妊娠の安定期はいつからいつまで?過ごし方の疑問や注意点まとめ!

「安定期に入ったので…」という言葉をよく耳にしますよね。妊娠の安定期とは一体いつからいつまでで、どんな時期を指すのでしょうか。

今回は、妊娠の安定期について、おすすめの過ごし方や注意点、先輩ママたちがどう過ごしたかも合わせてご紹介します。

妊娠の安定期はいつからいつまで?どんな状態?

妊婦 女性 マタニティ

安定期にはいつからいつまでという明確な定義はありませんが、一般的には妊娠中期(妊娠5ヶ月)以降から臨月前までを指します。

医師の指示にもよりますが、多少活動的に動いても良くなるのでマタニティライフを一番楽しめる時期でもありますよ。

妊娠の安定期には、次のような体の変化があります。

体調が安定する

安定期に入ると妊娠初期の倦怠感や眠気、頭痛、つわりなどがなくなり、過敏になっていたにおいが気にならなくなるなど、体調が安定してくることが多いです。

お腹が目立ち始める

安定期に入ると妊婦さんは胎動を感じ始め、お腹の大きさも目立つようになり、妊娠している実感がより強くなります(※1)。

お腹の大きさが目立ってくると、お腹の締め付けがないマタニティウェアを着る妊婦さんが多くなりますよ。

流産の可能性が低くなる

流産は妊娠初期に起こることが多く、安定期は妊娠初期に比べると流産の可能性が低くなります。

ただし、切迫流産や切迫早産などが起きるおそれはあるので、無理はしないようにしてくださいね。

妊娠の安定期に運動はしてもいいの?

安定期に入り医師の許可があれば、マタニティスイミングやヨガ、ウォーキングなどの運動をすることができます。

運動をすることで、体重のコントロールがしやすくなり、出産に必要な筋力や呼吸の使い方を身につけられます。適度な運動はリラックス効果も期待できますよ。

先輩ママたちにアンケートをとったところ、安定期にやっていた人が一番多かった運動はウォーキングで、約3人に1人が行っていました(※)。

安定期 グラフ アンケート

「その他」の中では、仕事自体が立ち仕事なので、運動の代わりになっているという声も多く聞かれました。

ただ、お腹が大きくなってくると、立ち仕事も大変ですよね。あまり無理せず、できることなら休み休み行いましょう。

アンケートによると、2.7%の妊婦さんが安定期に筋トレをやっていたと答えましたが、妊娠中に激しい筋トレをするのはおすすめできません。

体調が良い日にウォーキングなど軽い有酸素運動からはじめてくださいね。

妊娠の安定期に旅行はしてもいいの?

妊娠初期は旅行を控えていたけれど、赤ちゃんが生まれる前に、夫婦で旅行へ行きたいという妊婦さんもいるかもしれません。

特に体調に問題がない人は安定期のうちに旅行をすることもできますが、なるべく控えたほうが安心です。

もし旅行する場合はまず医師に相談したうえで、なるべく近場を選ぶなどくれぐれも無理のない計画を立ててくださいね。

旅先にも必ず母子手帳を持参し、滞在地ではどこに病院があるかを把握しておくことが大切です。

妊娠の安定期におすすめの過ごし方は?

安定期は出産に向けての準備期間でもあるので、体調が安定するこの時期に出産の準備もはじめましょう。

ここでは、運動や旅行の他に、安定期の妊婦さんにおすすめの過ごし方をご紹介します。

母親学級への参加

安定期に入ったら、産院や地域で開催されている母親学級(プレママ教室)などにも参加してみましょう。情報収集だけでなく、ママ友をつくるきっかけにもなりますよ。

出産を目前に控え、仲間ができるのは心強いもの。パパと一緒に参加できる両親教室もあります。

最近はオンラインでも開催されていることが多いので、気軽に参加してみてくださいね。

先輩ママの体験談

つわりが落ち着いて外出できるようになったので、産院のマザークラスや、夫と一緒に自治体のプレパパママ講座に参加しました。

ちはるさん(29歳)

