2017年7月現在、エバーセンスは在宅勤務を原則禁止とし、子供の病気など、例外的に認める形にしています。
時代は在宅推奨の流れのなかで、「なぜエバーセンスは在宅勤務を例外にしているのか?」について、ブログでお伝えします。
自由に在宅勤務を選べるようにしていた理由
もともとエバーセンスは最初の1年半、時間と場所にとらわれない働き方を推奨し、全員が完全に自由でした。
会社に来ても、来なくてもいい。
何時に来ても、何時に帰ってもいい。
何時間の勤務でもいい。
昼間に二日酔いでしんどかったら、会社で寝てもいい(ごめんなさい、僕です)。
筋トレしたかったら、いつでもジムに行ってもいい。
自由な働き方を推奨していた理由は、「自分の意志で働き方を決められることがご機嫌だと思っていた」から。
エバーセンスを創業した理由のひとつは、「エバーセンスのみんなが、ご機嫌に活き活きと人生を楽しむ」という組織ビジョンを実現し、組織の在り方を社会に対して発信していくこと。
だから、「メンバーがご機嫌でいること」が、エバーセンスにとっては、とても大切なのです。
その当時、「人は、決められたルールを守るよりも、自分の意志で全てを決められる方が好きだ」と思っていました。
もちろん、今でもそれは間違っていないと思っているけど、ただ単純に自由があればご機嫌なわけではないよなぁと、失敗から学びました。
個人は自由を謳歌したが、結果として、事業はうまくいかなかった。
なぜ在宅勤務で結果を出せなかったのか?
プロダクト(PIBOという絵本アプリ)自体は作れたし、当初の目標通りにリリースもできた。
チャットツールで連絡は取りあっていたし、ちゃんと議論もしていた(つもり)。
でも、今思うと、本当に「それなりの議論」しかできていなかったと思う。
タスクを積み上げ、管理をし、タスクをこなしていく感じでした。
全員が「今ある力で一生懸命」がんばっていたと思うけど、なんとなく、エネルギー値が低い。
あまりロジカルに言えないけど、モノ作りをしている感じではありませんでした。
そして、いつも顔を合わせていないことで、仲間のスキルやスタンス、人柄を把握しづらく、正直、成長にコミットしづらいとも思いました。
良いモノ作りをするのが難しい = 結果が出ない
成長にコミットするのが難しい = 結果が出ない
「これが、エバーセンスで実現したかったことなのだろうか…」と何度も悩みました。
そして、事業的には何もうまくいかないまま、仲間が何人も去って、会社の危機が訪れました。
2014年7月、創業から1年半。
その危機的な状況で、マンションの一室から脱出し、20坪の事務所を借りました。
資金的には危機的な状況が続いていたし、事業的には何も光が射していなかったけど、
「このままではだめだなぁ、180度変えないと。空気を変えよう」と覚悟を決めた。
とてもオフィスとは言えない、小さいビルの、フロアの半分。
でも、移転したときのメンバーの嬉しそうな顔は今でも忘れない。
在宅勤務をやめた後…
移転してから、毎日全員が事務所に顔を出し、勤務時間もコアタイムを10−14時と定め、一緒に昼ご飯を食べたりするようになった。
ユーザー目線でのモノ作りを徹底的に行い、スピーディにアウトプットしたものを確認し、「これは違うんじゃないか」と議論をしてPDCAを回しまくった。
実感値として、顔を合わせることで、情熱的にモノ作りができるようになったと思う。
あれから3年。当時は自分を含めて5人だった社員も、今では40人にまで成長することができました。
「在宅をやめたから」という理由だけではないけど、在宅中心の会社だったら、この成長はなかったと思う。
日々、一人ひとりのメンバーが通勤して会社に集まり、ママランチを食べたり、カウンターキッチンでお茶したり。
そうやってお互いのことを理解することで信頼が生まれ、本当に、ものすごく良い雰囲気で、前向きにモノ作りに集中できていると思う。
もちろん、在宅勤務でも成功できる事業はあると思うし、エバーセンスも例外的には在宅勤務ができた方が良いと思っています。
シンプルに「決まっているタスクをこなす」だけなら、会社でも在宅でも変わらないどころか、通勤時間がないぶん、きっと在宅の方がパフォーマンスは高い。
でも、モノ作りって、そんなに単純なものではなく、メンバー同士のぶつかり合いの中で、磨かれていくのだと思う。
子供の病気だけでなく、家族の転勤や実家の父母の介護など、さまざまな理由で在宅をせざるを得ない状況の人はいます。
在宅勤務自体は素晴らしいもので、そういった人たちが仕事をする機会になるので、今後も適切に取り入れていきたい。
今いる社員の誰かが、やむを得ない理由で家を出られなくなったら、在宅でも良いと思っています。
ちなみに、エバーセンスは社員の家族の名前をよく覚えていて、ファーストネームで呼ぶことも多く、家族構成や兄弟構成までよく知っている。
西山さんの奥さんは、かおりさん。
けーたの奥さんは、ますみさん。
みおちゃんの旦那さんは、けーたさん。
ゆかちゃんの娘さんは、つむぎちゃん。
ゆうこちゃんの息子くんは、ゆうやくん。
宮川の彼女(もうすぐ奥さん)は、ゆいさん。
たかじゅんの彼女は、ゆ●かさん(2017年7月現在/本人希望により、真ん中を●)。
などなど。
きっと、日々顔を合わせているからこそ、こんな風に覚えていられるんじゃないかなぁと思う。
これからも、みんなを近くに感じながら、良いモノ作りをしていきたいなぁ。
※2020年より、エバーセンスはリモートワークを取り入れた働き方をしています。くわしくはこちらのnoteをご覧ください。
オフラインにこだわった会社が考える、リモートワークとの向き合い方
週1出社も週5出社も。ご機嫌にいいものづくりができるオフィスを考える。