この記事では、離乳食期に食べられる白身魚の種類、アレルギーの有無、調理時に気をつけることをはじめ、時期別のレシピをご紹介します。
3大アレルゲン(卵・小麦・乳製品)には材料名に★マークをつけています。医師と相談のうえ進めてください。他の食材におきかえても構いません。
離乳食期に食べられる白身魚の種類は?
白身魚には特に多くのたんぱく質が含まれています。たんぱく質は、主に血液や筋肉、臓器、髪、皮膚といった人間の体をつくる働きが期待できます(※1)。
赤ちゃんの成長や健康的な体作りに欠かせない栄養素なので、少しずつ離乳食に取り入れていきましょう。
離乳食期に食べられる主な白身魚は以下のとおりです。
鯛/かれい/ひらめ/たら
● 中期からOK
鮭/めかじき(※)
※ めかじきは脂質が多く消化するのに負担がかかるため、まぐろを食べることに慣れてきた離乳食中期以降に少しずつ取り入れましょう。
白身魚は、身がやわらかく、脂質が少ないため、離乳食初期から挑戦しやすい食材です。
ただし、白身魚のなかでも脂質が多い、鮭やめかじきなどは離乳食中期頃から与えるようにしましょう。
「鮭」は、アレルギー症状を引き起こしやすい「特定原材料等28品目」のひとつです。
初めて食べさせるときは、アレルギー症状が出た場合や心配ごとに備えて、かかりつけの医療機関を受診できる曜日の午前中に与えましょう。
1日1口からはじめて、様子を見ながら量を増やすようにしてください。
「鯛」「かれい」「ひらめ」「たら」「めかじき」はアレルギー症状を引き起こしやすい「特定原材料等28品目」に含まれませんが、まれにアレルギーを起こすことがあります。与えるときは少量からはじめてください。
また、初めて食べる食材は、必ず加熱して1品から試し、食べ慣れてきたら他の食材と組み合わせるようにしましょう。
調理時に気をつけることは?
骨や皮を取り除いた下処理済みで、鮮度のよい刺身を使うと便利です。ただし、刺身でも皮や骨が残っていないか確認してください。
ゆでてすりつぶし、湯を加えてとろとろにのばしてから食べさせましょう。
おかゆに混ぜたり、片栗粉でとろみをつけたりして、赤ちゃんが食べやすいよう工夫してみてください。
白身魚の離乳食初期レシピ
ヨーグルトとたらのあえもの
▼材料(1食分)
・たら 10g
・トマトペースト 10g
★ヨーグルト(無糖) 10g
▼手順
1.たらをゆで、骨と皮を取り除き、すり鉢でつぶす。
2.1にトマトペーストを加える。
3.2とヨーグルトをあえる。
コーンフレークと白身魚のおかゆ
▼材料(1食分)
・白身魚 5g
★コーンフレークペースト 15g
▼手順
1.白身魚はゆでて、骨と皮を取り除いてすりつぶす。
2.コーンフレークペーストに1を加え、よく混ぜ合わせる
かれい入り野菜スープ
▼材料(1食分)
・だし汁(昆布だし) 30ml
・にんじん 5g
・玉ねぎ 5g
・かれいペースト 5g
・片栗粉適量
▼手順
1.小鍋にだし汁を入れ、にんじんと玉ねぎをすりおろして加えひと煮立ちさせる。
2.1にカレイペーストを加えて煮込む。
3.2に水溶き片栗粉を加え、ひと煮立ちさせる。
鯛と野菜のスープ煮
▼材料(1食分)
・にんじん 10g
・鯛ペースト 10g
・野菜スープ 30ml
▼手順
1.にんじんをやわらかくゆでる。
2.1をすりおろす。
3.小鍋に2と鯛ペースト、野菜スープを入れ、ひと煮立ちさせる。
白身魚の離乳食中期レシピ
かぶと鯛の豆腐あんかけ
▼材料(1食分)
・かぶ 15g
・インゲン 5g
・鯛 10g
・豆腐(絹ごし) 20g
・だし汁 60ml
・片栗粉 適量
▼手順
1.皮をむいたかぶとインゲンは粗めのみじん切りにする。
2.鯛は水大さじ1と耐熱皿に入れ、ラップをかけて電子レンジで30秒ほど加熱し細かくほぐす。
3.豆腐は2〜3mmほどの大きさに角切りにする。
4.鍋にだし汁、1、2、3を入れてやわらかく煮たら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
鮭とほうれん草のミルクがゆ
▼材料(1食分)
・鮭 15g
・ほうれん草 5g
・7倍がゆ 80g
★粉ミルク(調乳済のもの) 15ml
