どっちも大事。

2016.11.06

牧野 哲也
代表取締役社長

ハロウィンも過ぎたので、そろそろブログを書こうという気持ちが沸いてきました。
エバーセンス代表の牧野です。

僕がブログを書くときは、以下2つを目的にしています。
「エバーセンスをこういう会社にしていこう!」
というのを、エバセン社員に伝えること。
「エバーセンスってこういう会社だよ!」
というのを、エバセンに応募してくれる方に伝えること。

30人を超えて、「10人未満の頃とはやっぱり違うなぁ」と感じることも多くなってきて、
社長自身がブログでメッセージをすることってすごく大事だなぁと感じています。

今回は「矛盾を楽しもう」という話です

エバセンのカルチャーは、「ゆるふわストイック」。
新しくジョインした仲間は、だいたい「思っていた以上にストイックでした」と言います。
外から見ると「ゆるふわ」に見えるようです。
実際、ゆるふわなところもたくさんあるし、ゆるふわ最高だと思ってるので、そう見えて嬉しいです。
でも、ストイックさは譲れないカルチャーで、筋肉質な組織は、ご機嫌に生きるための必要条件だと思っています。

カルチャーも矛盾しているというか、二面性を持っている。
そして、この矛盾はカルチャーだけでなく、モノ作りや働き方など、全てにおいて大切だと思っています。
 

成果主義なのにゆるふわ

エバーセンスは徹底した実力主義、成果主義です。
年齢や性別、子供がいるかいないかは関係ありません。
働く時間の長さを重視してしまうと、家族を持った人が不幸になる。
子供を生むことがボトルネックになるような社会は嫌だなぁと思うから、働く時間の長さではなく、担う役割・責任の大きさと果たした成果の大きさで評価をしています。

でも、良いプロダクトを作るには、時間が必要なことも事実です。
集中力もいる。
だからこそ、エバーセンスは無駄なことを徹底的に省いている。
会議とか報告とか。その資料も必要最低限に。
稟議も必要最低限(目的と費用だけで100文字程度)にして、性善説でジャッジする。

ただ、それは確かに筋肉質だけど、無駄がないってすごくつまらないなぁとも思う。
気持ちにゆとりがなくなるし、いいモノ作りもできない。
だから、会社にキッチンを作ったり、できるだけ無駄を生みたいなぁと思っています。
飲み物も福利厚生なので、キッチンまわりではみんなよくおしゃべりをしています。
おしゃべり、いいよね。

僕はそんなエバセンのカルチャーや仲間が大好き。
 

矛盾と向き合う

ただ、言いたいことは「好きだ」ということではなくて、「矛盾と向き合うことを大切にしている」ということです。

かっこよくいうと、「or思考」ではなく、「and思考」でいこう。
エバセン風にいうと、「幸せの最大公約数」を見つけよう。ということ。

僕の大好きな田坂広志さんの「経営者が語るべき「言霊」とは何か: リーダーの「言葉の力」が企業を変える」という書籍で

経営という営みの本質は、「矛盾のマネジメント」

という言葉があります。
僕は30歳の頃にこの言葉と出会い、それ以来、胸に刻んでいます。

たとえば。
短期と長期。
仕事と家庭。
スピードとクオリティ。
ユーザーとクライアント。
信じることと疑うこと。
優しさと厳しさ。

こういう二項対立について考えると、人の頭は「どちらが重要か」と考えやすいと思う。
そして、「こっちが大事!」と決めた方が、行動しやすい。
ストイックならストイック、ゆるふわならゆるふわの方がわかりやすい。

でも、経営という視点だけでなく、夫として、父として生きるうえでも、二項対立したことといつも向き合わないといけない。
そして、きっと「どっちも大事にしているときこそ、ご機嫌な状態だ」と思うのです。
どちらかを選ぶと、失ったものを後悔してしまう気がするから。

二項対立したときこそ、どうしたら二つとも実現できるかな、と考えたい。
エバーセンスはそんな会社でありたいし、働くひとりひとりが、人生において、どっちも大事にできる、欲張りな人であってほしい。
 

焦らず、スピーディにいこう

仕事と家庭の両立なんて、今まで人類が男性と女性で分けていたところを、一緒にやっていこうよということで、20世紀後半くらいから始まった。
男女雇用機会均等法は1985年に制定されているから、まだ30年と少し。

僕たちの世代で、会社のあり方や働き方をつくっていこうよ、と思う。
僕らの子供たちがご機嫌でいられるように、次の社会の基礎をつくれるといいなぁと。

時代の過渡期だからこそ、焦らず、スピーディに会社作りをしていきたい。
焦らず、スピーディにね。
100m走をしながら、気持ちはマラソンしてる感じで。

信じてるけど、疑ってるよ。なんて矛盾しまくってる。
けど、本質は、「いいモノ作りをしよう」ということ。
盲目的に「うちの社員がつくるものは、完璧だろう」と信じても、いいものはできない。
「もっといいモノがつくれる!」と疑いをもって、いい議論をして、最高のモノ作りがしたい。

日々、矛盾と向き合いつつ、いい会社作り、いいモノ作りをしていきたいなぁと思っています。
だから、エバセンのみんなも、僕の言ってることが矛盾してても許してね。