妊娠6週目は、妊娠初期症状が本格的に現れることもあり、体がどんどん変化していく時期です。お腹の赤ちゃんが順調に成長しているかを判断するには、妊娠6週目以降の心拍確認も重要になってきます。
今回は妊娠6週目の妊婦さんの症状や赤ちゃんの状態、気をつけること、やっておくといいことなどについてご説明します。
妊娠6週目の妊婦さんの症状は?
妊娠6週目は、生理予定日から2週間が過ぎた時期です。生理が来ておらず、妊娠検査薬で陽性反応が現れてほとんどの人が妊娠したことに気づきます。
お腹が大きくなるような外見上の変化はまだありませんが、以下のような妊娠初期症状をはじめとした体調の変化に悩まされる人もでてきます。
つわり
つわりの原因は医学的にはっきりわかっていませんが、妊娠によるホルモンの影響で引き起こされるといわれています。
つわりは症状にも個人差がありますが、吐き気や嘔吐などが現れる、空腹になると気持ち悪くなる、においに敏感になるなどの症状が代表的です。
どの症状にも個人差があり、全く起こらない人もいれば、複数の症状が起こる人もいます。体調を最優先にして過ごすようにしてくださいね。
胸の張り
妊娠すると乳腺や乳管が発達するため、妊娠6週目だけでなく、妊娠期間中は胸の張りや痛みが続くことがあります。
頻尿
妊娠により血液量が増えて体内の水分量が増えることで、尿の量も多くなります。さらにホルモンの影響で妊娠すると頻尿になりやすくなります(※1)。
体のだるさ、眠気
妊娠すると分泌量が増えるホルモンの影響で、妊娠6週目に強い眠気を感じることがあります。
寝ても寝ても一日中眠気が続いたり、眠気に伴って体がだるく感じる、頭がボーっとして判断力がなくなる、記憶力が低下するなどの症状も見られます。
正式な医学用語ではありませんが、これらの症状は「眠りつわり」と呼ばれることがあります。
便秘、下痢
妊娠するとホルモンの影響で胃腸の働きが鈍くなり、便秘や下痢に悩まされることもあります。
情緒不安定
妊娠初期は、ホルモンバランスの変化により、些細なことでイライラしたり、気分が落ち込んだりすることがあります。
また妊娠を喜ぶ気持ちがある一方で、これからの生活を考えて不安な気持ちになるなど、気持ちが不安定になる時期でもあります。
どの症状にも個人差があり、妊娠6週目に症状が全く起こらない人もいれば、複数の症状が起こる人もいます。ご自身の体調を最優先にして過ごすようにしてくださいね。
妊娠6週目の出血は大丈夫?
妊娠6週目に軽い出血や腹痛が起こることがありますが、ほとんどの場合はすぐに救急外来や産婦人科を受診する必要はありません(※2)。不安な場合は妊婦健診の際に先生に相談してみましょう。
ただし、生理よりも多い出血や強い腹痛が起きたりした場合は、何かトラブルの可能性があります。夜間や休日の場合でも、まずはかかりつけの産婦人科へ連絡してくださいね。
妊娠6週目につわりがなくても大丈夫?
つわりは一般的に妊娠5週〜6週頃に始まるといわれていますが、なかには妊娠7週〜9週頃につわりが始まる人もいます。
また、つわりは多くの妊婦さんが経験する症状ではあるものの、妊婦さん全員につわりが起こるわけではありません。
実際、無料妊娠アプリ「ninaru」で妊婦さん1097人にアンケート(※)をとったところ、約14%の人がつわりは全くなかったと答えていました。
妊娠6週目につわり症状が急になくなった場合には流産の可能性も考えられますが、「つわりがない=流産」ではありません。妊娠6週目につわりがない場合でも、妊婦健診で問題がなければ心配し過ぎないでくださいね。
妊娠6週目の赤ちゃんの状態は?
赤ちゃんの大きさ
妊娠6週目の赤ちゃんを包む胎嚢は1.5cmほど(※1)。赤ちゃんの大きさも1cm未満で、いくら1粒くらいの大きさです。
赤ちゃんの発達
赤ちゃんはまだ「胎芽」と呼ばれる状態で、耳や目、鼻、口といった顔のパーツの元となる部分が作られています。まだヒレのような形ですが小さな手足もできてきました。
胎動として感じられるのはまだまだ先ですが、手足や体をピクピク動かすようになっています。
排卵日によっては妊娠週数がずれることがあるので、妊娠6週目に胎嚢や心拍が確認できないこともあります。
胎嚢や心拍確認ができない場合は、数日〜1週間後に再度診察を受けるように指示されることが一般的です。
妊娠6週目に気をつけることは?
