妊娠初期に茶色いおりものが出る原因は?鮮血は危険?少量なら大丈夫?

妊娠していることがわかってから茶色いおりものが出ると、「お腹の赤ちゃんに何かあったのでは?」と不安になるかもしれません。量や色によっては病院を受診したほうがいいのでしょうか。

今回は妊娠初期に茶おりものが出る原因と、鮮血が出た場合の対処法などをご説明します。

「茶おりもの」とは?

おりものは通常、無色透明や半透明ですが、茶色くなった場合に「茶おりもの」や「茶おり」などと呼ばれます。

おりものに混じった血液が時間の経過で酸化すると、茶おりものになります。

生理が終わった後、子宮内に残っていた血が混ざって茶おりものが出ることもあるので、妊娠前に経験したことがある人も多いかもしれませんね。

妊娠初期に茶おりものが出る原因は?

妊娠初期に茶おりものが出る原因の一つとして、受精卵が子宮内膜に着床するときに起こることがある「着床出血」が考えられます。

着床出血があるかどうかは人によりますが、生理周期を28日とすると生理予定日の1週間前に着床が起きているため、産婦人科で妊娠確定をしてもらう前に妊娠初期症状として着床出血が起こることもあります。

ただし、血液が腟から排出されるまでには少し時間がかかる可能性もあるので、茶おりものに気づくのは生理予定日が過ぎてからになるかもしれません。

妊娠初期の茶おりもので注意が必要なこともある?

妊娠初期に茶おりものが少し見られただけであれば、それほど心配する必要はありません。

ただし、茶おりものだけでなく以下の症状を伴うときには、産婦人科を受診してくださいね。

激しい下腹部痛を伴う

茶おりものが出ただけでなく、下腹部に強い痛みを感じるときは、着床出血ではなく、子宮や卵巣の病気や「子宮外妊娠(異所性妊娠)」、流産の可能性も考えられます(※1)。

茶おりものが長期間、大量に出続ける

通常、着床出血はわずかな量なので、茶おりものも少量しか見られません。

もし茶おりものが大量に出る、あるいは何日も出続けるなどの症状がある場合は、婦人科系のトラブルなどが起きている可能性もあります。

妊娠初期に茶おりものではなく鮮血が出たら?

もし茶おりものではなく、真っ赤な鮮血が出てきた場合は注意が必要です。茶おりものは過去に出血したものが出てきていますが、鮮血は出血したばかりのものです。

妊娠中は生理がないので、不正出血が見られる場合は次のような可能性があります。

外的刺激によるもの

妊娠によるホルモンの変化で、性交や排尿、排便などの軽い刺激で不正出血が起きることがあります。

婦人科系の病気

子宮頸管ポリープや子宮筋腫、子宮頸がんなど、婦人科系の病気が原因で出血している可能性もあります(※2)。

病気やその重症度によっては、妊娠の継続に影響を与えることもあるので、慎重に検査してもらう必要があります。

子宮外妊娠(異所性妊娠)

まだエコーで胎嚢が確認できていない段階で鮮血が見られた場合、子宮外妊娠の可能性もあります。

妊娠検査薬で陽性が出た時点では、正常妊娠かどうか判別できないので、すぐに産婦人科を受診しましょう。

絨毛膜下血腫

ママと赤ちゃんをつなぐ胎盤の膜と膜の間に着床出血などの血液のかたまりができるものを、「絨毛膜下血腫」といいます。

妊娠初期の不正出血から発見されることが多く、大きさによっては流産や早産につながるおそれもあります(※2)。

切迫流産や流産の兆候

妊娠初期に鮮血があったからといって、流産とは限りません。ただし、不正出血だけでなく、強い下腹部の痛みもある場合、切迫流産や流産の可能性もあります(※2)。

妊娠中は、おなかの張りを多少感じることはありますが、カチカチに張る・ずっと張っているなどの場合は早めに産婦人科にかかりましょう。

妊娠初期に茶おりものが出たときの対処法は?

茶おりものが下着についてしまうのが気になりますよね。おりものの量が増えることでデリケートゾーンがかぶれてしまうこともあります。

肌をかぶれや細菌感染から守るためにも、パンティライナーを利用したり、こまめに下着を替えたりして清潔に保つことを心がけましょう。

もし茶おりものが大量にでたり、鮮血が混じっていたりする場合は、早めに産婦人科を受診してくださいね。

妊娠初期は茶おりもの以外の変化にも注意を

妊娠によって、女性の体は大きく変化します。茶おりものが少し出ているだけであれば、あまり不安になる必要はありませんが、不正出血や下腹部の痛みなど、何か異常を感じたときには早めに産婦人科を受診してくださいね。

監修医師:産婦人科医 間瀬徳光

産婦人科医 間瀬徳光先生
2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行っている。IBCLC(国際認定ラクテーション・コンサルタント)として、母乳育児のサポートにも力を注いでいる。

【参考文献】
※1 メジカルビュー社『プリンシプル 産科婦人科学2 産科編』p.303
※2 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 産科編2020」

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