年が近いきょうだいや双子が同時に泣き出すこと、あるいは片方が泣いているのに影響して2人目も泣きだしてしまうこと、ありますよね。泣き声の合唱に参ってしまうこともありますが、そんなときはどのようにあやしてあげると良いのでしょうか?
今回ninaru babyでは、ベテラン保育士である中川 かおる先生を取材。多くの赤ちゃん・子供のお世話をしていた経験から、きょうだいが同時に泣き出したときのあやし方を教えてもらいました。
2人育児は年齢が低いほど大変…
きょうだいの年齢が年子や2~3歳差だったり、双子だったりすると、どちらかが泣いているのをあやしている最中に、もう1人まで泣き出してしまうということって、よくありますよね。
特に、下の子が赤ちゃん、上の子が1~2歳くらいのときは、状況を把握することや感情をコントロールすることが難しく、こうしたケースが多くみられます。
ママ1人で相手をしなければならない状況だと、現場は騒然。それでは、年齢が近いきょうだいがいるママは、この時期どうやって対応すると良いのでしょうか。
ベテラン保育士に聞く!
子供が同時に泣くときのあやし方
ここでは、保育士歴15年の実績を持つ中川 かおる先生に、年の近いきょうだいが同時に泣いたときのあやし方のコツを教えていただきました。
多くの赤ちゃん・子供がいる保育園では、どのような方法で対応していたのでしょうか?
\私が答えます/
かおる先生
保育園、知的障害者支援施設を経て、現在は中学校のスタディメイトとして発達障害を持つ子どもの支援をしています。男の子と女の子の母です。
ー保育園で2人以上の赤ちゃん・子供が泣き始めたとき、先生たちはどのような対応をしていますか?
かおる先生
2人を、同時に泣き止ませることはとても難しいですね。
保育園では、2人の保育士が赤ちゃんを1人ずつあやすことが多いので、家庭では難しいこともあるかと思います。
保育園で赤ちゃんや子供が同時に泣いたときは、保育士が座って2人を膝に乗せることもあります。声をかけながら 体をさすって落ち着かせています。
また、2人とも抱きしめて、「悲しかったね」「嫌だったね」など共感しながら、落ち着くまでギュッとしています。言葉の分かる子は目を見て共感してから、ギュッとしてあげると良いですね。
2人同時に抱っこすると余計に泣くこともあるので、そういうときは1人を抱っこしてユラユラしながら窓を見たりして気を紛らわせ、もう1人には音の出るおもちゃなどで気を紛らわせ、少し待ってもらうこともありました。
ーそれでは、赤ちゃんや子供が同時に泣いているとき、「しないほうが良いこと」はありますか?
かおる先生
「泣いたらダメよ」など否定的な言葉をかけると、ズルズルと長く引きずることが多いように感じます。
無理にどちらかを泣き止ませようとするんじゃなくて、1人ずつの気持ちに寄り添ってあげると、しばらくして元気になることが多いですよ。
編集部の体験談!
2人育児のあやし方エピソード
ここでは、ninaru baby編集部で年の近いきょうだいをもつママ・パパに、きょうだいが幼い頃、同時に泣いたときにどんな対応をしたのかを聞いてみました。
1歳差のきょうだいの場合
ピチャッコちゃん
うちは下の子があまり泣く子ではなかったので、大変と思うことは少なかったですが、やはり2人同時に泣くときは困ることもありました。
そういうときは、主に上の子を先に構うようにしていました。下の子を優先すると、やきもちをやいてしまうことがあるので。その間、下の子は歩行器などに載せて、気を紛らわせていました。
2歳差のきょうだいの場合
あんそらパパ
2人同時に泣くと、あらゆることがストップしてしまいます。「予定があって行かなきゃいけないのに…」というようなときはにグズグズしちゃうと、余裕もないし大変でしたね。
2人が一緒に泣いてしまったときは、上の子を優先してあげていました。普段から我慢させていることも多かったので。下の子は様子を見つつ、待たせていました。
また、夜中に上の子が夜泣きをすることもありました。下の子はママから離れられないことも多かったので、上の子が夜中に泣いたらパパがあやすという担当になっていました。
赤ちゃん・子供が2人同時に泣く
「泣きの連鎖」ってホントにあるの?
複数の赤ちゃんや年齢の低い子供が泣いている様子を見ると、「泣いている子に影響されて泣いているのかな?」と感じたことはありませんか?
それには、大人がもらい泣きするのとは少し違う、幼い頃特有の「泣きの連鎖」というものがあるようです。
泣きの連鎖についても、かおる先生に聞いてみました。
ー複数の赤ちゃんが同時に泣く「泣きの連鎖」は、実際にあるものなのでしょうか?
かおる先生
「泣きの連鎖」はあると思います。小学校低学年くらいまでありますよ。
赤ちゃんや子供自身が不安定な気持ちのときに、近くに悲しんでいる子がいると悲しくなると思いますよ。反対に気持ちが安定している場合は、泣いてる子が近くにいても、泣くことは少ないと思います。特に年齢が低いと顕著ですね。
持論ですが、生まれ持っての共感性があるのかなと思います。特に、年齢が低い時期に「泣きの連鎖」がみられるので、共感性が一番強くでるのかもしれませんね。
2人育児はそれぞれの気持ちに寄り添いながらあやそう
体験談を見てみると、泣いているときは上の子を優先するという声が見られましたね。下の子が赤ちゃんで、上の子が1歳以上の子供の場合、まだそれほど状況把握ができない下の子を待たせておくという方法は多いようです。
とはいえ、上の子が優先した方が良いシーン、下の子を優先した方が良いシーンは泣いている原因によっても異なります。待たせる方に対しても、「ちょっと待っててね」と声をかけてあげながら、2人それぞれの気持ちに向き合ってあげてくださいね。
取材協力:中川 薫さん/保育士
保育士歴15年。保育園、知的障害者支援施設を経て、現在は中学校のスタディメイトとして発達障害を持つ子どもの支援をしています。子どもがわかりやすく安心して学校生活や学習ができるようなサポートを提供。男の子と女の子の2児の母。