「パパ いつも はやくかえって きてくれて ありがとう」

2018.08.03

西山 修
エンジニア

こんにちは。開発本部マネージャーの西山です。

夏ですねー。普段家から駅までの道、木々の生い茂った川沿いの公園を抜けていくのですが、この時期は蝉が大量発生していて、朝も夜もよく襲われます(笑)。虫が苦手なので、「ヒィッ」っとひとり声を出してて恥ずかしい思いをするのが恒例行事です。

さて今日は少し赤裸々に、私の家族との関わりの話をしようと思います。

エバーセンスは「家族を幸せにすることで、笑顔溢れる社会をつくる」をビジョンに掲げています。
私がエバーセンスに転職しようと思ったきっかけも「家族」のことでした。「自分の求める幸せな家族像を実現しながら、いい仕事をしていきたい。」という想いからでした。その想いに、全面的に共感してくれたのがエバーセンスで、入社して4年経った今も、その想いは変わっていません。

私は子供の頃、家族との夕食の団欒の時間が好きでした。みんなでホットプレートを囲んでワイワイしている情景は今でも脳裏に焼き付いています。自分もそういう家庭を作りたい、だから毎日とは言わなくても、平日も何日かは家族で夕食を囲みたい。私にとってはそれが幸せ家族の象徴だからです。
それに、「成功者の時間術」みたいな本に書かれている、「朝5時に起きて、夕方は家族と時間を過ごす」(きっと朝はワークアウトしてから仕事に、とか書いてあるはず)みたいなデキる男に自分もなれるんじゃないか、みたいな憧れはあったかもしれません(笑)。

そんな理想を描きながら入社してきて4年が経ちました。当時5人しかいなかったエバーセンスは50人という10倍の規模に成長し、自分の責任は日に日に高まり、やりがいも大きくなっていきました。
それに加えて、この数年間で集まってくれたメンバーは本当に優秀で尊敬できる人たちばかり。私にはない多種多様な才能を持つ人材がたくさんいて、刺激を受ける毎日です。そんな仲間に囲まれてものづくり出来る仕事は楽しいですが、常にレベルの高い仕事を求められるのでこれまで以上に油断ができなくなってきました。
大げさに言えば、断崖絶壁に指の第一関節だけを引っ掛けてぶら下がっているのを何とか持ち堪えている(といいけど)、そんな感覚で仕事をしています。

私たちエバーセンスの「家族を幸せにする」というビジョンに共感し集まった仲間たちと、そのビジョンを少しでも前に推し進めることが出来るようにと、切磋琢磨しながら邁進していく毎日です。

子どもたちもこの4年で大きくなって(5歳・3歳)、昔よりは手間がかからなくなってきたこともあり、ときに仕事に向き合い帰りが遅くなることも増えてきました。

 

そして、忙しい日が続いていたある日のこと。

いつものように「今日も遅くまでやっていくから、よろしくね」とLINEして、オフィスに残って夢中になって仕事をしていました。
21時頃、妻から着信がありました。しかしそのときは、着信に気づけませんでした。

0時になるかならないかで家に帰ると、妻の様子がどうもおかしい。「連絡気づかなくてごめんねー、どうした?」と伝えても、返す言葉もない様子でグッタリしている。さすがにやばいってことは鈍感な自分でもわかる。すぐさま寄り添って話を聞いてみると、娘のイヤイヤが今日も炸裂してて、助けてほしくて連絡したと。

話を聞くうちに妻は吐き出すように泣き出しました。どうにもならない娘への苛立ち、それを怒鳴ってしまう自分への自己嫌悪、その横に待たされている息子もかわいそうで、さらには近所迷惑を気にかけなきゃいけない状況と、夫が帰ってもきても笑顔で迎えることも出来ず、家事もままならず・・・日々溜め込んでいたものが次々に出てきたのです。

(大変なのは分かっていたけど、まさかそこまで追い詰められてたとは・・・)

他人様の家族を幸せにするどころか、自分の家族さえも守れていない愚かさ、情けなさに、私は愕然としました。

 

正直言います。

家庭と仕事の両立、激ムズじゃないですか。いや、ドライにワークライフバランスと言って、18時退社することは可能です。そうじゃなくって、家庭も大事にしたいけど、自分もプロフェッショナルとして仕事をし、成果出していきたい。そういう難しさ。「成功者の時間術」は幻想なのか・・・私がまだ至らないだけだとは思いますが、本当に難しい。

何度も思いました、「今は大事な時期だから、家のことは頼む!」みたいなことを。もしくは、その逆で「家族優先、それこそが自分の幸せだ!」みたいなことも。

でも割り切れないんですよね、私には割り切れない。どっちも大切すぎて。

エバーセンスの行動指針には「幸せの最大公約数をとる」というのがあります。「ユーザー満足か売上か」とか、「仕事か家庭か」とか、そういう二元論ではなく、人生もっと複雑なものだから、その中で最適なものを取っていこうよと。
私もやっぱり「仕事も家族もどっちも大切にしたい」です。
きっと子供たちが私の帰りを楽しみにしてくれる日は、そんなに長くないと思うし、妻も育児が大変なのは今しかないと思うので、今の大切な時間を大切にしたい。でも仕事もちゃんと自分の納得がいくように成果をだしていきたい。何かを捨てなければ一流になれないとかあるかもだけど、自分の人生の納得度は自分で決めることにしようと思う。

こんなことを書こうと思ったきっかけは、まさにこの文章を書いているついさっき、息子が手紙をくれたからです。
近所の大きな夏祭りがあり、子どもたちと行こう約束していたので、仕事は早々に切り上げて帰ってきました。
そしたら息子からこんな手紙をもらいました。

「パパ いつも はやくかえって きてくれて ありがとう」

全然いつもじゃないし。特に最近はめっきり遅かった。だけど、何かが伝わっているのかな。だとしたら、うれしいな。

大切にしたいものがあるって、幸せなことです。決して簡単ではないけれど、幸せの最大公約数をこれからも求め続け、悩み続けていきたい。チームのみんな・家族のみんなに支えられながら、仕事も家族も自分の自己実現に少しでも近づいていきたいと思ってます。