたくさん
その後、卒乳まで混合育児を続けました。混合育児だったことでよかったなと思うこともあります。
混合育児なら自分以外の人も授乳できる
赤ちゃんを誰かに預ける状況になったときに、授乳の心配をしなくていいのは混合育児だからこそ。私も一人で買い物に行くときや友達と会うときに、夫に息子を預け、その間はミルクを飲ませてもらいました。
また、私があまりにも疲れているときは、夜中の授乳をミルクにして夫に頼んだこともあります。
混合育児なら授乳室がなくても大丈夫
外出時はミルクセットを持っていくようにしていたので、授乳室がないような場所に行くときも安心でした。
授乳室があるときは母乳を与えていましたが、息子はいつもと環境が違うとあまり飲まないこともあったので、そんなときはミルクを飲ませていました。
混合育児は卒乳がスムーズ
生まれたときからミルクに飲み慣れていたこともあって、息子はおっぱいへの執着があまりなく(それはそれでちょっと悲しかったのですが)、とにかく卒乳がラクでした。
生後10ヶ月頃までは夜寝る前におっぱいを飲むのが習慣でしたが、1歳を迎える頃にはミルクを与えて抱っこや添い寝をすれば寝付くようになり、徐々に母乳を与える回数を減らしていったら自然と卒乳ができました。
完全母乳にこだわりすぎなくても大丈夫!
完全母乳育児を目指していたときは、「母乳神話」にとらわれて、完母じゃないとダメなんだという気持ちがありました。
毎日おっぱいのことを考えて、母乳の出が悪くて息子が上手く飲めなくてイライラして、痛みに耐えて…。
でも、あのときの経験があるから、その後ちょっとくらい育児で悩むことがあっても乗り越えられたし、ママになるために必要な試練だったと感じます。
私は途中で混合育児に切り替えたけど、同じように最初は母乳が出なくても完全母乳で育てたというママもいます。また、完全ミルクに切り替えたというママも。
いまだに「完全母乳で育てるのが良い」といった風潮が強いなと感じることはありますが、完全母乳でも混合育児でも完全ミルクでも、愛情を注いで授乳ができていれば、どれも立派なこと。
ママや赤ちゃんのペースにあわせてストレスなく続けていける授乳方法を選ぶことが一番じゃないかなと思います。