妊娠6週目の妊婦さんが注意しておきたいこととして、以下の5つがあります。
飲酒・喫煙を速やかにやめる
妊娠中の飲酒・喫煙は、流産や早産、赤ちゃんの発育不全などが起こるリスクが指摘されています(※3)。
アルコールとタバコは妊娠全期間を通して赤ちゃんに悪影響を与えるといわれているので、妊娠6週目には速やかに禁酒・禁煙をしましょう。
自己判断で薬の服用をしない
妊娠6週目は、赤ちゃんの体の重要な器官が作られる時期であると同時に、さまざまな影響を最も受けやすい時期です。
服用する薬の種類・量によっては、赤ちゃんに奇形が生じたり発育に悪影響を与えたりするリスクがあります(※3)。
妊娠前から服用している薬やサプリメントがあったり、市販薬を飲みたくなるほど体調が優れなかったりする場合は、医師に必ず確認をしましょう。
注意が必要な食材・飲み物を避ける
妊娠中に摂取すると赤ちゃんの発育に影響を与える可能性があるため、気をつけなくてはいけない食材・飲み物がいくつかあります。
どれも禁止はされていませんが、以下の食材・飲み物は妊娠6週目から避けておいた方が無難です。
● 刺身や貝類など、食中毒のおそれがあるもの
● 殺菌されていない乳製品や生卵など、サルモネラ菌発生の可能性があるもの
● 生肉や生ハムなど、リステリア食中毒やトキソプラズマに感染しやすいもの
● コーヒーや紅茶などカフェインを含むもの
激しい運動は控える
妊娠6週目はまだ体が安定していないため、運動はあまりおすすめできません。
妊婦健診で医師の許可が出れば運動をしても構いませんが、妊娠初期は軽いストレッチを行う程度にしておきましょう。息が上がるような激しい運動や、お腹に力が入る筋トレなどはなるべく控えてくださいね。
妊娠5ヶ月頃からは体調が落ち着いてくるため、医師の許可が降りればマタニティヨガやマタニティスイミングなどの運動ができますよ。
無理をしない
妊娠6週目は、体内でホルモンバランスが急激に変化しています。体調が優れなかったり、気持ちが不安定だったりするときは、無理せずゆっくり休みましょう。
また、つわり症状がひどくて、食事がままならないことがあるかもしれません。「赤ちゃんに影響がでないかな?」と心配になるかもしれませんが、妊娠初期の赤ちゃんはママの体に蓄えられた栄養で成長できるとされています(※1)。
妊娠6週頃は無理して食べなくても大丈夫ですよ。脱水を起こさないように水分はこまめに摂るようにして、食事は「食べられるものを、食べられるときに、少しずつ」食べるようにしましょう。
妊娠6週目にしておくといいことは?
妊娠6週目の妊婦さんがしておくといいことは、以下の3つです。
職場へいつ報告するか検討する
仕事をしている妊婦さんは、職場にいつ妊娠報告をすればいいのか悩んでしまいますよね。
特に決まりはありませんが、「流産の可能性が低くなり、妊婦健診が始まる妊娠12週以降のタイミング」で、報告する人が多いようです。
しかし、つわりの症状などの妊娠初期症状がひどくて仕事を休んだり早退したりする場合は、直属の上司だけにでも早めに報告しておくと安心ですよ。
ヒールの低い靴やスニーカーを履く
妊娠中は、転んで妊婦さん自身が怪我をしたり、お腹などを打って赤ちゃんに影響があったりしないようにするため、歩きやすいヒールの低い靴やスニーカーを履くと安心です。
産後にも使えるようなおしゃれなデザインの靴もたくさんあるので、体調がいいときに選んでみてくださいね。
妊娠アプリをダウンロードする
妊娠6週目に入ったら、妊娠アプリをダウンロードして、妊娠中の体の変化や生活で気をつけること、赤ちゃんの成長などを確認しましょう。
無料妊娠アプリ「ninaru」なら、妊娠0週0日から出産まで、今の体の状態と赤ちゃんの様子がわかる産婦人科医監修のメッセージが毎日届きますよ。
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妊娠週数が一目でわかる
自分の妊娠週数を把握することは大切ですが、毎回計算したりメモしたりするのは大変です。「ninaru」は、最終生理日または出産予定日を登録すると今の妊娠週数が一目でわかります。
妊娠中に気をつけることがわかる
毎日のメッセージでは、妊娠中の症状や注意点、過ごし方のアドバイスなどをわかりやすく説明しています。
出産までの予定が見通せる
妊娠がわかったら、これから出産までにどんなことが起こるのか事前に把握しておきたいですよね。
「ninaru」の妊娠スケジュールと妊娠カレンダー機能なら、あなたの妊娠週数に合わせて、いつ頃に何が起こるのかがわかるので、先の予定を立てやすいですよ。
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妊娠6週目は体調を優先して過ごそう
妊娠6週目は妊娠が確定して、出産に向けて一歩ずつ前進していく時期です。新しい命の誕生に喜びを感じる一方で、心配や戸惑いを感じることも増えてきます。体調不良の変化に落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
赤ちゃんの成長を感じながら、無理せず穏やかに日々を過ごしていけるといいですね。
※アンケート概要
実施期間:2022年9月7日〜9月30日
調査対象:ninaruシリーズユーザー
有効回答数:1097人
監修医師:産婦人科医 藤東 淳也
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。
※1 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第4版』p.6,43,86,87
※2 日本産科婦人科学会『流産・切迫早産』
※3 メジカルビュー社『プリンシプル産科婦人科学 2産科編 第3版』p763,p765