▼手順
1.鮭は皮と骨を除き、ゆでて余分な脂を落としてからフレーク状にほぐす。
2.ほうれん草はさっとゆで、みじん切りにする。
3.1、2と7倍がゆ、ミルクを混ぜ合わせて、ひと煮立ちさせる。
かれいのほうれん草ソース添え
▼材料(1食分)
・かれい 15g
・ほうれん草 10g
・だし汁 20ml
・片栗粉 適量
▼手順
1.かれいはゆでてほぐす。
2.ほうれん草はやわらかくゆでて、細かくみじん切りにする。
3.鍋にだし汁と2を入れてひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
4.皿に1を乗せ、上から3をかける。
ほぐし鮭入りがゆ
▼材料(1食分)
・鮭 10g
・7倍がゆ 80g
▼手順
1.鮭はゆでて皮と骨を取り除き、細かくほぐしてすりつぶす。
2.7倍がゆに1を加えてよく混ぜ合わせる。
めかじきとにんじんのあんかけ
▼材料(1食分)
・めかじき 5g
・にんじん 10g
・インゲン 5g
・だし汁 30ml
・片栗粉 適量
▼手順
1.めかじきはゆでて皮を取り除き、細かくほぐす。
2.にんじんとインゲンはゆでてみじん切りにする。
3.小鍋に1、2、だし汁を入れてひと煮立ちさせる。
4.3に水溶き片栗粉を加えて、とろみをつける。
白身魚の離乳食後期レシピ
たらの和風ムニエル
▼材料(1食分)
・たら(切り身) 1切れ(15g)
★小麦粉 適量
・青のり 適量
★バター 5g
★醤油 3滴
▼手順
1.たらは骨がないか確認し、食べやすい大きさにカットする。
2.1に小麦粉と青のりをまぶす。
3.フライパンにバターを溶かし、2を入れ両面をしっかりと焼く。
4.醤油をうすくぬる。
のりと鮭のおやき
▼材料(1食分)
・焼きのり 1/8枚
・鮭 15g
・5倍がゆ 50g
・すりごま(白) 小さじ1
・片栗粉 小さじ2
・油 少々
▼手順
1.のりは細かくちぎっておく。
2.鮭はゆでて、骨と皮を取り除いてほぐす。
3.1、2、5倍がゆ、すりごま、片栗粉をボウルに入れ混ぜ合わせる。
4.フライパンに薄く油をひき、3をスプーンで落としながら両面を焼く。
めかじきと豆腐のハンバーグ
▼材料(1食分)
・めかじき 10g
・ブロッコリー 10g
・豆腐(絹ごし) 15g
★パン粉 小さじ1
・油 少々
▼手順
1.めかじきはゆでて皮と骨を取り除き、細かくほぐす。
2.ブロッコリーはゆでてみじん切りにする。
3.ボウルで1、2とすべての材料を混ぜ合わせる。
4.フライパンに油をひき、3をスプーンで落として両面を焼く。
めかじきのチーズ焼き
▼材料(1食分)
・めかじき 15g
・ブロッコリー 10g
★溶けるチーズ 1/4枚
▼手順
1.めかじきはゆでて皮と骨を取り除き、細かくほぐす。
2.ブロッコリーはやわらかくゆでて、みじん切りにする。
3.1と2を混ぜ合わせて耐熱容器に入れ、チーズをのせる。
4.3を電子レンジで10秒ほど加熱する。
白身魚の離乳食の冷凍方法は?
白身魚は冷凍保存できる食材です。離乳食の進み具合に応じて、1回分の量に分けておくと便利ですよ。ゆでてほぐしたものやペースト状にしたものを、製氷皿か冷凍用保存パックに入れて冷凍しましょう。
ただし、食品ラベルなどに「解凍」と表示されている白身魚は、一度冷凍されたものです。使う場合は、再冷凍を防ぐためにも冷凍保存はしないでください。
白身魚に乳製品や卵などを組み合わせて調理したものや、水分が多いものは傷みやすいため、冷凍保存はせず食べ切るようにしましょう。
白身魚を使った離乳食を作ろう
白身魚は、刺身用の切り身を使えば離乳食用に調理しやすい食材です。赤ちゃんの成長に応じてバリエーション豊かな離乳食を作ってあげてくださいね。
※ 赤ちゃんの成長や発達に合わせて無理なく進めましょう。
※ 赤ちゃんが食物アレルギーの診断を受けている、または疑いのある場合は必ず医師と相談のうえ進めてください。
※ レシピの食材は旬のものや自宅にあるものに置き換えてもかまいません(ただし、その時期に食べられる食材かどうかチェックしましょう)。
【参考文献】
※1 新星出版社『栄養成分の事典』pp.10-14