売上目標を立てずに、売上を伸ばし続けること。

2017.03.02

管 偉宏
マーケティング

こんにちは。マーケティング部のいひろです。

今年の1月をもって、ちょうど入社して1年が経ちました。
その前からブログを書かなきゃ書かなきゃとずっと思っていたのですが、なんだかんだようやく実行に移せたのが、そう、ナウ今です。

ちなみに、弊社が売上目標を立てない経営をしていることは、去年6月ごろの牧野のブログ「売上目標を立てない理由。」でご紹介していますが、
そこから半年経った今まで、おかげさまで売上と営業利益ともに順調に成長しています(2017年1月は、前年同月比で売上300%成長を達成しました)。

そこで今回は、売上目標至上主義でひたすら営業に奔走していたぼくが、
エバーセンスのマーケティング部として、目標がないなかでどうやって売上を伸ばし続けられているのか、僕の前職での経験も交えながらご紹介できればと思います。

 

達成して当たり前、未達は人じゃない。の環境

新卒としてのファーストキャリアは、ECプラットフォームの広告営業。

全く本意ではない配属であまりモチベーションは高くなく、
学生時代の企業交渉の経験もあったので、「とりあえずサクッと成果だして採用チームに異動するか」と軽く考えていました。

配属初日、仕事の進め方やツールの使い方について研修を受け、18時ちょっと過ぎになっていたので帰ろうとしていたら、リーダーが声を荒らげました。

 

「え、管さん、ちょっと待って。今日1円も売らずに帰って、今日の分のお給料もらおうとしてるわけ?」

 

なんとかかんとか理由をつけてその日は最低限の報告だけを行って帰宅しましたが、
その夜のうちに、人生で初めて、父の前で泣きながら弱音を吐いてしまっていました。「俺ヤバいところに来たかもしれない。。。」と、

 

そこからは狂ったように電話をかけ続ける日々。

10〜18時しか電話してはいけないという暗黙のルールのなかで、
1日120架電(電話をかけること)、60通話(意味のある会話をすること)、5〜10受注(提案して回答をもらうこと。回答を通話中にもらえなかったらいつ返事をもらえるか確実に握ること)が、
アクションKPIとしての必達ライン。お昼休憩抜きで、1時間15架電。4分に1回は架電。

午前中の予定架電数がショートしていたらお昼にいけないのは当たり前、夕方時点で乖離が大きかったらトイレのために席を立ったり、椅子に座って伸びをすることも憚られるくらいでした。
達成して当たり前、未達は人じゃない。アクションKPIすら外すって、もはやなんなの?なんのために生きてるの?と。

※注意:当時パワハラの類は一切なく、数値達成という結果にコミットするためにはアクションKPIは必達!という考え方を大事にする組織だったため、甘えを捨てさせ、限界を少し超えたところに成長や成果がついてくるということを身をもって経験させようとしての雰囲気づくりです。さすがに体調不良のときは休めましたし、最終的にはトイレには行っています。その時のリーダーとは、先週もサシで飲みにいくほど仲良くなっています。ご安心ください。

 

いざ電話をして広告を売るための提案をしようと思っても、
「他社のモールではこんなに売れてるのに、なんであんたのとこはこんなに売れないんだよ!」とか
「上司の〇〇にお願いした件どうなってんだよ!それも済んでないのに広告を買えっていうのか!?」など、クレームの嵐。嵐。

自分個人としては正直全くいわれのない非難を轟々に受けながら、
「人になる」ために、チームや個人に引かれた数字に向かって、がむしゃらに行動を起こし、ひたすら売っていました。

日次で引いた目標数値に達成できなかったら、次の日にその分プラスで販売できるように新たに弾を仕込み、達成できたら自分以外のチームメンバーが達成するための武器を必死で考える。

タイムリミット(恐怖の月末締め日)が近づくにつれて、未達が現実味を帯びてきて、鬼のように発破をかけてくる営業リーダー。仲が良くなってきたお客さんにお願い営業をしても、「今月も?流石に無理だよ!もっと結果出してからじゃないと!」と断られ、せっかく仕込んだ弾がどんどんなくなっていく。「月末」に怯え、焦りと恐怖でお腹が痛くなる。吐きそうになる。

 

あぁもう、会社行きたくない。。。

 

そこで働く意味が、見えなくなった。

そんな環境下でも、数字達成こそが自分が生きている意味だと思い続け、なんとか踏ん張り続けました。

でも、達成しても目立った見返りは、毎月末の報告会での拍手だけ(そしてそれも惰性的に行われていた)。
評価がインセンティブ形式じゃないから、100万売ろうが2,000万売ろうが、極端な話1億売ろうが、給料にはほとんど差は出ませんでした。
キャリアとしても、個人として高いパフォーマンスを出しても、自分がリーダーになることは叶わず、なんのために営業として頑張っているのか。なにも見えなくなって、ただただ広告を売るマシーンとなっていました。

幸いなことに、マシーンとして営業目標をそこそこ達成し続けた結果、人事権を持つ上司に恵まれて企画職にうつることができました。
UI/UXを突き詰めて考えて、エンジニアやデザイナーと話しながら特集ページを作る、というミッション。ただそこでも、論理としては「営業が売って数字を作りやすいページ作り」であって、決してユーザーやお客さんに向いたものではありませんでした。

 

なんのために働いているのだろう。

ユーザーのため?
他のモールの方が明らかに使いやすいし、いい商品も売っている。

クライアントのため?
実績が伴っていないお客さんに対し、ごまかしごまかし提案して、無理をさせている。全ての店舗で結果が着いてきているわけではない。

会社のため?
僕はEC事業部の同期の中では機会に恵まれた方だと思うけど、それでも3年後とかもここにいて、会社のために頑張っている自分はイメージできない。

じゃあ自分のため?
いま自分は活き活きと、ごきげんに働いていると言える?

