同じ「コンテンツづくり」なのに、全然ちがう。

2018.06.07

小野 佑仁
メディアプロデューサー

こんにちは。メディアプロデューサーの小野です。社内ではポテトと呼ばれています。理由は最重要機密なので教えません。

昨年11月に入社して、気づいたらすで半年経過。おそろしい。そして、自己紹介ブログの締め切りが3ヶ月も過ぎている。おそろしい。今年の4月に入社した茂木先輩(中学校の先輩だということがつい先日発覚)がすでに自己紹介していて、今さらながらに焦っています。

「メディアプロデューサー」ってなに?

エバーセンスには様々な職種がありますが、私はその中の一つである「メディアプロデューサー」として働いています。聞き慣れない職種かもしれませんが、いわゆる「編集者」のことだと思ってください。

編集経験のある人しかメディアプロデューサーになれないのかというと、決してそういうわけではありません。

社内には、異業種から転職してきてメディアプロデューサーとして働いている人が何人もいます。かといって、編集経験がない人しかいないのかというと、そんなことはなく、何人か元編集者の人もいます。

私も、そんな元編集者の一人です。

元・雑食系編集者です

エバーセンスに入社する以前は、書籍編集者として、出版社でビジネス書や自己啓発書、健康書なんかを作っていました。クレジットカード会社に勤めていたこともありますが、期間としてはわずかなので割愛します(察して)。

↑書籍編集者のときから愛用しているノートと万年筆。エバセンでの出番はあまりない。

編集した本は「動物と話せる人の本」「5年で資産を数億円にする方法の本」「9ヶ国語しゃべれる人の語学学習法の本」「某外国人タレントの財テク本」「読むだけで字がうまくなる本」とか、真面目な本から胡散臭い本まで、まあ、いろいろ作りました。

そういった本づくりを通して、企画の立て方やコピーライティングといった、コンテンツづくり全般で活かせる(と思われる)ノウハウを学べたと思っています。

“知りたい”が転職のきっかけ

転職をした理由は、WEBでのコンテンツづくりを学びたかったからです。

もともとは、ずっと書籍編集者として働き続けるつもりだったのですが、自分が作った本のプロモーションや、著者の知名度アップのためにWEBを活用したり、電子書籍や情報商材といった紙の本以外のコンテンツづくりにも携わったりしているうちに、WEBでのコンテンツづくりに興味を持ちました。

当時の私には、WEBの世界でコンテンツづくりがどのように行われているのか全く想像がつかず、だからこそ、そのノウハウを知りたいと思ったのです。

その思いがピークに達したのが30歳を過ぎた頃。異業種に転職するには年齢的にラストチャンスかなと思い、転職を決意しました。

エバーセンスへの入社を決めた2つの理由とは

エバーセンスに入社したのは、大きく二つの理由があります。

一つは、書籍とは対極の位置にあるコンテンツづくりが学べると思ったからです。

どうせ学ぶのであれば、できるだけ書籍とは違うコンテンツづくりを学びたいと思っていました。本の対極にあるコンテンツづくりって、「こそだてハック」のようなSEOメディアだと思うんですよね。1コンテンツの制作にかける時間も、コンテンツの企画の仕方も、何から何まで違うのではないかと。

二つ目は、仕事で学んだことを家庭に還元できると考えたからです。

子供が生まれたばかりだったということもあって、できれば仕事は家庭にもプラスに働くものにしたいと思っていました。その点、エバーセンスであれば、例えばこそだてハックの編集を通じて、「子供がかかりやすい病気」とか「育児のコツ」などの知識が得られ、家事や育児にプラスになりそうなのが魅力でした。

今、あらためて振り返ってみると、この二つの考えは間違っていなかったと思っています。

日々、自分の持っているコンテンツづくりの常識が覆され、勉強になることばかりですし、仕事を通じて得た知識が家庭で役に立ったと感じる場面も多々あるからです。

書籍編集者はレアキャラなのか?

紙の編集者がWEBの世界に活躍の場を移すのはもはや珍しいことではありません。実際、エバーセンスにも紙の編集経験がある人が何人もいますし。

でも、これって雑誌の編集者に限った話のような気がしています。

私のように、“書籍”編集からWEBの世界にやってきた人は未だ少ない。少なくとも私の知り合いにはいませんし、エバーセンスにも書籍編集をメインにしていた人はいないと聞いています。転職時にネットで調べたりもしましたが、WEB業界へ転職した書籍編集者の情報はほとんどありませんでした。

一方で、WEBの世界に興味がある書籍編集者は多いという気もしています。

私がそうであったように、担当書籍のPRや著者のブランディングのために、WEBを活用している書籍編集者は大勢います。というか、活用していない人の方がもはや少数派ではないでしょうか。そうした人たちが、WEBメディアに携わりたいと思っても何ら不思議ではないし、何より、私程度が興味を持つくらいなので、その何十、何百倍の編集者が興味を持っていてもおかしくはない。

読んでいるかわからない書籍編集者に向けて

このブログを読んでいる人の中には、転職活動中の人もいると思います。そして、さらにその中には、WEBの世界に興味がある書籍編集者もいるでしょう。というか、いてほしい。

あまりの情報の少なさに、まるで自分が成功する見込みのない転職をしようとしているのではないかと、不安になってしまうこともあるかもしれませんね。

というわけで、かなりピンポイントな読者向けに、私がエバーセンスに転職して驚いた、「書籍編集とWEB編集の違い」をお伝えしようかと思います。

きっと転職の参考になる…はず。

2週間で1冊の本を作れる尋常じゃない制作スピード!

