待望の赤ちゃんが誕生して感動しているのもつかの間、事務的な手続きもたくさん必要になってきます。なかでも出生届は、赤ちゃんが生まれて最初にしなければならない大切な手続きです。初めてのことだとどうやって書けばいいのか、必要な書類は何か、など戸惑うことも多いですよね。
今回は出生届に必要な書類や書き方、提出期限などについてご紹介します。
出生届とは?どこでもらうの?
出生届とは、赤ちゃんを戸籍に登録する手続きです。規定の用紙を提出し、受理されることで子供が生まれたことが認められ、父母の戸籍に記載されるようになります。用紙を入手できる場所と提出する場所は違う場合もあるので注意してくださいね。
出生届の用紙の入手場所
用紙は、住んでいる自治体の役所窓口やホームページで入手することができます。産院によっては出生届の用紙を用意してくれている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
また、出生届にある「出生証明書」欄は、出産に立ち会った医師もしくは助産師さんに記入してもらう必要があります(※1)。記入には時間がかかる場合もあるので、いつまでに用紙を用意すればいいか、病院に確認をとっておきましょう。
出生届の提出先
「子供が生まれた場所」「父母の本籍地」「届出人の所在地」のいずれかの市区町村の役所に提出します。また、出生届の手続きを行えるのは、父、母、同居者、出産に立ち会った医師や助産師などです(※1)。
海外での出産の場合は、出産した病院で出産証明書を発行してもらった後、大使館、総領事館、もしくは日本の本籍地役場に届け出を行います(※2)。
出生届の提出期限は?
出生届は、出生日より生後14日以内(海外で出産した場合は生まれた日から3ヶ月以内)に提出しなければいけません。区役所などの開所時間外でも受理してもらえるため、急を要するときは時間外であっても提出しにいきましょう。
提出期限14日目が日曜日や祭日であった場合は、翌日に期限が延長されて、15日目が提出期限になることが多いようです。正月やゴールデンウィークなど大型連休前は、念のため役所に確認しておくと安心ですよ。
名前が提出期限までに決まらなかったら、空欄のまま出生届を提出することもできます。その際は、名前が決まり次第「追完届」を提出し、手続きを行います(※3)。
ただし、追完届の手続きを行うと、出生届を提出した後に名前を追記したことが、記録として残ってしまいます。子供の名前は、出生届の提出期限までに決められるように、できるだけ早くからパパとママで話し合っておきたいですね。
出生届は提出期限に遅れても大丈夫?
前述のとおり、出生届は生後14日以内に提出するのが基本ですが、この期間に出生届が提出できなかった場合でも、受理はしてもらえるケースが多いようです。期限を過ぎてしまったら、早急に市区町村の役所に問い合わせてください。
正当な理由がなく出生届の提出が遅れた場合は、戸籍法135条に基づき5万円以下の過料が科せられる可能性があります(※4)。一方、事故や天災などが原因で提出が遅れてしまった場合は、「届出遅延理由書」を病院あるいは警察で発行してもらい、新たな期限内に手続きを行えば大丈夫です。
海外で出産し、子供が外国の国籍も取得している場合は、提出期限である生まれた日から3ヶ月以内に出生届を提出しないと、原則として子供の日本国籍が失われます(※2)。
日本国内で出産しても、国外で出産しても、提出期限までに届け出ができないとさまざまな問題が発生するので、期限は必ず守るようにしましょう。
出生届に必要な書類や必要なものは?
出生届を提出する上で必要な書類は、基本的には出生届書のみです。ただし、出生証明書の欄を医師や助産師に記入しておいてもらう必要があるので注意しましょう。
また、それ以外にも一般的に、母子健康手帳が必要になります(※5)。
なお自治体によっては、この他にも、健康保険証や子供に関する手当・助成の申請書類などを持参しなければいけないこともあります。届け出る予定の役所に問い合わせて、何が必要か事前に確認しておくと安心ですよ。
出生届の書き方の注意点は?
出生届に記載しなければいけないことのなかには、分かりにくいものもあり、どうしたらいいのか迷うことも少なくありません。以下の点に注意すると、記載や手続きがスムーズに進みますよ。
子供の名前の漢字
子供の名前に使える漢字は法律で決められており、常用漢字もしくは人名用漢字を使用しなければいけません(※6)。子供の名前にこだわりの漢字を使いたい場合は、使用可能かどうか事前に確認しておきましょう。
また、楷書ではっきりと、線の長短まで明確に記載しましょう。
生まれたとき・ところ
「生まれたとき」の欄には、出生証明書欄に記載されているものと同じ内容を記載します。「生まれたところ」の欄には、病産院の住所を書きます。自宅で出産した場合は、自宅の住所を記載してください。
生まれた子の住所
生まれた子の「住所」の欄には、子供の住民登録をする住所を記載します。基本的には、子供の父と母が住民登録している住所を記載します。
届出人
出生届に記載する「届出人」とは、原則として父親か母親のことですが、出産に立ち会った医師や助産師が届け出る場合は医師や助産師の名前を書いてください。
出生届は期限を守ろう
出生届には赤ちゃんの名前を書く必要があり、名付けで手間取っていると14日はあっという間に過ぎてしまいます。出生届は提出期限を守る必要があるので、子供の名前は、時間のある妊娠中から考えておきたいですね。
産後は赤ちゃんのお世話でも忙しくなるので、出生届以外をはじめ、必要な手続きについては早めに確認しておきましょう。
※1 法務省「出生届」
※2 外務省「戸籍・国籍関係届の届出について」
※3 東京都北区「よくある質問(戸籍の届出)」
※4 e-Gov法令検索「戸籍法」
※5 横浜市「出生届はどこに届出するのですか。また、届出するときに持参するものは何ですか。」
※6 法務省「子の名に使える漢字」