 

社内異動に可能性を感じられなかったため、転職することを決めましたが、
いろいろな企業の話を聞いてみたりしても、どうしてもしっくりくるものがない。

気持ちが晴れない。

 

エバーセンスとの出会いで、モヤモヤが一気に晴れた。

エバーセンスに決めた理由について、面談などでよく聞かれます。
今振り返ればそれっぽく説明することはできますが、一言で言えば、運命の出会い。

当時、転職先をほぼ決めていた状況で、エージェントに「ここが最後だから!話だけでも聞いてみて!」と言われたのがエバーセンスでした。
代表の牧野と初めて会って、2時間以上話した結果、答えの見えないなかで堂々巡りをしていて頭に覆いかぶさっていたモヤモヤが、一気に晴れた感じがしました。
(あとになってわかりましたが、当時の面談最長記録だそうです笑)

 

子育てをしていなかった自分でも「いいサービスだなぁ」と感じられるほど、ユーザーのことだけをとにかく考えて、細部までこだわって作りこまれたプロダクト。

売上目標がなくたって、いいものづくりにこだわれば結果的に売上が付いてくる。その証拠に、専任の営業担当がいなくたって、社員の給料をまかなえるだけの売上・利益は既にあげられている。

 

建前ではなく、関係者全員の幸せの最大公約数を本気で追い求める。
僕はそんなビジョンを真剣に掲げる環境を探していたということに、この時ようやく気づけました。

この会社に入りたい。
もっともっと力をつけて、エバーセンスのサービスや働き方をみんなに知ってもらえるようになりたい!

 

売上目標を立てないからこそ、大きな成果を呼び込める。

売上目標があると、目指すところが明確になるメリットがあります。
ただ視点が達成か未達かの二軸に留まってしまい、「そもそもどこを目指すべきか」や「属人化ではなく仕組み化」という観点が抜けがち、というデメリットもあります。

一方「売上目標を立てない」というのは、
目指すところもそこに至るアプローチも、各個人が自分で設計しなければいけないという意味で、非常に難易度が高い。

でも目標がないからこそ、目標達成のためだけの目先の収益アップに必要以上のリソースを割く必要がなく、ユーザーとお客さんが中長期的に喜べる、インパクトの大きな取り組みに絞って仕事を進められる。

もちろん全ての取り組みで結果がすぐに出るわけでありません。打開する糸口すら見いだせず、悶々とすることのほうが圧倒的に多いです。しかし、意思決定のスピードがとにかく速いので(「やったことないからやってみよっか!その代わりPDCAは高速でまわそうね」など)、どんどん施策をブラッシュアップでき、結果的には大きな成果を残せます。

つまり、売上目標ではなく関係者全員の中長期的な幸せを追求するからこそ、結果的に大きな成果を呼び込める。
それらを通して自身の成長が促進され、さらに高いレベルでコトに向かえる。そんな好循環がエバーセンスには渦巻いています。

 

同じ方向を向いた仲間がいるから、真摯に成果に向き合える。

子育てを大事にしているパパやママから、未婚の若手メンバーまで、様々な人在籍しているエバーセンス。お互いがお互いを配慮し合いながら働いていますが、メンバーがあくまで見ている先はユーザー。そして成果です。

企業ビジョンに対して全員が同じ方向を向いて、成果を大事にしているから、
組織として、評価や働き方も人それぞれの多様性が認められているし、頑張って成果を出せた分は必ず報われる仕組みが成り立っています。

そんないいとこだらけの環境で1年経って、いま。
メンバーの数は倍に増えましたが、働きやすさも働いがいも一切かわらず、成果と成長に向き合い続けられています。

 

みんながもっとご機嫌に、活き活きと暮らせる世界のために。

5期目を迎えた今期から、マーケティング部は従来の「収益機会の最大化」というミッションのほかに、
「サービス認知率・満足度100%」というさらなる高みを目指すことを掲げました。

具体的な戦略やアプローチを描くのはこれからですが、きっとうまく進められなくて、憂鬱になることばかりだと思います。

 

それでも、数多の憂鬱をのりこえて初めて、
今はまだ見えていないものが見えるようになって、できることがもっと増えるのだと思うと、仕事の憂鬱さは全く苦になりません。

エバーセンスの最高のコンテンツをユーザーに届けて、1人でも多くの人をご機嫌に変えていきたい。
みんながもっとご機嫌に、活き活きと暮らせる世界のために。
今日もワクワクしながら、会社に向かいます。

 

マーケティング部は、ミッション実現のための仲間を切実に求めています!
ご興味・ご関心を少しでもお持ちいただけたら、ぜひエントリーをお願い致します!!!