出版社や本のジャンルにもよりますが、私が勤めていた出版社では、1冊の本を作るのに通常56ヶ月くらいかけていました。

取材に12ヶ月、ライターによる原稿執筆に12ヶ月、原稿編集に12ヶ月、カバーまわりのデザインに1ヶ月、印刷に1ヶ月。ざっくりいうとこんな感じです。他にも、想定読者のリサーチや追加取材などが後から必要になることがあり、そうした場合もう少し時間がかかってしまうのはよくある話だと思います。

もっと短くしようと思えばできるのですが、そうするといろいろ死ぬので、私の中では「コンテンツづくり=半年近くかかるもの」という図式が自然と頭の中にできあがっていました。

ところが、エバーセンスでのコンテンツづくりは全く違います。

↑記事執筆は時間との戦いでもある。書籍編集者のころは生産性なんて気にしなかったけれど、ここでは違う。

例えば、私が携わっている「こそだてハック」の場合、なんと1日で34本の新規記事を作成します。しかも1人で。書籍1冊を10万字、こそだてハックの1記事が2000字だとすると、ざっと2週間あれば本と同じボリュームのコンテンツを作れる計算です。

この圧倒的な制作スピードが書籍とWEBメディアの大きな違いといえると思います。

煽らないし、コンプレックスも刺激しない!

こそだてハックの基本的なスタンスは、「読者に寄り添う」です。

読みに来る人たちは、妊活中〜小さなお子さんがいる女性が多いのですが、みなさん疑問や悩み、不安を抱えていて、それらを少しでも解消したくて読みにきています。そうした読者に対して、励ましたり、アドバイスを送ったり、共感したり、なぐさめたりする––それがこそだてハックというWEBメディアのスタンスです(私の理解では)。

ただ、この「寄り添う」というのがとても難しいんですよ。

なぜなら、私がこれまで携わってきた本のほとんどは、「煽る」が基本的なスタンスだったからです。

ビジネス書・自己啓発書を作ったことのある編集者ならわかると思うんですが、これらの本って煽ったり、コンプレックスを刺激したりしてナンボというような側面がありますよね。

「〇〇しないから幸せになれないんですよ!」「〇〇しないからお金持ちになれないんですよ!」「〇〇しないとガンになりますよ!」みたいな煽り文句を使って、いかに自分が今マイナスの状態にあって、この本を読めばそれがプラスに転じる、ということを読者に伝えるわけですね。

なので、気を抜くと、どうしても煽るような文章を書いてしまいます。

これをこそだてハック仕様に矯正するのが、けっこう大変で。最近は言われなくなりましたが、以前はよく「小野さんの文章は読者を不安にさせる」という指摘を受けていました。

こういう書籍編集ならではのクセみたいなものがある人ほど、WEBの世界に来るとそのギャップを大きく感じるかもしれません。

会社から一歩も出ないでコンテンツが作れる!

書籍編集者の重要な仕事として、「企画づくり」があると思います。

その方法は人によって千差万別ですが、多くの書籍編集者はセミナーや講演会に参加したり、テレビや雑誌、ネットで見かけた人に会いに行ったりと、社外に出て企画のネタを見つけてくるのが普通ではないでしょうか。いわゆる「足で稼ぐ」っていうやつですね。

元上司から「優秀な編集者ほど社内にいない」と教えられたこともあって、私も可能な限り社外に出るようにしていました。なので、当然、「社内にいてはコンテンツづくりはできない」という先入観が頭にインストールされていたんです。

ところが、これが一番驚いたことですが、エバーセンスのコンテンツづくりは社外に一歩も出ずに行われます。

これホントの話ですよ。この先どうなるかはわかりませんが、少なくとも現在は、そういう状況です。

社外に一歩も出ずに作ると、読者のニーズを見誤ったり、信頼性の高いコンテンツを作れなかったりするのではないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。実際、こそだてハックは多くの人に読まれ、感謝の声が届いています。

では、どうやって読者のニーズを汲み取り、それにマッチしたコンテンツを作るのか。

それは……説明するにはけっこう時間がかかるので今回は省きますね。これ以上知りたい方は、ぜひエバーセンスの求人募集に応募してみてください。

まあ、一言で表すと「WEBってすげえ!」です。

 まとめみたいなやつ

というわけで、書籍編集の世界からWEB編集の世界に来た私が、入社半年間で感じたギャップを3つほど紹介しました。

他にも細かいものを含めれば、もっとたくさんあるので、WEB業界に興味のある書籍編集者がいたら、ぜひエバーセンスに遊びに来てください

情報が少ないと迷ったり、不安になったりすると思うんですが、この記事を参考にしてもらえたらうれしいです。