ショッピング

安定期は、気分転換にショッピングに出かけるのもおすすめです。生まれてくる赤ちゃんのことを考えながらベビーグッズなどの買い物をすることで、幸せな気持ちになれますね。

出産直前はバタバタするので、今のうちに必要なものをリストアップして出産に備えておきましょう。

先輩ママの体験談

安定期に入って、実母と一緒にベビーグッズや入院に必要なものを買い揃えはじめました。また、スタイなどのベビーグッズの手作りにも挑戦していました。

なるさん(27歳)

戌の日のお祝い

安産祈願で有名な「戌(いぬ)の日のお祝い」は、「安定期に入った妊娠5ヶ月目の戌の日に安産祈願をする」という日本独自の行事で、神社やお寺で祈祷をしてもらいます。戌の日は暦の上で決まっていて、12日に一度めぐってきます。

出産予定日から戌の日がわかるチェッカーを関連記事に用意しているので、ぜひ自分の戌の日を確認してみてください。

先輩ママの体験談

戌の日のご祈祷に、自分の親と相手の両親とみんなで行きました。その後、両家勢揃いで食事会をして、いい気分転換になりました。

さやかさん(29歳)

安定期に注意したいことは?

安定期は母体も赤ちゃんの状態も安定しているため日常生活も過ごしやすくなりますが、気をつけたいこともあります。

過食

安定期に一番気をつけたいのが「食べ過ぎ」です。つわりがあった人は症状から解放されることもあり、食欲が旺盛になることも。

妊娠中の体重増加は自然なことですが、増えすぎるのは妊婦さん自身と赤ちゃんのためによくありません。

間食はスナック菓子ではなく、ナッツ類や野菜スティックにするなど工夫をし、必要以上に食べ過ぎないように気をつけてくださいね。

むくみ

顔や体のむくみは、特に妊娠後期によく見られるマイナートラブルですが、安定期の頃からむくみに悩まされる人もいます。

むくみの原因となる冷えや塩分の取りすぎなどに気をつけましょう。

むくみがひどい場合は妊娠高血圧症候群のおそれもあります。重症化すると命の危険もあるので、急激な体重増加やひどいむくみがある場合には、早めにかかりつけ医に診てもらってくださいね(※1)。

便秘

安定期に入ると、赤ちゃんの成長にともなって子宮が大きくなって胃腸が圧迫されるため、妊婦さんは便秘になりやすいです。

また、ホルモンの変化により、胃腸の動きが悪くなりやすいことも便秘の原因となります(※1)。

こまめな水分補給と食物繊維などを積極的に摂ることを心がけましょう。

腰痛

安定期にはお腹が大きくなって重心が体の前のほうに移動して腰が反りやすくなるだけでなく、重くなった体重を支えることなどが原因で、腰痛になる妊婦さんも多くいます(※2)。

運動不足も腰痛の原因になるので、無理のない範囲で体を動かしたり、眠る姿勢を変えたりして腰痛を軽減してくださいね。

転倒

安定期になると、おなかも少しずつ大きくなり足元が見えにくくなります。これまで気にならなかったような段差につまずいて転んでしまうおそれがあるので、十分気をつけてくださいね。

特に階段の上り下りはてすりを使うと安心です。フラットシューズは産後も重宝するので、お気に入りの靴を数足用意しておくといいですよ。

妊娠中の安定期、体は楽でも油断は禁物

安定期になれば流産の可能性は低くなりますが、妊娠高血圧症候群や切迫早産など、何らかのトラブルが起こるリスクはあります。少しでも気になることがあれば、すぐにかかりつけ医に相談するようにしてくださいね。

※アンケート概要
実施期間:2019年5月25日~5月29日
調査対象:妊娠28週目以降の妊婦さん
有効回答数:365件
収集方法:Webアンケート

監修医師:産婦人科医 藤東 淳也

産婦人科医 藤東淳也先生
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。

※1 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』p.8,9,42,98
※2 メジカルビュー社『プリンシプル 産科婦人科学2 産科編』p.458

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