ご機嫌を探して韓国へ

2021.11.10

李 荷泥
デザイナー

日本10年、韓国4ヶ月目のデザイナーイハニです。

そうです、今韓国でこのブログを書いています。長期バケーションじゃないです。韓国に住んでいます。

日本に留学を決めたのが10年前。 大学を無事に卒業して、新卒で入った会社を退職し、2社目の会社がエバーセンスでした。
初めてやってみるUI/UXデザインの難しさに右往左往しながら最初の2年間を過ごし、少し会社に慣れて来た3年目の時には、長く付き合っていた彼氏と結婚もしました。生活も安定していて何の心配もなく、2020年2月ごろまでは漠然とこんな風に考えてました。
「日本でお仕事をもっと頑張って、3年後くらいに夫と一緒に韓国へ戻ろう」と。

「韓国に行く」となった背景

きっかけは「コロナ」です。

2020年の春夏、コロナ禍で全世界がカオスだった時に、私たち夫婦も大パニックを経験しました。
二人とも家族を韓国に置いて来ている状況だったので、コロナで海外に行けない、家族に会えない、となってからは孤立感すら感じました。

それと同時にフリーランスだった夫も仕事がなくなり始め、家計の収入もだんだん減っていきました…。夫がほぼ専業主夫のようになっていたころ、さらに住んでいたマンションからも引っ越さないといけない状況になったんです。夫はこれをチャンスだと思ったようで、この機会に韓国へ帰りたがりました。

私は、日本に残ってエバーセンスでもっと働きたい気持ちが半分、いきなり何の基盤もない韓国に行くのが怖いのが半分で、とにかくすぐに帰るのは早いと思っていました。夫婦で話し合った結果、一旦日本で引っ越しをすることに決め、新居へ。しかし新居に引っ越しをしても、コロナ禍の状況は変わりませんでした…。

つらい状況が続く中で、私の考え方も少しずつ変化していきました。
今のライフスタイルをチェンジしたい気持ちが湧き始めたんです。

そんなタイミングで、夫に韓国のお仕事のオファーが来ました。2020年の11月頃です。
夫婦で色々と相談した結果、夫は韓国に行くことにしました。 「夫は」と言ったのは、私は日本に残ってもう少し働いてから帰りたかったからです(笑)
ゆくゆくは「韓国に帰る」と合意しましたが、この時期の私は「日本にいたい VS 家族と離れたくない」で悩んでいたので、私は半年くらい日本に残って働くことに決めました。

「韓国で働く」ができたのは?

当時は、半年間日本で働いて、退職をしてから韓国に行くつもりでした。でも、韓国の採用情報を見てもあまり気に入る会社もなく、自分がやりたいことが探せませんでした。

まだ、エバーセンスの仕事を続けたかったんです。

エバーセンスのデザイナーの仕事は、ほぼ90%PCで行う仕事でした。コロナ禍でリモートワークで働くのも少し慣れていましたし、今みたいな働き方だったら、韓国でも働けると思いました。
でも残り10%は、対面でMTGをする仕事だっだったし、エバーセンスはそういうコミュニケーションをとても大事にしてものづくりをする会社です。 フルリモートワークになったら、当然コミュニケーションは減るし、いいものづくりができるとは断言できませんでした。

「韓国で働く」、自分でも多分難しいだろうと考えましたが、その気持ちを素直に、上司のPOPさんに相談してみました。
すると当日、社長の牧野さんからすぐに「OK」と返事をして頂きました。(驚きました)

コロナで世の中の働き方が変わって行く中で、エバーセンスも働き方を多様化していきたい。
私の仕事はリモートワークでも出来るため、そのテストとしてもOKが出たのかなと思います。

「海外リモートワーク&週4日体制」で、いいものづくりは実現できたのか?

韓国に行く前に、本当に海外でリモートワークが出来るのかを1ヶ月間試しました。
会社は近くにありましたが、打ち合わせも確認もすべて家で行い、韓国にいることを前提にフルリモートで仕事をしてみました。

リモートワークをうまく行うためには自分の努力も必要ですが、一緒に仕事をするまわりのサポートも必要です。
エバーセンスはすでにリモートワークを導入していたので、みんながオンラインでの仕事に慣れていました。それがなかったら、きっとスムーズにできていなかったと思います。

そうして、まわりの協力もあって無事に韓国に来ることができました。
なのに最初の頃は、「本当に海外でいいものづくりが出来るの?」って自分を疑いながら、消極的に仕事をしてしまったんです。まわりに迷惑をかけたくない…と思ったのが原因かなぁ…と思います。

簡単なやり取りが必要な仕事を受けて、自分からの意見も積極的に出さない。
…そこで上司のPOPさんに、「末端デザイナーの仕事」ってストレートに言われましたw

ボコボコになった気持ちで、自分が海外にいるってことを気にせず、チャレンジしようと覚悟を固めました!
「海外で仕事をするっていう新しい働き方でも、いいものづくりができるってことを見せたいです」とみんなに宣言して韓国に来たので、見せてやります!

私の人生はご機嫌になっているか?

韓国に来るときに、キャリアとライフスタイルをチェンジするため、勤務体制を週5日から週4日に減らしました。残りの1日は自分のキャリアに役に立つこと、自分が将来やりたいことを探そうと決め、昔から興味があった陶芸のクラスに通い始めました。何でもチャレンジしてみる時間が持てるようになり、今とても充実した毎日を過ごしています。

  

そして10年間で数回くらいしか会えなかった家族が近くにいて、お互い心配なく過ごしているっていう安定感を10年ぶりに感じました。
かわいいワンちゃんも新しく家族になりました!今日は何をするか、ワクワクな毎日を過ごしています!

私の働き方は少し特殊かもしれませんが、コロナで働き方を見つめ直した方はたくさんいたと思います。
私もまだチャレンジ中ですが、自分のご機嫌を常に考えて、より良い環境にいるように頑張ったら、きっと良い結果につながるはずです。

いいものづくりとご機嫌な人生、どちらもあきらめず、これからも楽しんでいきたいと思っています!